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星の王子さま

好きな本としてはベタだと思われる。
それなのに「好きな本は?」と聞かれて答えると何とも言えない反応をされる。
私の日頃の行い(?)というか、傍から見たキャラクターとの違和感なのだろうか。

初めて呼んだのは小学生の頃だった。
感想:不思議…?

小学生の頃の私には難しかった。
今もそこまで理解度が高いとは言えないと思うのだけど、好きなので好きに語るという事で。

実は『夜間飛行』も好きなんだけど。

それでも、所謂【泣ける系○○(映画でも本でも)】を何事も無く終えて涙腺ポンコツとの不名誉(?)な渾名を受けて映画やらに誘われなくなった今でも、いつも決まって同じ所で泣くのは『星の王子さま』だ。

いつも同じ所。

王子さまがバラの話をする所。

たとえ沢山のバラが咲いていても、大切な特別なバラはあのバラだったと。
わがままでも、あのバラだけが特別だったと。

そこが一番好き。

星の王子さま名言集的な本もあるけど、正直な所…個人的には特に。
全体的な流れと散りばめられたその『瞬間』の背景があって輝く感じの言葉が多いなぁと思うから、一部分だけを切り取るのは勿体無いというか。

読む年齢によって得る感想は違うのだけど、泣くのは結局同じ所で。
どうしてなのか考えるのも野暮な気がして、このままで良いと思っている。

好きな本は?と聞かれたら、やっぱり迷いなく答える一冊。

好きな本は沢山あって、どれが一番だとか正直決め難い。
人にオススメするのも、自分が読むのも、どちらも良い。

少なからず私の人生観に影響があったし、こういう素敵な一冊との巡り逢いは有り難くて幸せな事だと思う。



余談。

私は『星の王子さま』はとても好きだけど、【大切なものは目に見えない】という言葉を軽く引用してくる人物は好きではない。

個人的統計×偏見で申し訳無い。
この言葉を軽く引用してくる人物で、きちんとした方に会った事がない(恐らくこれからも会わないと思われる)

物事の誤魔化しや言い逃れに使わないでいただきたい。

大切なものは目に見えないとは限らない上に目に見えるものを蔑ろにして良い理由にはならない。

大切なもの⇔目に見えない は成り立たない。
目に見えようと見えなかろうと大切なものは大切にした方が良い。
その判断基準くらい自分で決めれば。
目に見えるか否か、他人の言葉に左右される時点でその程度だとしか。

【大切なものは目に見えない】
この言葉はあの流れの中で、そっと置かれているから美しいのだと思う。

……こういう事を言うから好きな本が『星の王子さま』だと答えた時にあの空気感になるのか、と納得した。(今更)






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