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シャニマス劇場版第二章レビュー※激しくネタバレあり!!!!

本日最近シャニソンにハマっていることもありシャニマスの劇場版第二章を見てきました。第一章はまだハマっていなかったこともあり未視聴ですがそこも踏まえてレビューしていきたいと思います。

ネタバレしまくるので未視聴の方は注意です!!!!!!



まずこのシャニマス劇場版ですが来年春に放送予定のアニメを4話ずつ3回に分けて映画館で先行上映を行うという形を取っているので、純粋な劇場版ということではありません。なので映画というよりはアニメのレビューに近いと思います。映画のような起承転結がはっきりというより起承転結を全3回に分けて描写しているという印象でした。

第2章5話はイルミネーションスターズのわだかまり解消と和解、デビューライブ成功に向けた活動から始まります。まのちゃんに対してひおりが厳しい言葉をかけてしまいどこかギクシャクしていたのですが、プロデューサーの臨時レッスンの呼びかけにより集まったイルミネメンバーが本音をぶつけ互いに認め合うことで無事に和解しデビューライブまで意思疎通の取れた練習ができたことで以前はできなかった難しいダンスフォーメーションも無事に成功し、デビューライブは大成功に終わります。その後6話で283プロダクションのアイドルユニット総出でW.I.N.G.に出場するところまで続きます。

6話はプロデューサーが営業をかけた結果、W.I.N.G.に出場から結果までの過程をテレビ局に密着取材してもらえることになり、各ユニットは自分たちでも練習風景や普段の様子の撮影を行い盛り上げていきます。そして満を持してW.I.N.Gに出場するところで6話は終わり、7話のW.I.N.G.終了で続きます。

7話は明確な描写はないものの、アンティーカ、放課後クライマックスガールズは厳しい結果であったようで悔しい胸の内と今後の活躍に向けて決意を新たにします。特に放クラの果穂は厳しい結果に終わったものの自分たちは最高のパフォーマンスであったことに自分たちはナンバーワンであると笑顔を見せますが、だんだんと目には涙が浮かび、ついには泣いてしまいます。メンバーが駆け寄り最年少でセンターである果穂に寄り添います。ここは筆者も泣きそうになってしまいこの映画の最高の見せ場だったかもしれません。アストロメリア、イルミネーションスターズには明確な描写はありませんがどこか晴れやかな表情に見えたのでもしかしたらどちらかが優勝したのかもしれませんがよくわかりませんでした。W.I.N.G.後はユニット同士の交流が描かれ7話の最後にはプロダクション1stライブが決まったことがメンバー全員に知らされ8話に続きます。

8話では1stライブで披露する予定のユニット合同の新曲「ツバサグラビティ」の衣装決めや合同練習がメインに描かれ、特に放クラとアルストの描写が多く、練習や仕事を通じてお互いの良さを吸収し合い、ライブに向けて順調に進んでいます。そしてユニット全員集合のライブ前の壮行会が行われ、その帰り道でプロデューサーからまのちゃんにプロダクションライブのセンターを任せたいと告げて2章は終わります。

映画を観た感想はまず、この映画は確実に”シャニマスファンに向けた”ものだと感じました。映画公開前、当初は様々な媒体レビューからこの映画はシャニマス初心者でも入りやすくここからシャニマスの世界に触れてほしいとのことだったのですが、2章を観た限りそれは無いと断言できます。
そもそもW.I.N.G.の在り方やアイドル達との交流するプロデューサーを観ていると分かるのですがこれはパラレル・ワールドです。

「こういうシャニマスの世界もあったんだろうな」というひとつの世界を観ているに過ぎません。ゲームではW.I.N.Gはアイドル個人同士のコンテストであるのに対し、映画ではユニット単位でのコンテストになっていますし、アイドルプロデューサーとの交流もほとんど無いと言って良く、大事な場面で助言や声掛けをするくらいでゲームの様なアイドルの芯に迫ったコミュニケーションを取ることもありません。

ということで筆者はこの映画をパラレル・ワールドと結論付けました。ということはこの映画からシャニマスの世界に入ろうとしても前提が違うので初心者向けとはあまり言えないのかもしれません。一応簡単なキャラ紹介とユニット結成秘話は分かりやすくなっているので顔と名前・ユニット名は覚えやすい、くらいでしょうか。

それよりも、今までシャニマスを応援し支えてきてくれたファンに対して運営が感謝の気持ちを込めて、キャラを美麗な3Dで動かし命を吹き込むことで今までLive2Dでしか観れなかったアイドルたちに立体感と更なる現実感が与えられ今までにないシャニマス体験を提供した、と筆者は思っています。

なので初心者向きと表向きでは言いますが、本当はファンへの思いが詰まったファンムービーというのが正しいと思います。今までイベント以外でなかなか描写されていなかったアイドル同士の交流もしっかりと描かれファンとしても嬉しい部分が多分にありました。ということでファンムービーとしては100点中100点をつけたいくらいです。

