産後太りはなぜ起こるのか

女性のからだは妊娠すると
お腹の赤ちゃんを第一優先するように
そして、からだ自体が「母」となる準備が始まり
通常とは違った妊娠時特有の働きをするようになります。

これは私が入院していた時に
産後病棟の看護師さんから伺った話ですが

出産し母乳で育てた場合
乳児がおっぱいを咥えることで母親の脳に刺激が行き
女性ホルモンの分泌が促進され
さらに母乳は出やすくなり
その脳への刺激から子宮に信号が送られ
妊娠で広がった子宮が収縮され
元のからだに戻っていくそうです。

当時この話を聞いた時
赤ちゃんと一緒に母体を元に戻していく
共同作業なんだな〜と
からだの神秘を感じたことを覚えています。

で、ここからが本題ですが

妊娠中に増えた体重が、なかなか戻らないと
悩む方が非常に多いのです。

当然のことながら
経年数に応じて代謝自体が悪くなり
若かった時のようなめまぐるしい細胞活性が望めない
ということは前提としてあるとはいえ

それに当てはまらない方も
いらっしゃるのも事実。

私の場合、娘を産んだ時も
息子を産んだ時も
あっという間に体重は妊娠前と同じ状態に戻り
いや、子育てでからだを動かす機会が増えた分
痩せやすくなったかもしれません。

そこで産後太りが元に戻らない方の
ベーシックなパターン。

一番影響しているのは
自分を後回しにせざるを得ない状況が増えるから
だと思います。

出産すると、ただでさえ出産で疲れたからだを
休める間もなく、子育て２４時間体制が始まります。

今まで自由に使えた時間は
自由に使えなくなり
なんでも子ども中心。

でもそこは母性本能というものが働くため
それ自体はなんとなく当たり前だと思えるし
とはいえ、子育てとはこういうものだ、と
自分に言い聞かせる部分もあり
全く我慢がないとは言えない。

「まあ、母親なんてもんなもん」と
言い聞かせる自分がいる。

食事のメニューも子どもの好み中心。
教育のためと称し、自分は食べたくなくても
お腹が空いていなくても
子どもと同じものを一緒に食べるようにする。

さらに、自分のやりたいことを優先させるのは
母親として失格のような気がして
それもいつも後回し。

美容院に行くことすら自由にできない時期もある。

夫は基本仕事中心で
家事や育児に関わるパーセンテージは限りなく０に近い。
その代わりに、例えば実母とか
誰か手伝ってくれる人、頼れる人が
近くにいればいいけれど
それも叶わない人もたくさんいます。

そんな、自分を後回し生活が当たり前になってくると
どうなるかというと
自分自身が何をしたいのか、どうしたいのかが
わからなくなってくる。
我慢の果てに、「感じる心」を失ってしまいます。

すると、気持ちのゆとりもなくなるし
食べたいものではなく、食べられるもの
着たいものではなく、着られるもの（汚れの目立たないもの）
行きたいところではなく、行けるところ

「とりあえず」「手っ取り早く」が当たり前の
そんな毎日になってしまいます。

こういったことが当たり前になると
自分の本当の感情が見えづらくなってしまう。

ただ、そんな中でも楽しさは無限にある
と別の捉え方ができる人はこの限りではありませんが。

そして、家族が増えるといろんな場面が増えるので
「もしかしたら何かの役にたつかもしれない」と
独身だった頃には、躊躇なく捨てていたようなものも
取っておくようになり、家にガラクタが増え出す。

だんだん目の前の空間は、物であふれかえるようになり
ただでさえ子どものグッズで家が物だらけなのに
さらにストレスが溜まっていくのを感じる。

こういったじわりじわりとした負の感情の積み重ねが
潜在意識に与える影響は
予想よりもはるかに大きいことを
多くの人は知りません。

これが食のコントロール機能を崩し
スリムなからだになる機会を逃していく。

「本当はどうしたいのか」
生活を優先させる上で閉じ込めてきた感情。

これは現状、蓋をしているだけで
潜在意識の中では今でも存在しています。

そして、早く気づいて！早く気づいて！と
時には人生のトラブル
時には暴飲暴食
時には体調不良や病気

という形で表現してくる。

これは女性だけに当てはまることではなく
男性も一緒。

男の人が太るのも、社会人になってからや
結婚してからということが多いでしょ。

やっぱり自分の自由が利かなくなったり
いろんな責任を持つようになったり
家族のために、仕事上我慢することも増えたり

本当の自分を生きられなくなるから。

歳を重ねるから太るんじゃない。
老いることが病気の原因ではない。

常に「どう生きていたいのか」と
自分に向き合っているかどうかだと思う。

ファスティング（断食）も断捨離も
単なるダイエット法やお掃除法ではなくて
どちらも、内なる自分を見つめる
きっかけのために行うもの。

断食したって、物を捨てたって
ただそれだけじゃ、人生は変わらない。

そこにどんな感情の変化があるかを
見つめることが大切だと思います。

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