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フェリー初心者からのステップアップにオススメしたい「新日本海フェリー」の魅力

前回の記事でジャンボフェリーをオススメしましたが、実は、一番のオススメは関西と北海道を結ぶ「新日本海フェリー」なのです。というのも、見渡す限りの水平線、メニューが豊富なレストラン、日本最速の露天風呂など、巨大なフェリーでスケールの大きな船旅を楽しむことができるからです。これは、そんな新日本海フェリーへの愛を語る記事になります。

愛が重い、16000トンぐらいある

前回の「初めての船旅にオススメしたい『ジャンボフェリー』の魅力」が、なぜかnoteのオススメ記事に紹介されてしまいました。
おそらく、ジャンボフェリー公式Twitterさんに紹介していただけたおかげだと思います。ありがとう、また乗ります。

☝️公式Twitterを見てビックリしました。

さて、この記事には若干の嘘が含まれています。
それが、序盤の3段目に書いたこの部分。

そこで今回は、私が愛してやまない、船旅初心者にもオススメな「ジャンボフェリー」の魅力をお伝えします。

大好きだし、船旅初心者にオススメなのは本当だけど……



ジャンボフェリーさん、ごめんなさい。
私が本当に愛してやまないのは「新日本海フェリー」なんです。
貴方は2番目なんです。

このファンネルが俺を狂わせる


まずは新日本海フェリーをざっくり紹介します

俺が新日本海フェリーを好きな理由を3行で

・日本海を突き抜ける壮大なスケールの船旅
・飯のクオリティがめちゃくちゃ高い、しかも露天風呂まである
・21時間も船の中で過ごせるって最高じゃないですか!?

21時間も船の中で過ごします

航路の紹介

新日本海フェリーには「舞鶴~小樽」「新潟~小樽」「敦賀~苫小牧東」「敦賀~新潟~秋田~苫小牧東」の4つの航路があります。
この中で私が乗船したことがあるのは、「舞鶴~小樽」と「敦賀~苫小牧東」だけになりますので、これを中心に紹介します。

舞鶴~小樽航路と敦賀~苫小牧東航路

今回は地図のスケールが桁違いです。左上にロシアがいますね。
地図をご覧のとおり、新日本海フェリーは日本海を直線的に結びます。さながら海のバイパスといったところ。
ところで、この地図で赤色の線になっているところは、比較的携帯の電波が入るところです。
当然と言えば当然なのですが、陸から離れると、携帯は圏外になるのでご注意ください。
(もちろんテレビも映りませんが、BSは宇宙レベルなので映ります)


でも揺れるんでしょ?

そんなに揺れません。
実際、新日本海フェリーの中の人も、このように書いています。

夏場の日本海は、冬と異なりべた凪の日が多い。太平洋側は夏でもうねりがあるが、日本海は鏡のような状態の日が多いので、揺れのない穏やかな船旅が楽しめる。

長距離フェリー50年の航跡(編著:株式会社SHKライン)より抜粋

なので、安心です。信じてください。


ところで運行スケジュールってどうなっているの?


舞鶴 23:50発 ~ 小  樽 翌20:45着
敦賀 23:55発 ~ 苫小牧東 翌20:30着
☝️人間を運ぶ乗り物のダイヤではない


徒歩乗船ってできるの?


恐ろしいことに、ちゃんと全て連絡バスが運行されています。
なんなら、下船後に舞鶴から神戸に向かう高速バスもあります。でも車やバイクの乗船がオススメです。(詳しくは後述します)


新日本海フェリー敦賀~苫小牧便「すいせん」乗船記

乗船から就寝まで

今回は関西方面からのアプローチになります。まずは、名神高速道路と北陸自動車道を走って敦賀を目指しましょう。
敦賀ICで高速を降りて、真っ暗な道をしばらく走ると、灯りに照らされた敦賀港フェリーターミナルが現れます。

新日本海フェリーのホームページには「車の人は最低でも1時間前には来てね♪」と書いてありますが、私は2時間前に着くようにしています。早く着くと、早く乗せてもらえることがあります。早く乗ると、早くお風呂に入れます。

誘導員の方の指示に従って、巨大なフェリーに乗船するのは、何回経験してもワクワクが止まりません。
けたたましい音を立てながら、素早く整然とランプウェイを駆け上がり、乗り込んでいくトラックとトレーラーを眺めていると、この人たちが日常生活を陰ながら支えてくれているんだなあ、という実感が湧いてきます。
そんな間隙を縫って、小さな車を巨大なフェリーに積み込むと、長い船旅が始まります。

閑散期はひとり個室でも追加料金はありません


お部屋に荷物を下ろしたら、お風呂にダッシュしたり、売店にダッシュしたり、色々と慌ただしくしていると、あっという間に出港の時間になります。
「こんな大きな船が横に動くのか……」と思わずにはいられない、迫力のある出港です。いや、マジでスラスターの音がすごいんよ。


さて、出港したら、まずやるべきことは何でしょうか?
そうですね、酒盛りです。

酒!飲まずにはいられないッ!

