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Safariユーザーに使ってほしい、便利機能・カスタマイズ集【macOS版】

Appleのウェブブラウザ「Safari」は、どのMacにも標準装備され、これといった特徴もないというだけでいわれのない非難を受けがちですが、ここ数年で実に使い勝手が向上しています。加えてSafariは、皆さんが思っている以上に人気の高いブラウザです。今Safariでこのガイドを読んでいるなら、まさに最大限に活用してみるチャンスです。

スピードに関して言えば、今はどのブラウザもほとんど差がありません。あるブラウザのどこかが変更され、誰もが欲しいと思う新機能が追加されたとしても、すぐにほかのブラウザが追随してくるため、トップの座を長く維持することはもはや不可能に近い状況です。そのため、ブラウザの優劣は機能がどれだけ充実しているかが決め手になります。「Chrome」、「Firefox」、「Vivaldi」はカスタマイズ性の高さを謳っている一方、Safariはシンプルさを強調しています。ですがSafariには、「ピクチャ・イン・ピクチャ」モードや「リーダー機能」といった秘密兵器があります。それに、Safariは元々MacとそのOS用に設計されたものなので、Macのバッテリー寿命という観点からも一歩抜け出た存在です。何はともあれ、早速見ていきましょう。

特に便利なショートカット8選

Safariのキーボードショートカットのほとんどは、ほかのブラウザとそれほど変わりありませんが、これまであまり使ったことがないのでしたら、ちょうど良い機会なので覚えてしまいましょう。Safariで特によく使われるショートカットは以下のとおりです。このほとんどは、ほかのブラウザでも使えます。


  1. Option+矢印キーまたはスペース:スペースキーを押すか、「Option」と上または下向き矢印キーを同時に押すと、Windowsの「Page Up」もしくは「Page Down」を押した時のように、ウェブページが少しずつ上下に移動します。

  2. Shift+Command+\:開いているすべてのタブを、見やすいグリッドビューで表示します。

  3. Shift+Command+クリック:リンク先をアクティブなタブとして新規に開きます。

  4. Ctrl+TabおよびCtrl+Shift+Tab:開いているタブを順番に表示していきます。

  5. Command+1~Command+9:数字キーで指定された順番のタブを選択します。1が最初のタブ、2が2番目、といった具合です。

  6. Shift+Command+T:最後に閉じたタブまはたウインドウをもう一度開きます。

  7. Esc:URLフィールドまたは検索ボックスに入力中の場合、現在開いているウェブページのURLアドレスを復元します。

  8. Shift+Command+R:リーダーモードでサイトを開き、広告などの不要な部分を非表示にします。

言うまでもないことですが、ここに挙げたものは便利なショートカットのほんの1例です。完全なショートカットのリストはこちらを参照してください。毎日マウスで繰り返し行っている操作があるなら、キーボードショートカットを使って効率化できるかもしれません。

ピクチャ・イン・ピクチャモードを使って動画を観ながらマルチタスク

Appleは毎年のように、iOSとSafariのアップデートを無料提供していますが、むしろそのせいで、いくつかの役立つ新機能が混乱の中で見落とされてしまいがちです。Appleが「macOS Sierra」搭載のSafariに追加した最高の新機能の1つが、ピクチャ・イン・ピクチャモードです。この機能を使えば、動画のサイズを小さくし、画面の端で再生することができます。使っているMacが画面の小さいノートPCであっても、27インチの大画面を誇る「iMac」であっても、動画サイト「Vimeo」で動画を観ながらマルチタスク作業をする人にとっては、素晴らしい機能といえます。

ピクチャ・イン・ピクチャモードを有効にする方法は2つあります。Vimeoのようなピクチャ・イン・ピクチャモードをサポートしているウェブサイトでは、動画の隅に小さなアイコンが表示されます。このアイコンをクリックすると、現在観ている動画がモニター画面の隅に移動します。YouTubeなどピクチャ・イン・ピクチャのアイコンが表示されないウェブサイトでは、動画を2回右クリックして「ピクチャ・イン・ピクチャにする(Enter Picture-in-Picture)」を選択します。動画の縮小ウインドウはモニター画面の角に移動されますが、別の位置に移動させたい場合は、「Command」キーを押しながらウインドウ画面をクリックすれば、好きな場所に移動できます。

サウンドをタブで管理

Safariでいくつもの動画を観たり音楽を聴いたりしているなら、いちいち音が出ているタブを探してミュートにしなければならないことにうんざりしていませんか? Safariには、もっと簡単に音量を調節できるツールがいくつか用意されています。

  • 音を再生しているタブがある場合、URLバートとそのタブにスピーカーのアイコンが表示されます。URLバーにあるスピーカーのアイコンをクリックすると、すべてのタブで再生されている音がミュートになります。

