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【創作】note:Data 2021/01/30/1、憑依

◯ 前置き

下書きみたいなもの。

「純知性体(Pure Intelligence)」があると仮定して。ただ、書き込み「純知性体」の内容はネタバラシみたいなものだから、丸尾鉄平にこの内容をそのまま語らせるわけにはいかない。また、下記の鉄平のセリフは大学の講義のようであって、居酒屋でみなに話すセリフになっていない。これを小説の中にどう無理なく組み込むか、多少難しい部分がある。どうまとめるか?下記の内容は、

1.生まれ変わりと憑依の二点の説明
1-1 生まれ変わりは、人間の超能力に起因する説、霊魂を想定しなくても説明可能
1-2 生まれ変わりは、超常現象に起因する説、霊魂の存在、心霊現象を想定
1-3 生まれ変わりは、その人間の人格と併置して別人格もが存在する
1-4 憑依は、上級の人格として憑依される人間の全人格を乗っ取ってしまう、
1-5 憑依は、人間に起因するなんらかの記憶データの転送によって発生する
1-6 憑依は、人間に起因しない超越的な存在(純知性体)の記憶データの転送によって発生する
2.天皇家の家系
2-1 天照大神という絶対神(純知性体)、純粋な思念とか思考という存在がいる
2-2 その子(天忍穗耳尊)は、第一次のアバターである
2-3 孫(天孫)の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)は、第二次のアバターである
2-4 絶対神から遠くなって、アバターの次数が多くなればなるほど、能力の制約を受けてくる
3.邪馬台国の卑弥呼、台与/臺與(とよ)は、第一次のアバターである
4.巫女の能力は、女系のDNAを受け継いで遺伝する
5.アバターの能力は、憑依された人間などの能力に制約される
6.神、悪魔は、人間的な区別の産物で、純知性体の別個の姿にしかすぎない

パスカルの賭け

「パスカルの賭け」とは、神の存在を確率論を使って証明しようとしている話。

アバター

これを説明するのが難しい。では、今回、純子が相手をするのは何か?
平将門のプローブユニットとでもしておくか?

このシリーズの記憶転移、NWO(新世界秩序)もこの話に関係してくる。

◯ 場面

分銅屋に鉄平、楓、純子、紗栄子、アキラが集まって、テーブル席で除霊の話をしていた。壁際はもちろん鉄平が座る。彼には楓以外の女性は耐えられないはずなのだ。その正面にアキラ。鉄平の隣に楓。楓の正面に純子。純子の隣に紗栄子が座っている。

丸尾鉄平は、タケシの大学の同期で、数学の天才、能と歌舞伎と歴史マニア、おまけに楓以外の女性に対する恐怖症である。彼らが話しているのは、憑依現象と生まれ変わり、輪廻転生、記憶転移などに関してである。

鉄平が「イアン・スティーヴンソンジム・タッカーというアメリカの研究者がいて、『生まれ変わり』現象について研究する価値があると考えて、東南アジアを中心に、前世の記憶を持つとされる子どもたちの事例を2,300例ほど収集したんだ。イアン・スティーヴンソンは、彼の研究は何らの結論を出すものではなかったが、こうした現象が存在するのは事実だ、と話したんだ」

