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春先に書き綴ること

そろそろ今年度も終わるので、このひと月余りを振り返って日記を書こうかと。日記じゃなくて月記かもしれない。

人間の上限

東京五輪以降、もうこの国に明るいイベントなくない?と思ってたら、予想以上に碌でもない時代になって若干引いていました。が、WBCがあったね!

今回の日本代表は歴代最強と謳われていましたが、その名に違わぬ快進撃。そしてチームの印象が良い。
ヌートバー?何それ?状態からプレイ見て一瞬で好きになったのは自分でも驚きました。明るさと試合へのひたむきさが胸を打つ。

そして大会MVPの大谷サン。大げさでもなく、人の魂はここまで気高く清廉で在ることができるのか……と感嘆しました。
高校時代に書いたという目標達成シートを見ましたが、体づくりや技術面の他に「人間性」と「運」の項目が置かれているんですよね。
それを実現するための礼節や善行についても記入があり、愛されるヒーローに成るべくして成った説得力があります。
結果を出せば人格は問わないという考えを好いていないので、今回のフィーバーには勇気づけられました。こんな時代だからこそ。


去る者を追わず

職場の同期が突然いなくなることになり、しばらくそのことについて考えていました。
30年ぐらいは付き合うことになるのかなーと何となく考えていただけに、梯子を外されたかのような。こちらが勝手に外された気になってるだけなのですが。
正直なところ自分にはその選択は全く頭になく、当然同期もそうしないだろうと確信していたのですが、現実は何の前兆もなくこうなった。
本人にしか分からぬ悩みや考えがあったのでしょうが、今でも信じられません。

仲が良かったかといえばそうでもないし、何度も頭を悩まされ腹を立てることもありましたが、何だかんだで連帯感みたいなものは持っていました。
関係を築くのに苦労をしてきた(築けたとは言っていない)し、そのあたりの悩みが唐突に消えたことで、拍子抜けもしています。

教訓は多くあります。
自分と相手で見えているものは違うこと、変わらないものは一つもないこと、積み上げたものは選択によってなくなること。
価値観の根幹に何を置くのか、改めて考え直すきっかけとなりました。私は他人に影響されやすい・流されやすい傾向があるのですが、永遠に付き合う他人はいない。
自立できるだけの能力であり、環境であり、メンタルを維持できるようにしたいものです。


タイムカプセル

時は2000年。あちこちで新たな世紀、新たな時代の到来が謳われていた時代のことです。私が通っていた小学校でも、全校生徒でタイムカプセルを埋めることになりました。
たしか成人式に合わせて掘り出すという10年スパンが多かったように思いますが、うちでは埋めてから20年後となりました。
かなり長く寝かせるから忘れそうだと、当時心配したものです。まあ懐古趣味と記録主義の身で忘れるわけもなかったのですが。

そして20年の歳月が経ち、約束の年になりました。
たしか今年だったよな、とそわそわしていたのに全く音沙汰がなく。一人ぐらいは音頭を取りそうな人間がいそうなものですが。
そもそもカプセルを埋めたグラウンドの端には、いつの間にか水飲み場が新設されていました。これは本当に皆から忘れられているのでは?

さらに数年が経った先日。タイムカプセル開封の儀が行われることを聞きました。
コロナ禍で延期していたようで、現在の小学生向けのお知らせの隅に掲載してあったようです。
そんなの当事者には伝わらないと思うのですが、20年前だと連絡先も当てになりませんし、他に通知方法もありません。人の伝達頼りにはなりますね。

ともあれ無事に中身を回収。当時10歳だった自分が、当時の好きなものや苦手なものを綴っていました。
内容は覚えていませんが、見れば納得感はある。古いセーブデータを発掘した感覚が近いでしょうか。
今の自分とは当然価値観は違いますが、「10歳の自分なら間違いなくこう書く」ということがよく分かります。人格の連続性を感じて微笑ましい気持ちになりました。
当時も色々な気苦労があったことが思い出されますが、何とかなったよと声をかけたくなる。逆タイムカプセルが欲しくなりますね。

最後に20年後の自分に向けた手紙もありましたが、「どんなにつらいことがあっても、のりこえていってください」と締めてありました。
なんか私のくせに厳しいことを言う……。妙に刺さってしまいましたが、他ならぬ自分の言葉。真摯に受け止めようと思います。


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