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ZUNDAのマンション購入記② - コロナ禍を受けて

この記事は、ZUNDAのマンション購入記① - プロローグの続きです。
ずっと賃貸派でマンション相場が下がることを夢見ていたZUNDAが、コロナ禍という全く予想外の事態に置かれて考えを改める過程を描いています。つまりあんま面白くないので実用的な話を読みたい方は購入記③を見ましょう。(2024年1月公開予定)


世界が変わってしまった

2020年3月。ZUNDAは住んでいる築40年弱のマンションの台所に設置されたリモートワークスペースで震えながら仕事をしていた。リモートワークスペースとは、要するに段ボールの上にノートPCを設置した代物である。購入記①で書いてあるとおり、この物件のエアコンは台所には設置されていないので、暖房はノートPCの排熱のみである。
どうしてこんな事になったのか―そう、思い出したくもないコロナ禍である。

2月に入った頃から世の中はコロナで騒然とし始めた。豪華客船やら屋形船での集団感染、そして極めつけだったのは「志村けん」さんがコロナ感染で亡くなったことだろう。これで世間は恐怖し、一斉に自粛、リモートワークが強力に推進され、世の中の仕組みが数か月で変わってしまったのである。

当然、不動産市況も悪化するだろう。みんなコロナ騒ぎで不動産どころではないはずだ。マンションの内見もできないのに、どうやってマンションを買おうと思うのだろう?
事実、統計データでは2020年のQ2(4~6月)の不動産取引業の指数は絶望的なレベルで低下していた。

引用元:経済産業省
「近年の不動産業の動向変化;2019年第1四半期をピークに活況度は低下傾向」
景況感だけならリーマンショック級

雇用も急激に不安定になってしまった。特に自粛を半強制的に要求された飲食業や一部サービス業は悲惨だ。解雇されて職に困る人まで出てくる様相だ。
同時に、遂に、一時的かもしれないが、不動産価格が下がり始めたのだ。

大チャンス到来

「もちろん、具合はよくありません。しかし、少なくとも、皆、同じ風呂のなかに入っている訳です」 ―コタール

カミュ「ペスト」宮崎嶺雄訳

2020年5月。ノートPCの排熱に頼らなくても台所が寒くなくなった頃、SUUMOにブックマークしまくっていた物件の価格が下がり始めていた。特に、前から目を付けていた、いま住んでいる賃貸マンションの近所にある分譲マンションAの価格が10%も落ちていた。約40平米と狭いが、間取りは2DKで使い易そう。なんと言っても近隣環境が今とほぼ同等なので、引っ越しのストレスが少ない。これは大チャンスではないか。だが気になる点があった。分譲マンションAは築42年(当時)で、いわゆる「旧耐震」だった点だ。

話は変わるが、ZUNDAの実家は仙台にある築50年以上の一戸建てで、東日本大震災に何とか耐えた。しかし、近所では倒壊は免れたものの破損して住めなくなった家が多数あった。

実家の近所の写真ではないけど、震災後ヤバそうな建物にはこの「赤紙」が貼られるんですわ。
ワシの実家は幸いにして問題無しの「緑紙」が貼られてた。

そんな経験があるため、どうしても耐震性は気になってしまうのである。

SUUMOには分譲マンションAの耐震性についての記載は無かったので、とりあえず仲介業者に資料の送付をお願いした。すると仲介の不動産会社から即返事をいただくことができた。

耐震に関しまして、耐震診断は未実施のため詳細については不明です。ただ、簡易耐震診断の記録がありました。ご参考までにご覧ください。

なんのこっちゃかわからんけど、とりまヤバめなことはわかる

送ってもらった簡易耐震診断の結果を見ると、横揺れ(X方向)は問題なさそうだけど、縦揺れ(Y方向)の値が基準値以下と書いてある。
Is値の意味すら知らなかったので、国土交通省などの行政のウェブサイトを検索して調べてみる。

出典:国土交通省「マンションの耐震診断」より引用
出典:国土交通省「マンションの耐震診断」より引用

えーっと…低層階のIs値は0.41なので構造耐震指標(二)となるから、大規模地震(震度6弱以上)に耐えられないということがわかった。つまり新耐震の耐震性には遠く及ばないってことね。なるほど

だめじゃん

いくら築年数が経ってて30戸ちょいの小規模マンションとは言え、事故物件でもない都心の駅徒歩10分のマンションが2,480万で買えるなんておかしいと思ったんですよ。ちゃんと理由があるんですよ。
しかも簡易診断の結果がヤバかったからか、このマンションの理事会は数百万の費用がかかる第2次診断(精密診断)をやらずに見なかったことにしてるわけですよ。「見ぬ物清し」というジャパニーズトラディショナルワードがありますもんね。世の中知らない方が良いことって一杯あるからしょうがないね。

撤収

たどり着く結論

SUUMOで旧耐震の物件を探していると、ほとんどの場合耐震性についてはスルーしているんだけど、たまに「耐震補強工事済み!」などと耐震性をアピールしている物件が目に入る。そういった物件は価格が高くなる傾向がある。さらに「フラット35利用可!」となっている物件は更に高い傾向がある。これは耐震診断で問題が無かったか、補強工事を行って新耐震と同等の耐震性があると認められた物件が利用できるワードである。
そういった都心にある物件は軒並み2,500万を遥かに超えている。つまり

予算を上げる

はい。いくら価格が多少下がっても2,500万じゃ都心どころか23区内でも、

  • ハザードマップに問題が無く

  • 利便性がそれなり以上で

  • 耐震性に問題が無い

といった物件を買えるわけが無いという結論に達しました。当たり前だろ。
じゃあいくらまでなら予算を上げられるのか…?いくらなら23区内でこの条件の物件が買えるのか…?素人の自分が考えても判るわけがない。
と言う訳で、プロにアドバイスをいただくという結論に至ったわけです。

続く → ZUNDAのマンション購入記③ - すんで23区3500万 (2024年1月公開予定)

おまけ

画像はBing AIが考えた「中世写本に描かれた、街に疫病が蔓延する中、住む場所を探している中年男性」のイメージです。今回はかなり完成度高い。やるじゃん。


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