しかし、映画・アニメとしては正直65点くらいしか無いです。2章を観ただけですが、展開が急で重要なコンテストらしきW.I.N.G.の描写も少ないですし、アイドルの葛藤もほとんど見えないまま時が過ぎていくような感覚があり、各ユニットを描写するためか場面もコロコロ変わるので集中してみていないと展開が分からなくなりそうでした。ストーリーも最終的に何を描きたいのかが見えてこないのでW.I.N.Gやプロダクションライブといった小目的を出されても感情移入があまりできません。各ユニットのセンターアイドルがユニットの方向性を示すような描写もあるにはあるのですが、例えるならストリートファイターで相手を倒した後のコメント位の感じなので雰囲気は分かっても何を目的としているのかが全然分かりません。

今回はほとんどスルーでしたが、W.I.N.G.はシャニマスの世界にとって非常に大事な要素なので、明確な目的として新人アイドルの頂点であるW.I.N.G.優勝を目指し、それに向かって少年ジャンプ的な友情・努力・勝利を描く過程でのアイドル同士の生々しいぶつかり合いや葛藤を描ききる方がシャニマスの世界観を感じてもらえるし興味を持ってもらえるのではないかと思いました。

非常に細かいのですが、アイドル達の私服が一切変わらないのが違和感でした。作中で私服の場面は全て固定だったのでそこが非現実感となってしまっているのでシャニマス特有の変態的な現実感が薄れてしまっていますし、今回の映画でおそらく重要な役割であろう新曲、ツバサグラビティとその衣装を早めてしまったものだからこの後の盛り上がりをどう作っていくのかが疑問になります。

あと、元気印でいつも笑顔な果穂が涙する最高に心に来る名シーンなのですが、筆者は泣いた原因は、W.I.N.G.で負けてしまったけど自分たちは最高のパフォーマンスができた!ナンバーワンだ!と言って果穂は仲間を励ますのですが、大好きな仲間と作り上げた最高のパフォーマンスが評価されなかった、負けてしまった悔しさがこみ上げてしまい泣いてしまったと最初は思いました。だって果穂はまだ12歳の小学6年生なんですから、悔しくて泣いてしまうでしょう。

しかし、本人の口から皆と練習する時間が楽しみで仕方無くて毎日早起きが楽しかった、そんな楽しい時間が終わってしまうから泣いてしまったと語られました。

正直うーんです。果穂らしいと言えばそうなのですが、果穂の性格や年齢を考えると悔しい気持ちが湧いてこない訳が無いと思うんですよね。明確に悔しいという気持ちで無くてもあれだけ楽しかった時間を過ごした仲間たちと結果を残すことができなかった無念は少なからずあったと思いますし、ただ楽しい時間が終わるから泣いちゃうなんていうのはちょっとなー...って感じですね。

もしくは果穂は悔しいという気持ちをただ吐き出してしまう普通の12歳ではなく、放クラのセンターという自覚があったからこそ自分の感情を吐き出したい気持ちはしまい込み取り繕ってしまった…という可能性もありますね。

とはいえあの場面はあと少し時間があったら確実に泣いてしまう場面でした。果穂が涙したその時、メンバーがただ寄り添い、気持ちを分け合うあのシーンはどうあれ最高でした。

意味不明で筆者的にちょっと怒りが出てくるような場面もありました。それはイルミネかデビューライブをするシーンでサイリウムの色分けが圧倒的にめぐるのカラーの黄色で占められていたことでした。ピンクと青はあまり無く、比率では黄色8:ピンク1:青1くらいの圧倒的差です。ユニットでめぐるが圧倒的人気の様な描写は無かったのですが明らかに差がありすぎてどゆこと!?と思いました。

あまりに違うので流石に言及されるかと思いましたが何もなし。例えばストレイライトなら芹沢あさひがユニット内でも群を抜いて人気なのでソロで仕事があるが、他二人はひたすらレッスンの毎日といったメンバー内格差を生々しく描いていたのですが、それに近いような演出をしたのなら何かしろと思うのですが…

最後にまとめというか望みなのですが、これで終わってくれるなと強く思いました。来年には映画第三章もあり6周年も控えて傍目から見ると絶好調といった印象ですが、その実そこまで勢いが無いのが現実です。詳しくはまた別で語る予定ですがシャニマスというコンテンツは終わりに差し掛かっていると感じます。正確に言えば完全に終わりではないですが何らかのコンテンツが終了してしまうのではないか…そういう嫌な予感を感じてしまいます。

今回の映画からもそんな雰囲気が読み取れてしまい、もしシャニマスが終わったらどうしようと違う涙が出そうでした。心配性の杞憂ではあるとは思うのですが色んな意味で今後に大注目です。


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