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ぐるっと日本を旅してみた Vol.14

2023/07/05(水) 14日目

日本の最東端、納沙布岬には一度行ったことがあった。
海岸線とモニュメント。
そして海の向こうに浮かぶ島。
その時は、最東端の地という印象は無く、北方領土返還運動の最先端という印象だった。


日本本土最東端 納沙布岬

海の向こうに歯舞諸島が見える。
船に乗ればすぐに着きそうな距離に見える。
目の前を飛び交っている鳥はあの島々を行き来しているんだろうな。
ようやく日本の東の端、納沙布岬に着いた。
展望タワーが立っているが、今は閉鎖されて営業していないらしい。
冷たい北風に朽ち果てているように見える。
大きなモニュメントも建っているが、これは最東端を意味するものでは無く北方四島返還を願うもの。
北方館という資料館に入ると北方四島へ自由に行き来できていた頃の資料や交流の記録が展示してある。
2階の展示室はガラス窓から北方四島を見ることができるのだが、今日は曇っていて歯舞諸島の一部しか見えなかった。
日本の東の端っこは北方領土への思いが強く出ている場所、という印象だと思った。
しかし、この場所は希望の岬公園という場所。
実際の納沙布岬の先端はここから少し進んだ場所にある納沙布岬灯台のある場所が最東端だった。
こちらは、灯台もあり最東端感がありようやく目的地に着いた気がした。

北方領土返還祈念シンボル像「四島のかけ橋」
オーロラ・タワー【塀漢中】は、霧の中
納沙布岬と納沙布灯台
納沙布岬

やきとり弁当 タイエー

根室半島の北側を通って納沙布岬へ行ったので帰りは半島を一周するように南側を通って根室市へ戻った。
お昼は弁当を買うことにした。
元道民のミィがやきとり弁当を食べようと言い出した。
「函館のハセガワストアのやきとり弁当が有名だけど、そこで修行した人が店を出したのが根室のコンビニ、タイエー。
だからやきとり弁当があるんだよ。」
ローカルコンビニ タイエーの店内に入るとコンビニらしく商品が並んでいるが一角に厨房があり弁当を作っている。
早速やきとり弁当を頼むと「しばらくお待ちください。」と言われ焼鳥を焼き始めた。
あぁそこから。
時間潰しに店内を散策し、焼鳥焼いているところを写真に撮って良いか?と聞いたら、どうぞ、どうぞと写りの良いように並べ直してくれた。
焼きたての焼鳥を弁当の上に乗せて、パックを閉じると手渡してくれた。
出来立て、ホカホカの弁当を持って近くの公園へ行って食べることにした。
明治公園はタイエーから数分のところにある。
公園のベンチを探しているとバーベキュー場があった。
北海道はちょっとした場所にバーベキュー場がある。
休みになるとバーベキューを楽しむらしい。
明治公園のバーベキュー場はゴミ捨て場も完備してあって分別さえすれば缶、ビン、それにガスボンベまで捨てることができて有り難かった。
そのバーベキュー場がちょうど良いテーブルと椅子になっていたのでそこに弁当を広げた。
ご飯の上に海苔が強いてあり、焼鳥の串がご飯の量で変わるが 3、4本乗っている。
そこ串が弁当の端から外に飛び出ているのだが、蓋を閉めて上から押さえたままその串を引き抜くとご飯の上に焼鳥が残って食べやすくなるのがこの弁当の食べ方らしい。
焼鳥というが実は豚肉でちょっと不思議なネーミングでもある。
早速食べると焼鳥とそのタレがしみたご飯が美味しい。
しかも焼きたて炊き立てで温かい。
「美味しいね。」と食べ始めたのだが周りが不穏な感じになってきた。
カラスに囲まれているのだ。
最初は離れていたのだが少しずつこちらに近寄ってくる。
それも1羽2羽ではない。 結構な数だ。
用心しながら食べていたのだが、ちょっと落ち着いて食べていられなくなった。
「車で食べるか」と、その場を撤退した。
やきとり弁当は美味しかったのだが、変な思い出となった。
ごちそうさまでした。

ローカル コンビニ タイエー
焼き鳥
串を抜く
焼き鳥弁当 完成!

日本最東端駅 東根室駅

車で行ける最東端が納沙布岬ならば鉄道の最東端は東根室駅だ。
根室本線の終点は根室駅、その一つ手前の駅です。
鉄道でここまで来ればその達成感もひとしおだろう。
車で来てみると住宅街の一角に駅はあった。
無人駅でホームが一つ。
写真を撮ったりぐるっと見て回ったが、列車が来る気配がない。
1日上り下り合わせて11本。
この後3時間位列車は来ないらしい。
最果ての駅は、静かな駅だった。

日本最東端の駅 東根室駅

根室車石

花咲蟹で有名な花咲港の近くの岩場の海岸に丸い奇妙な石があった。
放射状節理構造の玄武岩「車石」だ。
中心から外側に向かって放射状に割れ目が伸びている。
その様子が車輪のようだということでこの名前が付いている。
直径6mの巨大な石。
その周りには巨大な霜柱のような石で埋め尽くされている。
柱状節理というらしい。
地球の大地が産み出した不思議な光景でした。