  • 「Alt/Option」キーを押しながら現在開いているタブでスピーカーのアイコンをクリックすると、ほかのすべてのタブの音がミュートになります。

  • 「Ctrl」キーを押しながらスピーカーのアイコンをクリックすると、音を再生しているすべてのタブのリストが表示されます。

もうこれで、音が出ているタブがどれなのかを探しまわる必要はありません。

不要な表示を省いて読みやすくしてくれるリーダーモード

リーダーモードにすると、読んでいる記事から余計なものを取り除いてくれるので、広告やページ上のあれこれを目にすることなく、集中してテキストを読めるようになります。これは、「Instapaper」や「Pocket」のサービスと同じような働きをしてくれますが、ほかのウェブサイトを訪問したり、サードパーティーのサービスを使ったりする必要がありません。

記事を読んでいるページで、URLバーに4行線のアイコンが表示されていたら、そのアイコンをクリックするか「Shift+Command+R」キーを押せば、リーダーモードにできます。

リーダーモードでの見栄えは、多少ですがカスタマイズも可能です。リーダーモードにしている時にURLバーの「aA」アイコンをクリックすれば、フォント、フォントのサイズ、ページの色を自由に変更できます。

よく訪問するウェブサイトをピン留めし、それ以外のサイトを「リーディングリスト」に追加

電子メール、Facebook、Twitterのように、毎日訪問している特定のサイトがあるなら、それをタブバーにピン留めしておくと便利です。ピン留めするには、タブを右クリックして「タブを固定」を選択します。すると、タブが表示しているサイトのアイコンとなり、タブバーの左側に並べられます。

あとで読むために保存しておきたい特定の記事がある場合、Safariではリーディングリストと呼ばれる機能を使えます。リーディングリストはInstapaperやPocketに似ていますが、外部のサービスや機能拡張は必要ありません。

ウェブページをリーディングリストに追加するには、「ブックマーク」メニューをクリックして「リーディングリストに追加」を選択するか、「Shift+Command+D」を押します。リーディングリストを表示するには、「表示」メニューをクリックして「リーディングリスト・サイドバーを表示」を選択するか、「Control+Command+2」を押します。デフォルトでは、Mac上のSafariとiPhoneまたはiPad上のSafariとで、同期されるよう設定されています。

ツールバーのカスタマイズ

ツールバーとは、Safariウインドウの上部を占める部分です。デフォルトでは、不要と思われるものも多く含まれていますが、カスタマイズすればすっきりした見栄えにできます。

ツールバーの何もない部分を右クリックして、「ツールバーをカスタマイズ」を選択し、カスタマイズ用のパネルを表示します。任意のアイテムをクリックして、ツールバー上の表示させたい部分にドラッグ&ドロップします。逆に削除したい場合は、ツールバー上のアイテムをドラッグ&ドロップしてツールバーの外に出します。また、「伸縮自在のスペース」アイテムを使って、スペースを追加することも可能です。

筆者は個人的に、「サイドバー」、「共有」、「タブ表示」ボタンを削除して、拡張機能をURLバーの右側に移動させ、Chromeのツールバーを再現しています。

ベストな拡張機能を追加

SafariはChromeやFirefoxに比べると、拡張機能の数はあまり多いとは言えませんが、よく使われるものはほとんど揃っています。Appleの「Safari機能拡張ギャラリー」には、多くの公式の拡張機能が用意されており、Safariに組み込むことができます。その中から、米Lifehackerで人気のあるものをいくつか紹介しましょう。

  • LastPass/Dashlane/1Passwordどれを使ってもかまいませんが、とにかく、パスワードマネージャを使ってください。Safariには、 Appleがパスワード管理をするために用意した「iCloudキーチェーン」が含まれていますが、これを使ってはいけません。iCloudキーチェーンは、ほかのOSでは使えません。つまり、Appleがユーザーとすべてのパスワードを自社のエコシステムに囲い込むわけです。保存された情報をエクスポートする方法もありません。共有する方法もありません。ですから、サードパーティー製のパスワードマネージャを使うべきです。ついでに、iCloudキーチェーンは完全に無効化してしまいましょう。

  • Pocket/Instapaper「Pocket」と「Instapaper」は、どちらも優れたブックマークサービスで、Safariに標準装備されているリーディングリストよりも高機能です。PocketまたはInstapaperを使うと、リストを整理したり、Safari以外からアクセスできたりと、使い勝手が一気に高まります。

  • uBlock/Disconnectインターネット上の広告、ポップアップ、スクリプト、トラッカー、タチの悪いプライバシー侵害要素などに辟易しているなら、「Disconnect」か「Adblock Plus」をインストールする価値があります。Disconnectは、トラッキング、マルウェア、悪意のある広告からあなたを保護してくれます。「uBlock」も同様の機能がありますが、さらに広告をブロックしてくれるなど、AdBlock Plusよりもはるかに優れています。

  • NoMoreiTunesSafariでイライラさせられることの1つが、アプリで「iTunes」のページを開くたびにiTunesや「Mac App Store」を開いてしまうことです。この挙動を無効にしたり切り替えたりする公式な方法は存在しません。サードパーティー製の拡張機能「NoMoreiTunes」は、このおぞましい機能を無効にしてくれます。

そのほかのたくさんの人気サービスにも拡張機能が用意されています。例を挙げると、EvernoteOneNoteBearTodoistWunderlistHoneyPinterestなどです。

