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住むところは自由に選べない?強制移住の未来は来るか?

居住移転の自由は憲法で保障されている。しかし受刑者や自衛隊員などでは、この自由を失って居住地を選べなくなる場合がある。公共の福祉のため、居住移転の自由を失ってて居るのだ。

でも、これらの住むところを強制的に定められる状況以外にも、法律によって居住移転の自由の範囲が限定される状況がある。

一つは建築基準法。都市計画区域内では、建築基準法で定める道路に接していないと建物を建てられない。つまり道路がないと家を建ててはいけないので、その土地には住めないと言う事。

二つ目は都市計画法。都市計画区域の内、市街化調整区域では許可が無いと建物を建ててはいけない。そして住宅を建てる許可には多くの場合土地及びそこに住む人の条件がある。つまり、道路があっても住めない土地があり、土地は大丈夫でも住めない人が居ると言う事。

山奥以外多くの市街地とその近郊は都市計画区域に入っているので、安い土地見つけてここええやん!と思っても、そこに住む自由は無いかもしれない。

初めに挙げた刑務所や自衛官の事例は、治安維持や国防を公共の福祉として捉えて、権利を強く制限していると解釈出来る。一方で建築基準法や都市計画法の制限は自由の範囲を狭めるもので、権利の制限度合いで言えば前者よりは大分緩いものとなっている。これらの法律で制限をかけている理由が、防災、環境、経済的合理性に基づくものであるから、治安や防衛の為のものほど厳しい制限にならないのはしっくりくる。

ここで、能登の地震を機に再燃させられた過疎地から移住を促進すべしと言う議論について考えてみたい。

移住促進の方法として住居を強制的に移す法律、制度の制定は可能だろうか?
その場合の権利の制限の理由は防災や経済的合理性であるけれど、その制限度合いとしては治安、防衛の為のものと近いかなり強い物になってしまい、このような形だと、違憲だと反対されて実現可能性は低そうだ。

強制的な移住が不可能だとして、インフラによる行政コストを低減しなければならないと言う課題にどう対応して行くのか。一つ提案したい。

自治体が条例により区域と期限を指定して、道路、上下水道、防災インフラ(治水、砂防、土砂災対策)等を終わることの出来るような法律を制定してはどうか。

現状ではいくら非効率的であっても地方自治体は使用者の居るインフラを廃止出来ない。したくても反対の声が大き過ぎて出来ない。バス路線の減便だけでも一苦労である。これを国から法律によるお墨付きを与え、地方交付税交付金や国庫補助事業の減額を既定路線とすることができれば、地方自治体でも、反対を押し切ってインフラの縮小を実現出来るのでは無いだろうか。

昨今のXでの移住、集住に関する議論においては是非、どうしたいかだけで無く、どの様な手段で実現したいのかも含めた提言を実現可能性と発信力のある国会議員からしてもらいたい。

個人的には色々考える前にまず急傾斜事業と砂防事業無くせば良いと思ってる。危ない場所でも人が増えて守らないと行き場がない人が出る時代は、もうとっくに終わってる。存続も怪しい数軒の家のために億単位の金をかけて守る事業はいらない。わざわざ危険な場所に住み続ける人は、そこに街が必要で無いなら守らなくて良いじゃないか。

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