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ぐるっと日本を旅してみた Vol.28

2023年7月19日(水) 28日目

相変わらず秋田方面では大雨が降っている。
盛岡市も空はどんよりとしていて朝から雨が降り続いていた。
今日は、盛岡市を観光して回るつもりだ。
雨だけが心配だった。
市内観光をどうしようかと思ったけど、ホテルの契約駐車場に車を停めたままバスで回る事にした。
雨がこれ以上酷くならないことを願って出発した。


6都道府県庁目 岩手県庁

盛岡駅前からバスに乗ってまずは 6都道府県庁目 岩手県庁へ向かう。
盛岡市の中心部の官庁街に鉄筋の近代的な庁舎が建っていた。
庁舎の前で写真を撮ると、周囲を散策する。
ここには観光スポットの石割桜がある。
文字通り大きな石の間から桜の木が生えている。
高さ 11m、樹齢300〜400年ととても立派な桜の木だ。
県議会棟の前、地方裁判所の敷地内にそれはあるのだが、お役所の敷地内なので入って良いのか?
悪いのか?ちょっと恐る恐る入ってみる。
この頃はまだ役所の敷地にや建物に入るのは躊躇していたのだ。
写真だけ撮るとコソコソと敷地から出て行く。
多分向こうは「観光客 Wellcome」なんでしょうけれど。
県庁と石割桜の写真を撮ると市内観光へ向かった

【盛岡都心循環バス】~でんでんむし~ に乗る
岩手県庁舎
石割り桜

岩手銀行赤レンガ館

岩手県庁の近くから乗ったバスはグルッと市街地を大回りしていた。
方向間違えたかな?とも思ったが周遊バスなので目的地には辿り着く。
どうせ雨だしノンビリ行こうか。
バスを降りて少し歩くと、東京駅の様な赤レンガの建物が見えてきた。
岩手銀行赤レンガ館だ。
設計者が東京駅を設計した辰野金吾。
雰囲気が似ているわけだ。
1911年 盛岡銀行として落成、その後岩手殖産銀行(現岩手銀行)へ譲渡され 2012年まで銀行業務を行なっていたそうです。
中に入ると当時業務を行なっていたであろう天井の高い広い空間が広がっている。
2階へ上がりその空間を見渡すと装飾がいちいち凝っていて明治時代の建物はこういう感じだなと思う。
有料区域へ入るとさらに資料や奥の部屋を見る事もできるのだが無料区域だけでも充分この建物の凄さがよくわかる。
見学を終えて外へ出ると雨はさらに強く降っていた。
雨に濡れた赤レンガは赤味を増した様に見えた。

雨に濡れた赤レンガ館
旧岩手銀行の室内

南部せんべい 老舗白沢せんべい店

赤レンガ館から古い街並みを散策してみる。
新旧入り混じったような街並みは趣もある。
修学旅行だろうか、学生服姿の子供達が数名でワイワイ言いながら店を覗いている。
しばらく歩くと南部せんべいの店があった。
建物は鉄筋だが老舗白沢せんべい店と書かれた看板がどこか歴史を感じさせる。
店内にはブラウン管テレビや古い冷蔵庫などレトロなものが展示してあった。
南部せんべいがショーケースに並べられているが、ものすごく種類がある。
「どれが良い?」と色々物色して、定番のピーナッツ入りからココア、ひまわり、醤油、そして冷麺を選んでみた。
他にも色々な味があって見ているだけで楽しい。
硬くて甘い南部せんべいは美味しかったが、冷麺だけ異質な感じもする。
どれも美味しくいただきました。

