「できるようになる」「見てもらう」は最強のうれしいこと。

こどもにとって、「できる」こと、「見てもらう」ことが最強のうれしいこと。

学童保育の機関紙「日本の学童保育」3月号の裏表紙に、こんな詩が載っていた。

はっぴょうかい

いちりん車がすごくたのしかったです。

いちりん車がたのしかった うれしかった。

れんしゅうも めっちゃがんばったよ。

おかあさん。ねえねがきてくれて

うれしかったよ

この詩の中には、「できてうれしかったこと」おかあさんとねえねえが「みにきてくれてうれしかったこと」、いちりん車のれんしゅうを「めっちゃがんばって、たのしかったこと」が素直にストレートに表現されている。

「できる」うれしさや、「みてもらえた」うれしさは、お世辞やごほうびをはるかに凌ぐ最強のうれしさ。

「ほめて伸ばす」というのが流行って、親を対象とした講演会、研修会でもよくテーマになっていた。ほめることはとても有効だけど、どこかが違うと思っていた。講師の話も、聞いた親が頬を紅潮させて「ほめなきゃ!」って決意してるのも…

子どもにとっては、「どうしたんやろ?気色ワル…」ってかんじだったと思う。でも親だって人だからそうそうほめてばかりもいられなくて、ストレスたまって爆発したり…子どもにしたら「短い夢だった…」です。

「ほめる」って言っても見当違いのことばっかりで、変な気持ちだったけど、叱られるよりはマシなだけで、うれしい気持ちなどない。子ども自身の力で「できた」うれしさには到底及ばない。自分のがんばりを「みてくれていた」うれしさはお世辞とは比べようもないのに…

ほめて伸ばすはどうしてうまく伝わらなかったのか

ほめて伸ばすを言い出したのはプロスポーツのコーチとかだと思うのだけど、どうしてうまく伝わらなかったのだろうか。

元々日本のスポーツ界は根性論が幅を利かせていて、科学的な根拠を軽視したり、個人の特性を無視して精神論で鼓舞していたという背景があったのではないかと思う。それではいけない、ちゃんと個人個人の特性を見極めて、長所を見つけて伸ばし、短所はけなすのではなく、どうしたらカバーできるか…たぶんそういう趣旨だったのではないかと思う。それが「ほめて伸ばす」という表面ばかりをすくいとって広めたからだと思う。介護現場のコミュニケーション技術や傾聴技術と似てるな…

大人だっていっしょ。給料やボーナスはうれしいに決まっている。だけど、「できるようになる」うれしさって、それとはまったく別物。

働いて報酬をもらうのは当たり前のことなのにうれしい。なぜだろう。給料日は多くの人が機嫌がいい。(計算ミスで額が少なかったり、あまりに不払い残業が多いと別だけど…)お金を手にすれば誰だって嬉しい、これ当然。でも自分の働きに対する当然の成果であることを考えるとややおかしい気もする。??

入社直後より1か月後、3か月後、半年後、1年後は仕事ができるようになっている。

2年後、3年後、5年後はさらに熟練度は上がっている。給料は少しずつ上がっている。自分に力がつき、それに伴い報酬も上がる。それがうれしいのではないか。だから、自分の評価と会社の評価がずれていると不満を感じる。

伸び率が鈍化していき、報酬も鈍化していくと給料日もそれほどうれしくなくなっていく。出ていくお金も同じ。可もなく不可もない。自分にはさして能力はないという思いと、あいつだって似たようなものなのに…というやっかみ。年功賃金は平和でありがたいけど…

年をとっても「できるようになりたい」気持ちはほんとはあるはず。でも年功賃金だとチャレンジする気持ちを維持できない!

今の給料や今の場所を手放すのが惜しくて、いつまでも同じ場所にとどまり続ける。いまだにそんな人は多い。それはそれでいいのだけど、人生100年時代なのに、会社は「そういう人は要らない」ので、定年後は激安給与で数年置いてくれるだけ、社会が必要とする人は介護や看護、保育など、対人援助技術のある人ばかり…定年退職後に新しいことにチャレンジする人はあまりいない。みんな自分の経験を生かしたいと思う。でも、指揮・監督者ってそんなにいらないので、そういうことをしたい人は居場所がなくなってしまう。

新しいことへのチャレンジはなるべく早いうちに始めよう。そして誰かに「見てもらおう」

人生は50年で一区切りとしたほうがいい。65歳だと個人格差が大きすぎて、もしも自分が平均よりも身体能力が低いとツライことになる。認知機能なども年齢を重ねるほどに個人差が大きくなる。元気老人とそうではない人の格差は子どもの格差どころではない。

今からチャレンジしよう!そして、こっそりやるのも楽しくていいと思うけど、誰かに見てもらうこともいっしょにチャレンジしてみよう!

人に見せるなんて…そんなこと言ってる人ほど、ほんとは「見てもらいたい!」人ですよ。我慢せずに見てもらいましょう!




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