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【Vol 21】二周目、腐った檸檬

ほんとうは寮のすぐ近くにあるスーパーに買い出しに行くつもりだったけど、ギリギリ雨が降ってなかったから、節約のためにも、少し遠いところにあるスーパーに行くと心に決め、歩き出した。

そこは大学の授業終わりによく買い出しに行くスーパーだ。この半年間、何度も通い詰めた場所だから、食品の配置は大体のところ覚えた。

いつもは一周して必要なものを手に入れたら、すぐにレジに向かう。けれど、今日は何となく同じところを二周してみた。作りたいお菓子のレシピを片手に。いつもは買わないような食品たちがわたしの手によってカゴの中に入れられていく。

写真にある腐った檸檬を見つけたのも二周目をした時だ。おもしろくて、ひとりでクスクスした。

バッグ二つがパンパンになる程の買い出しをして、寮に帰る帰途、ふと思った。

人生は、一周しかできないんだよなあって。
二周すると、一周目では気が付かなかったことに気が付くし、足りないと思ったものを付け足せる。

二周した時みたいな充足感ってどうしたら一周だけで味わうことができるんだろう。
トボトボと歩きながら、そんなことをひとり考えていた。

それと同時に、「どうして今日に限って、自分は同じところを二周しようと思ったんだろう」って自問自答してみた。

日曜の夕飯前ということもあって、今日はいつも以上にスーパーが混んでいた。それに、みんな結構急いでた。その後に特別な予定がある訳でもないのに、気が付いたら、わたしまで何かに追われるように急ぎ、陳列される食品たちの横をスタスタと通り過ぎていた。

だから、二周する必要が出てきたんだろうなと。

人生の時々で、
なんか色々血迷って、
焦ってる時のわたしに伝えたい。

周囲のみんなに流されるように急いで決断を下す必要なんてない。人生まだ長いもん、リスクという名のプライドはぜーんぶ投げ捨てて、気になったことには勇気を振り絞って足を踏み入れてみようと思う。たとえ、その道に進むのが自分だけでも。自分のこころに素直に生きるんだと。

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