白沢せんべい店 せんべいの種類が豊富
レトロな店内
いろんな味を買ってみた。

盛岡城跡公園

濁った川の水がごうごうと音を立てて橋の下を流れている。
もう少しで溢れるんじゃないかという気になってくる。
「いつもより多いね」
と、川を見ていた人がポツリと言う。
山間部では雨が相当降っているようだ。
盛岡市内をぐるっと回り盛岡城跡公園まできた。
まずは櫻山神社でお参りを。
その拝殿の隣に大きな岩がある。
盛岡城を築城の際に出土した大岩で烏帽子岩という。
お守り岩とされているそうだ。
石垣を見ながら本丸まで登ってみる事にした。
本丸からは市内を見渡すことができる。
春先ならば桜がキレイに咲いていたのだろうな。
盛岡駅が案外近くに見える。
雨も止んでいた。
「歩いていけるんじゃない?」
帰りはバスを使わずに歩いて駅まで行く事にした。
途中で乗るはずだったバスに追い抜かれたが、あちこち見ながらの街歩きが楽しかった。

雨で増水している
櫻山神社
烏帽子岩
ここが本丸

盛岡冷麺 ぴょんぴょん舎

「盛岡麺の3大暴力」ジャジャ麺は食べた。
次に食べるのは盛岡冷麺。
冷麺といえば韓国風の冷麺が思い浮かぶが、盛岡冷麺とは違いがあるらしい。
韓国風冷麺は蕎麦粉が入っているが、盛岡冷麺は蕎麦粉が入っていないそうだ。
有名なお店はいくつかあるが盛岡駅前の「ぴょんぴょん舎」へ行く事にした。
団体客も捌けそうな店構えで1階、2階と席がある。
2階へ通された僕らはランチを頼んだ。
修学旅行生らしき集団が5、6人楽しそうに食事をしている。
焼肉のコンロがテーブルに付いているが焼き肉を食べてる人はいない。
みな冷麺を食べている。
「お待たせしました」ランチが届く。
冷麺は、キムチとゆで卵そしてスイカが乗っている。
他にサラダとチヂミが付いてきた。
ツルッとして腰の強い冷麺は美味しく、箸休めのスイカがいい味している。
チヂミも美味しかった。
これだけ美味しくて「3大暴力」ってなんだろう?
学生時代に友人に聞いたことがあるが誰も明確な答えは返ってこなかった。
「辛いから」
「見た目」
ただ一つだけ言えるのはわんこ蕎麦は暴力に該当するかもしれない。
店と客の勝負。
考えただけでこれは食べなくて良いなっと思った。
美味しいものを美味しく食べたい。
美味しい冷麺を食べながらそう思っていた。
ごちそうさまでした。

 ぴょんぴょん舎
盛岡冷麺ミニチヂミセット
冷麺美味しい

わんこロード 盛岡駅

盛岡駅へ戻ってきた。
電車に乗るわけではないが駅へ行って見ることにした。
駅には「わんこきょうだい」がたくさん居た。
そばっち
とふっち
こくっち
うにっち
おもっち
なかなか愛嬌がある。
この通路は「わんこロード」と言うらしい。

わんこきょうだい

盛岡駅は、いわて銀河鉄道の始発駅でもある。
改札の所もJRの改札とは雰囲気が違って居ます。

いわて銀河鉄道 盛岡駅

他にもコインロッカーに岩手の豆知識が書いてあったりして面白い。
岩手の名物 河童ってどういう事?笑。
河童にも会いに行きたいな。

岩手の名物
日本最古の欠勤届

羅須地人協会 賢治先生の家

賢治先生は留守の様だった。
「下ノ畑ニ居リマス」
と、黒板に書いてある。
留守宅にズカズカと入ってみる。
今まさにここで授業をやっていたかのように椅子が並んでいる。
そこに座り授業を想像してみる。

ここは、周囲から隔離された静かな空間だった。
花巻農業高校の一角に羅須地人協会はあった。
移築されたものとはいえ宮沢賢治が住んでいた家である。
庭に出てみる。
学校の敷地のなので立ち入ることが出来る範囲は限られているが、
歩道があり少しは歩くことができる。
庭の真ん中に賢治先生がいらっしゃった。
少し俯き加減の先生は、
何を考えていらっしゃるのだろうか?

