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《前編》大河少女漫画代表作『風光る』について

初めてnoteを投稿します、せのおと申します!

少女漫画・女性作家を中心に、漫画が大好きです。

昨年2019年では、たくさんの方のおかげで、1000冊以上の漫画を読むことができました!
が、まだまだ勉強中ですので、Twitterなどを通じて色々と教えていただければ嬉しいです。

さて、今回私が思い切ってnoteを始めようと思ったきっかけである、ある漫画がいよいよクライマックス目前…!まさに今読んでいただきたい!!

その作品は、、、

渡辺多恵子先生の『風光る』です。

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今回のテーマでは、色々と話したいことがありますので、
<前編>
・作品概要
・作者について

<後編>
・作品の魅力

の二部構成でお付き合いいただければと思います。

作品概要

そもそも、『風光る』とは、どのような作品なのでしょうか?

内容紹介
時は幕末。文久3年(西暦1863年)の京都。富永セイは、兄と父を「幕府を倒し天皇政治を起こそうとする長州勤皇派」に殺されてしまう。仇を討とうと考えたセイは、長州勤皇派に対立して兄が入隊したかった、壬生浪士組の入隊試験を受けた。そのために、名前を神谷清三郎とかえ、性別も男と偽った。なんとか入隊を許され、副長助勤の沖田総司の下に付くことができた清三郎。ところが、まわりはケダモノのような浪士だらけ。頼りにしていた沖田総司も自分が考えていた人物とはちがっていて幻滅してしまう。沖田総司 だけではなく壬生浪士組自体、あてにならないと思い、夜にこっそり抜けだそうとした清三郎はそこで…!? https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784091373519

壬生浪士組、つまり後の新選組を舞台とした、「幕末青春グラフィティ」。

女の子の富永セイが、長州勤皇派に殺された父・兄の仇を撃つために、新選組に”神谷清三郎”という男の子と偽って入隊試験を受け、沖田総司の隊に入ることができたところから物語が始まります。

連載は、1997年からスタートしており、月刊flowersの2020年7月号(5月発売)にて堂々完結予定です。

※別冊少女コミックにて1997年5月号~2002年4月号。雑誌のリニューアルに伴い、月刊flowersで2002年6月号~2020年7月号。

既刊は現在44巻。2002年には第48回小学館漫画賞少女部門を受賞しています。

――なんと23年間にも及ぶ長寿連載作品です!!

月刊flowersでは、創刊当初から唯一連載している作品ですね。
この23年の間に、大きな休載は一度もありませんでした。

幕末が舞台のため、時代考証を重ねながら、このペースでの連載は本当に大変だったと思います。

(私の好きな歴史漫画は、現存の資料が大変少なく、時代考証がとても困難なせいか、この間4年ぶりに新刊が出たんですよね…チェーザレっていうんですけれど。。笑)

また、私が調べた限りですが、現在定期連載中の少女漫画で、連載期間が20年を超えている作品はほぼありません


<参考>
・『こっちむいて!みい子』おのえりこ 1995年~
・『風光る』渡辺多恵子 1997年~
・『スキップ・ビート!』仲村佳樹 2002年~
・『夏目友人帳』緑川ゆき 2003年~
・『ちはやふる』末次由紀 2008年~
・『暁のヨナ』草凪みずほ 2009年~
※不定期連載を除きます。
※他に情報ありましたら、教えてください!!


もちろん、「長寿作品だから良い」というつもりは毛頭ありませんが、23年間連載するのも、とても簡単なことではありません。
その中での意味では、現在連載中の少女漫画の中でトップクラスと言えるでしょう。

先生によると、「2巻で終わる予定だった」(5巻)、「28巻まで続くかな?」(25巻)といったコメントも残しており、ここまで続けるのがいかに困難であったかを伺えます。

実は平成生まれの私にとっては、この作品はほぼ同い年でして…。
本屋さんへ行けば必ずずら~っと作品が並んである、雑誌を買えば常に連載している、、
つまりこの感覚、長寿連載という意味で少女漫画版こち亀のような存在だったんですよね…。