また、Appleの公式ページにはない拡張機能をインストールすることもできます。ただ、そのためには手動でその拡張機能をダブルクリックし、「信頼する(Trust)」をクリックする必要があります。それを嫌うユーザーもいるかもしれません。

「デバッグ」メニューの有効化

Appleは、「ターミナル」コマンドの裏にデバッグメニューを隠しておく(英文記事)のが好きですが、Safariも例外ではありません。「アプリケーション > ユーティリティ」でターミナルを開き、下記のコマンドを入力して「リターン」キーを押します。

defaults write com.apple.Safari IncludeInternalDebugMenu 1

その後、Safariを再起動すると、隠しデバッグメニューがメニューバーに表示されます。このメニューの役立つ機能をいくつか紹介しておきましょう。

  • Disable Per-Tab Web Process/Cap Per-Tab Web Processes at 20:この2つのオプションのいずれかを有効にすると、タブがバックグラウンドでリロードされないようになります。タブごとに設定するのはちょっと大げさだと思う人も多いかもしれませんが、タブをたくさん開いている人にとっては、プロセスを20個までに制限できるオプションはとてもありがたいものです。

  • Video/Audio Needs User Action:動画の自動再生はあまり好きではないですか? このオプションは、自動再生機能を完全に停止してしまおうというものです。そのためには、デバッグメニューから「Media Flags」を選択して有効にします。これだけで、YouTubeなどのウェブサイトで、ページをロードした瞬間に動画が自動再生されるのを回避できるようになります。

  • Reset Top Sites/Recompute Top Sites:Safariの「トップサイト」ページ機能は、よく訪れるサイトを新規タブで開いてくれる機能です。この機能が気に入っているのに、あまり正確に機能してくれないと感じているなら、このオプションを使えば、Safariにトップサイトを再計算させるか、履歴を消去して再起動後に初めからやり直すことができます。

これらの機能は、原文筆者が重宝している機能ですが、ブラウジングを快適にする別のオプションもあるかもしれません。さまざまなオプションを使って機能を確かめ、どれが自分にとって役立つのかを試してみてください。

Safari最大の悩みを改善

Safariには、ちょっとイライラする部分がいくつかあり、折につけiCloudキーチェーンを使わせようとしてきます。人によって気に入らない部分は若干違うでしょうが、Safariを使いやすくするために筆者が行ったことを紹介しましょう。

  • デフォルトの検索エンジンをGoogleに変更する:Safariのデフォルト設定の検索エンジンはYahoo!ですが、筆者にとっては誰がなんと言おうとこんなバカげたことはありません。変更するには、「Safari」メニューを開いて「環境設定」を選択し、「検索」をクリックします。ここで、使いたい検索エンジンを選べます。Safariの自動検索結果や、よく訪問するウェブサイトへの自動ログインなどに嫌気がさしているなら、このメニューで「Safariの検索候補を含める」、「クイックWebサイト検索を有効にする」、「お気に入りを表示」などのオプションをオフに切り替えられます。

  • ブックマークサイドバーを無効にしてChrome風のお気に入りバーを有効にする:ブックマークサイドバーを好む人もいるかと思いますが、筆者はどうしても好きになれませんでした。「表示>サイドバーを隠す」まはた「表示>ブックマークサイドバーを隠す」を選択すると、サイドバーを非表示にできます。また、Chromeのようにお気に入りをURLの下に表示させたいなら、「表示>お気に入りバーを表示」をクリックします。

  • 自動入力を無効にする:iCloudキーチェーンは使わないほうが良いとすでにアドバイスしましたが、自動入力も無効にしたほうが良いでしょう。何故ならそうした情報は、パスワードマネージャに保管しておくべきだからです。そのためには、「Safari>環境設定」で「自動入力」をクリックし、すべてのチェックボックスのチェックを外します。

  • 新規のタブおよびウインドウのオプションを変更する: Safariのデフォルトでは、新しいタブまたはウインドウを開くと、勝手にトップサイトページが開かれます。いつも同じ5つか6つのウェブサイトを訪問していて、そのウェブサイトが何かを肩越しに誰かに見られても気にしないのなら良いのですが、そうでなければ、この挙動を変更したいと思うはずです。「Safari>環境設定」で「一般」をクリックします。ここには、「Safariの起動時」、「新規ウインドウを開く場合」、「新規タブを開く場合」という項目のドロップダウンメニューがあるので、好みに合わせて変更しましょう。原文筆者は個人的に、そのすべてを「空のSafariウインドウ」にしています。こうすることで、新しいタブを開いた時に何のために開いたのかを忘れたり、気が散ったりするのを防げます。

Safariが超パワフルでカスタマイズ性に優れたブラウザになることは、決してないでしょう。ですが、Macユーザーの間で人気の高いブラウザの1つであることは事実です。それは悪いことではありません。Safariは安定していて、比較的安全で、大失敗するようなことはまずないでしょう。それに、自分好みにカスタマイズする時間さえあれば、思っていたよりもずっとパワフルなブラウザになるのです。


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