【Vol. 12】バレンタインデー
Isle of Skye
スコットランド北西の海岸沿いにある橋を渡るとたどり着ける島。
日本帰国前に絶対に訪れたい場所のひとつ。
ちょっとここのところ疲れちゃったから、癒しの香りを求めて、ずっと気になっていたIsle of Skye Candle Companyに行ってみた。
入店した瞬間、アロマのやさしい香りがわたしを包み込み、味のあるオシャレに髭を生やした、スコティッシュの店員さんが対応してくれた。
わたしがディフューザーを選び始めようとした瞬間、その彼はコテコテのScottish accentで、わたしが入店する直前までいたお客さんたちの悪口を面白おかしく話し始めた。勿論、ジョークだ。
話術に長けた彼は、わたしの出身を聞き出し、前述したジョークからすごく滑らかに日本が好きな理由を語り出した。
その後、お店に飾られている落書きができる黒板があるところに連れていかれ、
前に入店した日本からの観光客と思われる人が残していった「大好き」という言葉を指差し、
彼はわたしに、
“What does this mean?” と聞いてきた。
だから、
”It means ‘I love you’” って応えた。
その直後に気が付いたが、
今日はバレンタインデーだ。
初めて会うお兄さんに、謎に「愛してる」と伝えなければいけないという、偶然なのか必然なのか、なんとも不思議な日だった。
ジョーク大好きオージーを思い起こさせるほどのおふざけスコティッシュお兄さんだったから、もしかしたら意図的だったのかもしれない。笑
でもそれにしては、
彼自身も気まずそうな顔をしていた。笑
それはさておき、Scots Pineの香りがするディフューザーに決め、お会計の時に、
“I love the smell of it” と伝えると、
お兄さんが聞こえるか聞こえないかのような速さでサラッと
“The smell loves you” と言ってきた。
こころがポッと温かくなって、
なんだか嬉しい気持ちになった。
この「ことば」が好きだ、と思った。
どうやらその彼はエディンバラ大学に通い、物理学と数学を勉強していたらしい。エディンバラ大学のことで分からないことがあれば、いつでも聞きにきてねと爽やかな笑顔で言ってくれた。
グラスマーケットとヴィクトリア・ストリートには、おもしろいお店とひとがたくさん隠れている。
お店を出ようとした時、そのお兄さんが、
「今日は天気が良いから外にいるんだよ」
と声を掛けてくれた。
入店してすぐに
「リラックスできる香りが欲しくて」
と口にしたわたしを思ってのジョークとやさしい言葉だったのかな。
その後は直帰しようと思っていたけれど、
その足でエディンバラ城まで行ってみて、
エディンバラの景色をゆっくり見てきた。
今日は昨日よりもゆっくり眠れそう。
Scots Pineのやさしい香りに包まれながら。
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