どうせ21時間もあるのですから、夜はゆっくり過ごしましょう。
携帯の電波が入るのも今のうちですからね。Twitterで乗船自慢をするなら今のうち。圏外になってツイートが途切れると「あっ、またこの人は新日本海フェリーに乗ってる」ってなりますからね。


翌朝からお昼ごはんまで

船の上から見る朝焼け

おはようございます。でも私は二度寝をします。おやすみなさい。
21時間もあると油断するんですよね。

さて、二度寝からの朝ごはんを終えると、さっそくイベントが始まります。
それは、姉妹船との反航です。

姉妹船「すずらん」

船と船とがすれ違う反航――おそらくイメージするのは、のんびりとした時間の中で、ゆっくりと2隻の船がすれ違って、汽笛を交換して、お互いの乗客の顔が見える位置まで近づいて、手を振りあう――そんな優雅なひとときではないでしょうか。

しかし、この船は日本海の暴走族である新日本海フェリー。
舞鶴~小樽航路は30ノット(55km/h)、遅い方の敦賀~苫小牧東航路でも28ノット(52km/h)で走るフェリーです。
しかも、船の長さは225メートル。1.7ジャンボフェリーの巨大船です。
(1ジャンボフェリー=132メートル=新造船あおいの全長)
それゆえ、2隻はおいそれと近づくことはできず、爆音で汽笛を交換をしたあと、姉妹船はみるみるうちに水平線の向こう側へと消えていきます。

なので望遠レンズが必須になります

反航を見終わったあとは、潮でベタベタした体を流しましょう。
敦賀~苫小牧東航路の最大の魅力、それは露天風呂です。
マジでガチの露天風呂があります。

画像は公式サイトより引用
こういう景色を眺めながらお湯に浸かる

海の青色と空の青色が溶け合う景色を眺めながら、潮風に当たってお湯に浸かると、人間はとても幸せな気分になります。
ただし、景色は時速50キロメートルで流れます。

お昼ごはん

お昼ごはんだけで独立した目次を作るぐらい、新日本海フェリーのご飯は美味しい。これより美味しいご飯が食べられるフェリーは、私は阪九フェリーぐらいしか知りません。
(ちなみに、新日本海フェリーも阪九フェリーも、同じSHKラインのグループ会社です)
メニューは豊富で、ご当地グルメ・季節限定メニューもあって、私はいつも悩ましく思っています。SHKラインのレストランで同人誌を出せそう。

お刺身もたくさんあるので飲める
どれも美味しそうに見える
新潟名物 タレカツ丼!
ホカホカのカツがジューシーでとても美味しかったです
帰りの便では冷たいお蕎麦をいただきました

お昼ごはんから晩ごはんまで

このあたりの時間になると、途切れ途切れに電波が入るようになります。
電波が入るとやることはひとつですね。
そうです、ツイッターです。

電波が入るとツイッターができるのですが、入らないと人間は無力です。
私の暇つぶしは大きく3つあります。
①事前にダウンロードしておいたアマゾンプライムビデオを楽しむ
②Switchでゲームをする
③昼寝

一番満足度が高いのは、圧倒的に③昼寝です。
そして、昼寝をする時は和室が最高です。畳しか勝たん。ごろん。ぐーすかぴーすか。

ゲームに飽きたらフォワードサロンで前面展望を楽しみましょう
眠気覚ましに海風に当たりましょう
津軽海峡は電波ボーナスゾーンです、目一杯ツイッターを満喫しましょう

晩ごはん

ディナーに食べるべきメニュー、それはビーフシチューです。
新日本海フェリーのビーフシチューは美味しい。
お肉がとろっとしてほろりと溶けて美味しいのです。
つべこべ言わず、一度食べておくべき。

パンで食べると無駄なく食べられます
船旅をしていると一層美味しく感じます
普通にトンカツ定食みたいなのもある

下船、そして北海道へ……

日が沈み、空に月が昇ると、いよいよ船旅も終わりを告げます。
私が乗船した時は、ちょうど中秋の名月が美しい時期で、鏡のように静かな水面に月明かりが反射していたのが、とても印象的でした。
下船時刻が近づくと、スピーカーからしっとりとした音楽が流れてきます。まるで、船旅が終わる寂しさを演出するかのようです。

望遠レンズの使い道は船を撮るだけではない


さて、ここからが問題で、車で乗船すると下船できる時刻(到着時刻ではない)の20~30分ほど前に車両甲板に集められます。
この車両甲板、船は鉄板で出来ていますから、全く携帯の電波が入りませんし、もちろんGPSの電波も入りません。暇なのも問題なのですが、それ以上に真っ暗な苫小牧東港に降ろされた時に、右も左も分からないという状況になってしまいます。
なので、あらかじめGoogleMapなどをオフラインで使えるようにしておきましょう。カーナビが本州のままで迷子になることがあります(1敗)

さらに、苫小牧東港は真っ暗で怖いです。
田舎の人が言うんだから、よっぽどの暗さです。

実体験です

まとめ

つべこべ言わず新日本海フェリーに乗れ!!!!!
細かいことは乗ってから考えろ!!!!!

👆よく効く酔い止め薬のようです(飲んだことはありません)

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