根室車石

砂嘴のその先へ 野付半島

標津町からオホーツク海に向けて細長い半島が伸びている。
野付半島だ。
全長28kmの砂嘴ということだが、この半島の先端がどんな風になっているのか物凄く気になっていたので行ってみた。
国道244号線を離れ道道950号線を走る。
左側はオホーツク海。
右側が半島に囲まれた内海。
立ち枯れたトドマツ、トドワラが時々目に入る。
途中、ネイチャーセンターがあり立ち寄ってみた。
野付半島の資料や自然の紹介を見ることができる。
そして目の前のオホーツク海には手が届きそうな距離に国後島が見える。
双眼鏡を覗けば向こうの人が見えるんじゃないだろうか?
ネイチャーセンターから遊歩道がトドワラの群生へと続いていた。
歩いて20分ほどだそうだ。
遊歩道に沿ってトラクターバスというものが出ていた。
大きなトラクターが客を乗せた荷車を引いて進むというもの。
僕らはそれに乗り込んだ。
5人程の客を乗せるとトラクターバスは動き出した。
ゴトゴトと大きく揺れながら湿原のようなところを進んでいく。
「鹿がいますよ」と運転手が教えてくれる。
遊歩道から少し離れたところにエゾシカの群れがいた。
客が一斉に写真を撮り始める。
10分位で終点に着いた。
そこからは木道を歩いてトドワラのある場所まで行く。
帰りのバスの出発時間を告げると、待っていた客を乗せてトラクターバスは戻って行った。
僕らは歩いてトドワラを見に行くのだが、ネイチャーセンターでも説明があったのだがトドワラの腐朽が進んでいるのだ。
実際、まばらに残っている感じがする。今しか見ることができない風景かもしれない。
時間通りにやってきたトラクターバスに乗り込んでネイチャーセンターへ戻り、その先 道道950号線の終点へ向かう。
海の中の一本道を進むと駐車場がありそこが終点だった。
さらに続く道の先に灯台が見えるが、ここから先は許可がないと入れないらしい。
先端を見ることはできなかったがここまで来れたことに満足していた。
先ほどみたエゾシカの群れらしきものが近くにいて、駐車場の近くの道路にも1頭エゾシカがやってきた。こんな直近でエゾシカを見ることができるなんてビックリ。
戻る道路の真ん中には、キタキツネがのんびり散歩してるし、オジロワシがテトラポットの上で羽を広げているし、大自然の真ん中にいるんだなってことを感じさせる野付半島でした。

トラクターバス
砂嘴の中の一本道を進む
野付半島
オジロワシ

羅臼温泉野営場

羅臼は雨の中だった。
羅臼温泉野営場は、登山のベースキャンプのようなところでソロテント用の区画が並ぶキャンプ場だった。
温泉と名前についているが今日は熊の湯という温泉は入れないということだった。
テントサイトの周りには電線が張り巡らされていて野生動物よけとなっていた。
特にヒグマの出現が怖かったので、食料やゴミには気をつける必要があった。
この日は空いていたこともあり区画を少々はみ出ながらどうにかテントとタープを立てて一息ついていると急に声をかけられた。
「薪をあげるから焚き火をしたら。」
各サイトには簡易な焚き火台があった。
関西人らしいおっちゃんは、薪を一箱持ってきてテントに声をかけては配って歩いている。
僕らの所にも持ってきたのだ。
「今日は寒いからなぁ。焚き火がいいよ。」関西訛りでそう言うと箱を置いて行った。
そういえばこの旅では手間がかかって後始末が大変な焚き火はやっていなかった。
ちょっとやってみるかと思ったけど、もらった薪以外の道具は何も持っていなかったので諦めることにする。
おっちゃんは上の駐車場で大きな声をあげて仲間たちと酒を飲んでいるようだった。
「薪をありがとうございます。でも焚き火はやらないので、お返しします。」
「あっ、そこ置いておいて」と、おっちゃんと盛り上がっていた人に言われて薪を置いてテントへ戻った。
聞こえて来る話では、関西から来たおっちゃんが羅臼に住みつきお友達がたくさんできたという流れらしいが、いまいちどういう関係の人達なのかよく分からなかった。
やがて一人、二人と帰っていきおっちゃんは車の中で眠りについたようだった。
そして夜中に宴会会場をそのままにしておっちゃんは出て行った。
夜明け頃に戻ってきたようだったが、何をやってる人なのかさっぱり分からなかった。

羅臼温泉野営場
雨のキャンプサイト
今宵のお宿

14日目のDATA

2023/07/05(水)
天候:曇りのち晴れ 最低 10.6℃/最高 17.9℃
北海道根室市〜北海道目梨郡羅臼町
走行距離:246.7km
総走行距離:2448.3km

14日目のルート

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