◯ 「前世の記憶」を持つ子供の特徴

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子供たちが自発的に「前世」を語り始めるのは、発話が可能になる2歳から5歳までの間であり、多くのケースでは5歳から8歳までには子供たちは語るのをやめてしまい、成長するにつれ本人の記憶からも忘れ去られることになる。
子供たちが語る内容は、「前世」の人物が死亡した時の様子、居合わせた人や物の描写、死亡してから生まれ変わるまでの様子などである。わずかな記憶のみをもつ子供もいれば、膨大な記憶を持つ者もいる
そうした子供たちが示す行動には、まず「前世」の家族に対する親近感の表明がある。子供たちは時に「現世」への違和感を表明し、「本当の親のところへ連れて行って」などと訴える事がある。
子供たちが前世の居住環境や親族の名を語り、その証言が事実と符合した例も多い。また死亡時の状況(やそれと類似した状況)への恐怖があり、特定の乗り物や火や水、銃火器などへの恐怖が見られる。「前世」の人物と同様の食べ物や衣服の好き嫌い、前世と同じような発話や動作、前世の死に方に関連した先天性欠損や、痣(母斑)などが見られる事もある。スティーヴンソンは先天性欠損と母斑については生まれ変わり事例の「最有力の証拠」となると見なしている。
そうした子供たちの割合は、いずれの文化圏でも男児がかなり多いという特徴が挙げられる。次に、前世の記憶では子供たちの圧倒的多数が、自然死ではなく(事故にあったり殺されたりなど)非業の死を遂げ、突然に人生に終止符が打たれているという特徴がある。「前世」と「現世」の性別が異なっている場合には、性の違和感が見られる場合もある。また「前世」で成人していた場合、その記憶を語る子供たちの物腰は大人びたものであることが多い。早熟な性的行動や、酒・タバコといった大人の愛用品への嗜好も見られる。
死亡した前世の人物の母親が、予告夢を見ていたというケースも多い。「次に生まれる子供は、死者の生まれ変わりである」と直観するに至る夢を見ている事例である。また稀ではあるが、死者が自然に生まれ変わる場所を正確に指摘していたケースもある。

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◯ PSI(超能力)によるもの、心霊現象によるもの

鉄平が続けて説明した。「イアン・スティーヴンソンが『こうした現象が存在するのは事実』と言ったことを肯定的に受け取るとして、じゃあ、『憑依』、『生まれ変わり』という現象は何なのか?どう起こるのか?ということについて考えると、
1)死後生や霊魂の存在の証拠とされる心霊現象も、ESPや超能力によるものだと見なすことで、霊魂を想定しなくても説明可能になるとする超ESP仮説、
2)肉体の死後も何らかの存在が存続し続けていてそれが様々な超常現象を引き起こしている、と見なす仮説

という超心理学の仮説がある。亡くなった親族しか知らないはずのことが(霊能力者などによって)言い当てられているのは、スピリチュアリズムにおいては霊からの通信や霊の存在の証拠としているが、この超ESP仮説を採用すると、テレパシーや透視などの超感覚的知覚(ESP)を用いて実現されたと考えることができるという説明を超ESP仮説は行っている。

生まれ変わりや霊媒、シャーマンが見せる憑依の状態は、人格が身体の死後も存続するかのようだが、それらが超常的現象であったとしても、生者のPSI(超能力)が時空を越えて働くとすれば、あくまでPSI(超能力)として説明可能だ。

1)PSI(超能力)によるもの、2)心霊が肉体の死後も何らかの存在が存続し続けている、という二説だね。しかし、この説明は、超能力だろうが、心霊現象という力によるものであろうが、受け身の人間の器官、特に脳を改変できるわけもなく、その人間に転ってくるのは、人格のようなプログラムを含んだ記憶データに違いない。それが、短期記憶器官の海馬を通じて、長期記憶の大脳皮質の空き容量に入力される。それが空いたシナプスシステムを新しく構築して、その人間とは別個の人格が転ってくるわけだ。

記憶データの転移、転送の原理としては、難しい話じゃない。ぼくらが普段使っているワイファイを想像すればいい。ワイファイは、GHzの電波という電磁波に乗せて、データを転送、やり取りしているのだから、同じ電磁波とは限らないが、なんらかの電波でデータは移動できる。また、時間軸に関しては、データという質量もない存在だから、陽電子の発生などで、時間軸をさかのぼったりすることは可能だろう。

しかし、憑依現象と生まれ変わりのような人格転移は基本的に異なる現象だ。前者は、憑依される人間の全人格を乗っ取ってしまうのに対して、後者は、その人間の人格と併置して別人格もが存在してしまう。

じゃあ、憑依現象は、その人間オリジナルの人格の上級存在として、既存の人格を封印してしまうのか?だから、憑依された方の人間は、憑依中はたいがいが覚えていない、意識がないのか?どういう仕組みで?そこが疑問なのだ」

 丸尾の話をジッと聴いていた純子が「なるほど。おぼろげながら少しクリアになってきました。ところで、生まれ変わりとか、輪廻転生は人間存在に基づく現象ですよね?でも、憑依は、人間存在に基づく場合もありますが、神とか悪魔とか、人間存在に基づかない場合もありますよね?その神とか悪魔とは何ですか?人間の想像の産物っぽいですが?」

