おひとりグルメ 北海道・帯広「カレーショップ インデアン まちなか店」「六花亭 帯広本店」
今回は、おでかけ編です。
向かいましたのは、北海道は十勝平野の真ん中にあります帯広市。人口は16万人、北海道を代表する街のひとつです。
帯広市がある十勝地域の食料自給率は、なんと驚きの1000%。十勝川を越えて市街地を出ると、畑が地平線の彼方まで広がっていて、とても同じ日本の景色とは思えません。畑がたくさんあるということは、きっと美味しいグルメに溢れているはずです。
では、いただきましょう!
チェックインしたら六花亭に駆け込め!
六花亭の帯広本店は、帯広駅から歩いて10分もかからないところにあります。駅前にホテルを取っておくと、歩いて行けるので便利です。
ホテルにチェックインするのって、早くても16時過ぎとかじゃないですか? もし17時を過ぎているようなら、お風呂は後にしてダッシュして六花亭に向かってください。
というのも、六花亭の営業時間は18時までです。だって、洋菓子店ですから。
私が六花亭に向かったのは、9月下旬・平日の17時すぎ。なのに、お店の中は混雑しています。
なるほど、前に並んでいる人は、お子さんの誕生日ケーキを取りに来たようです。内地の人にとっては、お土産のイメージが強い六花亭ですが、地元の人にとっては洋菓子店のひとつなんですね。
ここで私が買ったものは……後で紹介します! 焦らしてごめんね。
(見出しでネタバレしちゃってるけど)
カレーショップ インデアン まちなか店
帯広と聞いて、みなさんならどんなグルメを思い浮かべますか?
豚丼や、お蕎麦、あるいはチーズと言った酪農製品でしょうか?
いえいえ、正解は「カレー」なんですね。
帯広にだけ展開する、とてもローカルなチェーン店の「カレーショップ インデアン」は、帯広市民のソウルフードです。他の飲食店と同様にテイクアウトができるのですが、帯広市民はインデアンに鍋を持って行ってテイクアウトするのだとか。
「そういうのはケンミンショーとかでよくある誇張なんじゃないの?」って思いますよね。私も疑って公式サイトを見たところ、写っていました。鍋が。
そんな帯広市民が愛するらしいカレー屋さんは、帯広駅の近くにもあります。それが、今回お邪魔した「まちなか店」です。観光客にも優しい、嬉しい!
店内に入るとお客さんが多くいましたが、運良く待ち時間なしで座れました。ほっと一息、オーダーしようとしたところ、店員さんから驚きの一言が告げられます。
後で調べたところ、このお店は人気店らしく、18時を過ぎると人気メニューは売り切れることもあるんだそうです。
しかし、個人経営のお店ならまだしも、チェーン店で売り切れとは……これが文化の違いというやつですね。旅の醍醐味だと感じました。地理学徒の私は内心ニヨニヨしています。
(皮肉ではなく、本心から楽しんでいます。念のため)
さて、残されたメニューは「インデアン」「エビ」「チキン」「カツ」の4種類。後でスイーツも食べたい私が選んだカレーはこちら!
まず驚いたのが、作り方。
この見た目だと、あらかじめ用意されたチキンにルーをかけると思うじゃないですか?
ところが、インデアンではそうしません。用意されたチキンを小鍋に入れたかと思うと、大鍋からルーを入れて温めながらかき混ぜて、それからご飯に盛り付けているんです。なんという丁寧な仕事。
さて、味の方はというと、意外と辛いです。中辛ですが、ほどよくパンチのある辛さです。
ルーは、もったりとした感じで、おうちカレーと似た雰囲気を感じます。でも、味の深みがおうちカレーとは段違いです。チキンはしっとりしていて、もったりしたルーとよく合います。
周りを見渡すと、満席で待っている人の姿も見えます。背広姿のサラリーマンや、作業服姿の人もいます。おそらく、出張で帯広に来たのでしょう。
店員のお姉さんは、ロコ・ソラーレの人たちと同じイントネーションで喋りながら、慌ただしくオーダーを捌いています。
飛び交う言葉の違い、お客さんの違い、味の違い……全てが旅の醍醐味です。
そして、ふと思う――なぜ、このカレーは愛されるのだろうか?
このお店よりも美味しいカレー屋なら、私だって知っています。
(たとえば、三宮の「サヴォイ」とか)
でも、サヴォイのカレーを家で食べるだろうか?
あるいは、サヴォイに鍋を持って行ってテイクアウトできるだろうか?
そう考えた時に、インデアンは家で温め直しても美味しく食べられそうで、鍋を持って行っても大丈夫そうで、リーズナブルな値段設定なのに、ほどよく贅沢が味わえる――そりゃあ、愛されるに決まってるじゃないですか!
ほんの少しだけ――そして、おそらく勘違いなのですが――帯広市民の仲間入りができたような晩ごはんでした。
ごちそうさまでした!
帯広限定! 六花亭の「サクサクパイ」
北海道には、美味しいスイーツが数多く存在しています。
その中でも帯広でしか食べられないスイーツ、そのひとつが六花亭の「サクサクパイ」なのです!
このサクサクパイの特徴は、何と言っても賞味期限がたった3時間というところです。サクサクパイがサクサクを保てる時間とのことなので、買った後はなるべくすぐに食べましょう。
一口齧ると、サクッといい音が聞こえてきます。
パイ生地は音に反して厚めなのに、名前のとおり軽やかな食感です。
カスタードは甘すぎず、もう一口食べたくなってしまう味わいです。
この感覚、言葉には表しにくいのですが、北海道の余裕を感じますね。
たとえば本州のお菓子なら、良い素材を使えば「濃厚」「プレミアム」と言ってみたり、あるいは「発酵バター使用」「生食感」のような方向性で、スイーツの価値を上げようと努力しています。
それと比べると、このサクサクパイは特に奇をてらうところはなく、ネーミングも「サクサクパイ」などと、何のひねりも感じられません。
なのに、これだけ美味しいというのは、やはり地元産の素材――それも、北海道産の素材を使っているからなのでしょう。
とあるお菓子のキャッチコピーを借りて評するならば、このおいしさは やはり北海道、というところでしょう。
参りました。ごちそうさまでした。
帯広の夜に、カレーショップインデアンと六花亭のサクサクパイ。いかがでしょうか。
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