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2018年8月の記事一覧
見よぼくら一銭五厘の旗
2年前、「暮しの手帖」の創設者・花森安治さんの展覧会で、『見よぼくら一銭五厘の旗』という文章に出会いました。とんでもない名文だったので、本を買って、一部書き写してみました。(全文じゃないです)
美しい夜であった
もう 二度と 誰も あんな夜に会うことは ないのではないか
空は よくみがいたガラスのように
透きとおっていた
空気は なにかが焼けているような
香ばしいにおいがしていた
どの家も
ダイジェストよりもディテールが知りたい
『むかしこっぷり』というマンガを読んだ。身近な人の、なんとなく忘れられない小さな昔話を集めた短篇集だ。
子どもの頃、近所に住むお兄さんに10円玉をもらったこと。教室の窓の外に生えていたポプラの木が切られたこと。仔犬がいなくなってしまったこと。
人生のダイジェスト映像からはカットされるけれど、間違いなくその人の血肉となっているようなエピソードが、やさしくささやかに編まれている。
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