羅須地人協会
下ノ畑二居リマス
賢治先生

宮沢賢治記念館

もう少し、宮沢賢治について見てみよう。
宮沢賢治に関する資料館は、
宮沢賢治童話村
宮沢賢治イーハトーブ館
宮沢賢治記念館
の3施設が同じ様なところにまとめて立っている。
この中から宮沢賢治記念館へ行く事にする。
駐車場についたが雨はますます強くなってきた。
記念館に入るとそこは宮沢賢治の世界になっていた。
宮沢賢治の生涯や、作品の説明。
作品に出てくる星と現実の星についてを作品の内容と比較しながら説明があったり。
読み応えがあって時間が足りないくらいだった。
特別展では、「銀河鉄道の夜」をその構成を説明していて興味深かった。
何度も何度も書き直されて、構成が変わって行くのがよくわかって面白かった。
記念館の後にイギリス海岸も寄ってみたけど、雨で川が増水していてみることはできなかった。

宮澤賢治記念館
宮澤賢治の資料がたくさん

マタギの夜話 鉛温泉 藤三旅館

秋田県では警報級の大雨が局地的に降っていて被害も出ている様だった。
岩手県もその雨雲が覆っていて大雨になっている。
キャンプは危険と判断して温泉旅館に泊まる事にする。
鉛温泉 藤三旅館 湯治部
旅館部は、一般的な旅館、部屋だが湯治部は長期利用者用の部屋になる。
案内されたのは木造の2階の建物。
廊下は少し薄暗く年季が入っているのが良くわかる。
部屋は実に簡素。
6畳ほどの畳敷でテレビとポットが置いてあるくらい。
入り口の鍵は多分後付けだと思うが、南京錠だった!
うす暗い廊下を奥へ進むと共同トイレと共同の炊事場がある。
湯治部は基本自炊。
自由に利用できる、鍋や釜、食器類が置いてある。
予約してから気づいたのだがここの温泉は独特なものだった。
いくつかあるお風呂のうち「白猿の湯」という立って入る温泉がある。
1.2mくらいの深い湯船なのだ。
混浴だが女性専用の時間が設けられていてその時間が過ぎてから入る事にする。
浴場の扉を開けると吹き抜けの空間があり、階段が下へ続いている。
下の方に湯船が見える。
階段を降りたところが簡単な脱衣所になっていて、そこで服を脱ぐと早速入る事にした。
丸い湯船に入ると確かに深い。
立ったまま顎の下までお湯がくるのだ。
面白い。
先客が2人いて、洗い場で話をしていた。
聞くとはなしに聞いていると、どうも1人がマタギでその武勇談をもう1人が聞いている感じだった。
マタギの師匠に後継者になれと言われたとか、その気はないとかそんな話をしていた。
「・・・**の道の駅のおばちゃんがすごいんだ」また別の話が始まる。
「山菜を取りに行くと言って、山の中は入って行ったが帰ってこなかったことがある。」
「翌朝、傷だらけで帰ってきたのでどうしたか聞くと、夜中にクマに会って対峙していたという。」
「どうにかクマがいなくなったので明るくなってから帰ってきた。」
「その日もいつも通りに道の駅で働いていたよ」
その人の話は尽きることがなかった。
そんな面白い話をいつまでも聞いていたかった。
ただ、すっぽりと湯に浸かっているのでのぼせてきそうだった。
彼らの話は続いていたが、部屋に戻って寝る事にした。

鉛温泉 藤三旅館
湯治部は自炊が基本
部屋の鍵は南京錠

28日目のDATA

2023/07/19日(水)
天候:晴れ 最低 21.9℃/最高 23.1℃
岩手県盛岡市〜岩手県花巻市
走行距離:70.8km
総走行距離:4653.9km

28日目のルート

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