見出し画像

ZUNDAのマンション購入記① - プロローグ

はじめに

この購入記は、2021年に23区内の築古駅近狭小マンションを買ってしまったZUNDAが、どのような経緯・心境の変化で購入に至ったのかを記録したものです。
購入当時と比べて世界情勢・金利や物件価格が変わってしまったので参考にならない部分も多いかと思いますが、ZUNDAのように1馬力妻子持ちのサラリーマンが苦悩しながら行った決断を面白おかしくエンタメとして消化していただけたらと思います。万歳! #すんで23区3500万
注:時期・居住環境など一部フェイクの記載があります。ご了承ください。


序章

時は2019年。平成が終わり令和という新時代が始まった時期、中年サラリーマンがHOME'SやSUUMOで当時住んでいた都心某所の中古マンションの相場を調べていた。
男の名はZUNDA。ヒゲを生やしていた。都内のIT企業に勤務するサラリーマンで、嫁さんと小さな息子を持った30代後半のおじさんだ。
勤務している会社からは家賃補助として月5万円ほど支給されているが、40歳の誕生月までしか支給されず、同じようなタイミングで息子が小学校に上がるので、それまでにマンションを買おうと漠然と思っていた。
家賃補助が途切れるまで数年の猶予がある。ゆっくり探せば良いさ――本気でマンションを買う心意気は、まだ無かった。

賃貸の居住環境

ZUNDA一家が住んでいるのは賃貸2DKマンション。家賃は月11万円と、都心としては格安と言って良い金額だ。

安い理由は当然ある。築40年弱と古くバブル以前に建てられた賃貸物件なので、断熱性能なんてものは無く暑くて寒い。
面積は40平米弱と狭く和室がメインの居室である。間取りが特殊でDKをダイニングとして使えない上に、電気容量が30Aなおかげで備え付けのエアコンは和室の1台だけ。
要するに古いマンション、住む場所の方を確保することが至上命題だった時代の代物だった。大家さんはめちゃ良い人で助かってたけど。

立地は駅徒歩10分とそれなりに便利だが、付近にはコンビニが1件しかなく、スーパーやドラッグストアへは15分ほど歩く必要がある。
しかも幹線道路に面しており、トラックや車の騒音が酷い。
さらに祝祭日には周辺に警官隊が配備され、皇居へ行きたい街宣車と機動隊の愉快なやり取りを大音量ライブで楽しめるというおまけつきだ。

ここまでは許容できる。ダイニングは和室を使えば良いし、会社帰りに買い物をすればそこまで不便ではない。道路の騒音は慣れるし、街宣車はエンタメとして消費すれば良いのだ。良いのか?

耐えられなかったのは、浸水だった。
近くに川が流れており、集中豪雨の際に内水氾濫で床上浸水が発生することがあった。床上浸水した時は、新車で買ったばかりの大型バイクが危うくパーになるところだった。
この賃貸物件には10年近く住んだが、なんと3回も床下床上浸水が発生した。

ハザードマップの例。見ないふりして物件探す人も多いけど、
複数回浸水被害受けたら考え変わると思うんだよなあ。
出典:新宿区洪水ハザードマップ

余談だが、#すんで23区3500万 で築年数の浅い物件を探そうとすると、どうしてもハザードマップの怪しい場所が候補になってしまう。
ZUNDAは過去の苦い経験から浸水しやすい場所を選びたくないし、個人的にはお勧めできない。

ともかく、マンションを買うならハザードマップに問題が無い場所で、買い物が便利な場所を優先したいという気持ちがあった。当然ながら、都心に中年サラリーマンが1馬力で買えるような物件は無かったのだが。

予算

予算は無い。1馬力リーマンに何を期待してるんだ。
貯金は数百万円ほどあるが、将来の教育資金を考えるとあまり手を付けたくは無い。給料もさほど多いわけではなく、月々の収支は黒字だが貯金はボーナスに頼るという状況だった。毎年少しずつ昇給しているとは言え、昇給が止まることも考えた守りの姿勢を崩したくない。
よって、今の家賃である月11万円から住宅補助の金額である5万円を引いた、月6万円程度(カンツミはいったん考慮しない)のローンで返済できる借入金額を調べてみた。
当時の都市銀行の変動金利は0.47%程度が一般的だったが果たして――

いやーキツいっす(素)。現実は厳しくないっスか???
出典:SUUMO購入可能額シミュレーション

デデドン!!! 約2,500万!!!

2,500万で買える物件とは

そうなのである。一番最初の予算は2,500万だったのである。2023年に #すんで23区3500万 とかほざいてて、それすらネタにしかなって無いのに、2019年当時は本気で #すんで都心2500万 を探していたのである。

東京都内で探すにもおこがましい検索条件
出典:SUUMO
2023年12月だと迫真の検索結果が返ってくる。
2019年当時なら新宿区だけでもで30件はあった。10倍だぞ10倍!まあ全部築50年とかだけど。
出典:SUUMO

いま住んでいる賃貸マンションの近くでも、築年数に目をつぶれば一応は買える。ただ、「旧耐震」「耐震補強工事」「規模感」「修繕積立金」「借地権」…ZUNDAには馴染みのない単語が散りばめられている。
ZUNDA賃貸暮らしが長く、実家も一戸建てなので、分譲マンションに対する知識が全然無かったのである。

その時歴史が動いた

2020年以降、マンション市場は可視的に価格下落が
始まると私は考えています。2020年の東京は
オリンピックで街が華やぐでしょうから、
さほど目立たないと思います。
でも、来年の今頃は誰もが「下がる」と考えているはず。

榊 淳司オフィシャルサイト : マンション価格の本格的な下落期が到来

賃貸派にとって耳触りの良い言葉だった。どうせオリンピックが終わればマンションの価格は下がるさ。マンションを一杯持ってる団塊世代からの世代交代が起きれば中古マンションが大量供給されるから――

そう思っていた時期が俺にもありました。
ところが、誰もが予想もしない大事件が2020年初頭に起こってしまうのだ。

続く → ZUNDAのマンション購入記② - コロナ禍を受けて

おまけ

画像はBing AIが考えた「中年男性が、夜遅く、自宅で、パソコンを使って、マンションを探している」イメージです。ディスプレイの位置が革命的すぎない?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?