連載していて当たり前だった作品が、あと1話(本誌7月号)で終わります。名誉であることと同時に、やっぱりとっても寂しいですね。


<作品概要のまとめ>
・新選組を舞台とした幕末青春グラフィティ
・第48回小学館漫画賞少女部門を受賞
・23年間の長期連載は、現在連載中の少女漫画の中でもトップクラス


作者について

作者の代表作と、私の感じた作者さんの魅力をお伝えします。

作者:渡辺多恵子(わたなべたえこ)先生

1979年、『別冊少女コミック』(小学館)5月号増刊に掲載の「和佳ちゃんの熱愛時代」でデビュー。米国にホームステイ体験後、初の長期連載「ファミリー!」を『別冊少女コミック』に執筆。1987年、「聖14グラフィティ」で第16回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。1990年に「はじめちゃんが一番!」で、2002年に「風光る」で、第36回・第48回小学館漫画賞少女部門を受賞。代表作は「ファミリー!」「はじめちゃんが一番!」「風光る」など。 https://ja.wikipedia.org/wiki/渡辺多恵子

どれも名作ばかりのまるこ先生!(「まるこ」いうあだ名です♪)

昨年2019年でデビュー40周年を迎えられ、うち半分以上を『風光る』の連載をしていることから、
『風光る』が先生のライフワークになったと言えるでしょう。

とはいえ、過去作も名作ばかりですので、いくつかご紹介します!

代表作
・『ファミリー!』1981~1985年(別冊少女コミック)全11巻

アニメ化もされたこの作品。80年代の漫画ランキングでは、必ず上位にあがってくる作品という印象です。
余談ですが、同時期に同じく西海岸を舞台にした、成田美名子先生『エイリアン通り』(白泉社、1980~1984年)のキャラクターもチラッと背景に登場しています。笑


・『聖14グラフィティ』1985~1987年(別冊少女コミック)全2巻

第16回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞したことから、玄光社の『100年後に残したい!マンガ名作』にも取り上げられています。
『ファミリー!』とは対照的に、日本での家族感をテーマにした作品です。


・『はじめちゃんが一番!』1988~1995年(別冊少女コミック)全15巻

『風光る』1つ前の長期連載作にあたります。
『はじめちゃんが一番!』で、いくつかのアイドルグループや、アイドルとマネージャーなどといった、小さな群集像を描いたからこそ、新選組という大きな群集劇を描くことができたのではないかと私は思います。

先生は、演劇や宝塚など、観劇も大変お好きでいらっしゃいます。
『風光る』も、演劇集団キャラメルボックスの『風を継ぐ者』(1996年初演)に強く影響を受けて連載を決意したそうです。

以上のことをふまえて、個人的には、先生は自分が良いと感じ取ったものについて、作品を通じて読者とコミュニケーションをとるのが非常に上手い作家さんだと思います。

例えば、『ファミリー!』ではホームステイ経験から得た海外の価値観を、『はじめちゃん~』では役者や俳優から感じ取ったアイドル性についてです。

作品を通じて、読者の共感を強く得たり、時には逆に読者へ問いかけてみたり…。
なので、私はまるこ先生の作品を読んでいて、「面白かった」だけで終わるものはなく、どれも必ず心に残るものがあります。

また、絵が読んでいて気持ちの良いほど綺麗なのも、まるこ先生の持ち味なのではないかと思います!

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惚れ惚れするほど、安定した絵柄です…。
女の子の服なども、とっても可愛らしいです!

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<作者についてまとめ>
・1979年デビューで、昨年でデビュー40周年
・小学館の少女漫画雑誌を中心に活躍
・数々の漫画賞を受賞している

おわりに

稚拙な文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
概要に触れるだけでも、いかに素晴らしい作品なのかが分かっていただけたら嬉しいです…!!
投稿はいつになるのやら…ですが、後半では、作品の内容に触れながら魅力を語っていきたいと思います。
引き続きお付き合いいただけますと幸いです。




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