Makani

私は子どもの頃から密閉空間が嫌いです。部屋でも家でも、ドアか窓が開いていて空気が流れていないと嫌です。風通しのいい場所が好きです。実家が郊外で周りに家がなかったので、窓は全開し放題で育ったせいですかね。

フラを通してハワイ語も勉強するようになりました。とても面白いのが、ハワイ語で「風」を表す言葉はたくさんあって、ハワイのそれぞれの地域で、吹く風の特徴によってそれぞれ名前がついています。これは風に限らず、雨や雲の名前にも言えることです。ハワイ大学がまとめたものによると、なんと8ページ分の風の名前が! 肌に突き刺すような冷たい風。雨を伴う風。霧を発生させる湿った風、などなど。その中には、いくつかフラの曲で知っている名前もありましたが、これほどあったとはびっくりです。ハワイ人の観察眼の鋭さ、自然への敬意を感じます。

「Makani」はいわゆる「風」で、冠詞の「Ka」をつけて「Kamakani」という名前の子もいます。風で季節を感じたりもします。「今夜は特に風が冷たいわぁ」と思ったら、マウナケアの山頂に雪が積もっていたり、「少し風が湿ってきたな」と感じたら、雨が降り出したり。

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マウナケア山

昼間は海から、夜は山から風が吹くということも、ハワイに住むようになって知ったことのひとつです。日本は、南向きの家が日当たりが良くていいんでしたっけ? コナの家は基本「海向き」です。窓はほぼ「Mauka(山側)」と「Makai (海側)」です。そうでないと風が通らず暑いから。ちなみに道順を説明するときも、「〇〇の道をマウカに入って」とか「その店は〇〇の道のマカイにあるよ」と言う人が多いです。なんか野生児的で私は好きです。

たくさんある風の中で、ハワイ島・コナで吹く風を「’Eka(エカ)」と言います。コナの風は、優しく吹く風です。日差しは強くても、日陰に入れば、優しく頬を撫でるこの風に、フワァと癒されます。海辺で波の音とセットになった時には、いつまでもそこに居たくなります。そんな時は、もっと風を感じたくなって、いつもはお団子にしている髪をほどいちゃうんですねぇ。

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日本語にも雨や雲、風を表す言葉ってたくさんありますよね。こんなところにも、自然を敬い共に生きていたハワイ人と日本人の共通点がありました。


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【text&photo by Mina from Hawaii Big Island 】

成田水奈 愛知県出身。27歳の時に米国アイオワ州に留学。小学校教員免許を取得後公立小学校で教える。結婚を機に全く興味のなかったハワイ島コナに移住。しかしコナでフラダンスと出会いフラを通してハワイの歴史や文化、自然との関わり方や生き方を学びながら、日系人協会に所属し日系人移民の歴史、功績も学ぶ。離婚後もハワイ島が気に入り引き続き公立中学校で日本語とEL (English Learners)クラスを教える。通訳をきっかけにタマラエネルギーと出会う。自分らしく生きるサポートエネルギーを広めるためアクティベーターとなる。

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