「う~ん、純子さん、神とか悪魔ってなんだろうね?なんとなく、なんとなくですよ、元々はそれらは純粋な思念とか思考だったような。もしも、そういう存在があると仮定すると。それは、物質ではなく、純粋な思念とか思考だけで存在しているものだとして。
それが人間に憑依すると、人間的な想像の産物、人間の思いや記憶の属性をまとってしまうとか。インドの絶対神のビシュヌ神という神様がいて、ビシュヌ神は、彼のアバターを十体持っている。九体目が仏陀。それで、ビシュヌ神そのものは絶対神で絶対的な力を持っているけれど、動物や人間である仏陀というアバターに憑依すると、それらアバターの能力、力の限界までしか発揮できない、ということ。うまく言えないけれど」

 腕を組んで考え込んでいた純子が「ウチの神社の御祭神の中に、須佐之男命(すさのおのみこと)様、木花咲耶姫(このはなさくやひめ)様がおられますが、この神様たちは、実は、純粋な思念とか思考という絶対神に似たもののアバターだった、ということも考えられますね。そして、このアバターを第一段階のアバターとして、さらに、そのアバターの神々が、その下の人間に憑依する、という現象もあり、ということも言えますか?」

「上級神から下級神のアバターに憑依して、さらにその下の人間をアバターとして憑依する、ということだね?そういうことは考えなかったが、それも可能性としてありだなあ。須佐之男命や木花咲耶姫が、純粋な思念とか思考という絶対神の下級アバターで、さらに、下級の人間をアバターとする、なるほど」

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「神道でいうと、人間が恣意的に名付けた天照大神という絶対神、純粋な思念とか思考という存在がいて、天忍穗耳尊(あめのおしほみみのみこと)という母親のいない存在が第一アバター、彼と栲幡千千姫命(たくはたちぢひめのみこと)という女神の子供が、人間としての第二アバターの天孫と呼ばれる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)とも言えますか?
そして、天照大神という絶対神との関係は弟となっている須佐之男命(すさのおのみこと)は、天照大神と同列な純粋な思念とか思考という存在。木花咲耶姫(このはなさくやひめ)は、須佐之男命の人間界のアバターと結婚した人間で、姫をアバターとして憑依した何かが姫を思念とか思考という存在に変えたとか。う~ん、これは無理があるかな?でも、瓊瓊杵尊という人間が突如天孫と言われたのは、彼が第二アバターだったから、というのはちょっと納得がいきますね?」

「絶対神から遠くなって、アバターの次数が多くなればなるほど、能力の制約を受けてくる、ということになるのかな?なるほど」

「思念とか思考という存在は、人間の言う善悪概念はないけれど、人間に寄り添う期間が長いほど、なんらかの愛着を持つのかもしれません。残忍で無慈悲だけれど、比較的人間に好意的な絶対神というか、そういう存在がいる。それに対して、人間に好意的でない存在もあるのかも。それが、悪魔とか悪霊とか呼ばれる存在なのかもしれない。
ところで、私は神社の家の娘(こ)でしょ。長女だから一神子(いちかみこ)と呼ぶの。次女の直子はニ神子(にのかみこ)と呼ばれます。女系で伝承される巫女としてのいろいろな訓練を受けています。DNAが女系だけに受け継がれていくのか、宮司のパパには訓練を受けて発眼する潜在能力はないの。ママは他家から嫁に入ったので、DNAを受け継いでいない。パパは一人っ子だったから、私の祖母は、私と直子に巫女の能力を伝承しました。
その訓練は、まず、結界を築く能力があります。思念とか思考という存在を閉じ込めるバリアを構築するという能力。次に、ウチの神社の御祭神などを憑依させる能力。いつまでも憑依されっぱなしでは困りますから、その憑依を解く能力も」

「それは興味深い話だ。邪馬台国の卑弥呼は女系だし。卑弥呼の没後、その後を継いだ台与/臺與(とよ)は卑弥呼の一族の首長の娘だったらしいから、卑弥呼と同じ女系のDNAを受け継いでいたとも言える。
14.倭奴国と欠史八代(1)
15.倭奴国と欠史八代(2)
16.宗女・台与について




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