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倉敷美観地区散策

先日、倉敷に行ってきました。
主目的は今年の三月にオープンした「UKIYO-E KURASHIKI/国芳館」です。
とはいえこれだけを目的にするのも、と周辺を調べてみて、この一帯が倉敷美観地区と呼ばれていることを知りました。
公式によれば「歴史とアートが薫る美しい白壁の町並み」。
いつも行きあたりばったりなのですが、今回は行きたい場所をいくつかピックアップして、いざ出発。


[一日目]

スタート地点は倉敷駅。天気は良く、12月にしては暖かい、良い散策日和でした。
荷物が多かったので、まずは観光休憩所へ。役場や公民館みたいな雰囲気の建物でした。ここのコインロッカーは17時までしか使えないことを、係の人が教えてくれたり。
身軽になったところで、いよいよ美観地区入り口へ。

たぶんここが入り口

入って右手の土産屋(佐野屋本店)の品揃えが良く、既に楽しい。店内の半分ぐらいを見て、残りは帰りの楽しみに取っておくことに。
とりあえず奥まで行ってみようということで、左手の細い路地(奈良蔦の小路)に入り、そこから右に折れて本通りへ。

古民家が立ち並ぶので、眺めているだけでも絵になります。ちょっと立ち寄るのに楽しいお店もたくさんありました。
特に印象に残っているのは、中原三法堂本通店。
お香や和雑貨がたくさん置いてあって、ここは本当に飽きなかった。茶香炉がだいぶ欲しかったのですが、持て余しそうなので断念しました。

そんな中で、カレーやりんごのパフェの写真が飾ってあるお店を発見。
美味しそうですが、パフェを食べられるのはここだけではない。
まだこの地区に足を踏み入れたばかりだし、一度は通り過ぎたのですが。

「……」
「どしたん」
「さっきのりんごパフェを迷ってる……」
「食べに戻る?」
「そうする」
「オッケー……待ってめっちゃ早足

そんな流れで町家喫茶「三宅商店」へ。

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また食べたいカレー暫定1位

畳にちゃぶ台で、カレーセットを頂きました。甘めの味付けで食べやすく、野菜も美味しい。玄米や揚げた蓮根の食感も好みでした。戻って良かった。
江戸時代後期に建てられた町家というだけあって、内装も素敵でした。
見たことのない古い型式のラジオとか、いつから貼られているんだろうと思わされる年季の入った新聞とか。

お腹も膨れたところで、また散策へ。
たまたまアイビースクエアの入り口を発見。美観地区について調べていた時に知った有名スポットです。

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中庭のような広場の雰囲気が良かった

結局どういった場所なのかがよく分かってないのですが、「明治時代の紡績工場を再利用した複合観光施設」らしいです。ホテルとか式場とか。
蔦に覆われた古い建築物がフェチなので、ずっと眺めていたかった……。
広めの空間だったので、休憩にちょうど良かったです。

一息ついて、美観地区の中心へ。

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令和に残る江戸の景色

倉敷川と柳並木の風景は、特に情緒があります。犬の散歩をしている人も多く、贅沢な散歩コースだなあと。

倉敷美観地区は大きな通りと細かい路地が組み合わさっており、目的地の方角が分かれば直線的にたどり着けます。
そういう地形なので、距離と方角だけを示してくれる愛用の道案内アプリ「Waaaaay!」との相性がとても良かったです。今までで一番活躍していたかも。

夕暮れ時になると、何処からともなく修学旅行生らしき中学生たちが。
自由行動時間なのかもしれません。こういうところで自由行動を与えられるのは贅沢で羨ましい。

さて、倉敷ではパフェを食べるつもりでいたので、フルーツパフェで有名なくらしき桃子へ。
どうやら総本店や本店といった種類があり、店舗によってラインナップも違うみたい。コインロッカーの時間や、お腹の調子とも相談しつつ……。

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悩みに悩んでぶどうパフェ

総本店のぶどうパフェを食べることに。
酸味があるので重く感じることはなかったのですが、葡萄の皮を取るのが若干手間でした。いっそ全部マスカットでも良かった。美味しいんだけどね!

荷物を回収後、すっかり暗くなってしまいましたが、本命の国芳館へ。
江戸後期の浮世絵師・歌川国芳とその弟子の作品を展示するミュージアム。
旅館をリノベーションしており、広い畳の部屋の四方に浮世絵が展示してある不思議な空間でした。外は陽が落ちていますし、他に客がいなくて静かだったのも良かったです。

看板にもなっている「相馬の古内裏」は、さすがの迫力。地下に降りたところに一枚だけ飾ってあるのが、また雰囲気を出していました。
「荷宝蔵壁(にたからぐらかべ )のむだ書」も、インパクトがありました。
「あの左の塔すき」「神絵師の落書き」なんて茶化してましたが、背景は結構面白い。

実質貸し切りで、自分たちのペースで見ていけたのが良かったです。
他の人は20分ぐらいで回ると最初に聞いていましたが、結局1時間ぐらいかけたような。


[二日目]

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毎朝食べたい

朝食はサンドイッチ、蜂蜜がけのラスク、オートミールとヨーグルト。どれも美味しかったです。

あいにくの曇り空ですが、大原美術館へ。美観地区では一番有名な観光スポットでしょうか。
目玉はモネの『睡蓮』とエル・グレコの『受胎告知』になります。一日目にミュージアムショップに入っていて、何がイチオシなのか事前に把握できていたのが良かった。
全体的に解説がとても丁寧で、私設美術館としての成り立ちとか、収集された作品の中で受胎告知だけ時代が違うとか、知識がなくても楽しめる美術館でした。

「受胎告知のハト好き」
「わかるよ」

本館を回った後、米蔵を改装した工芸・東洋館へ。
こちらは紀元前の陶器や甲骨文字が存在感抜群でした。義務教育の範囲内なこともあり、反応している方が多かった。
生贄の数を何人にした~とか、教科書には載らない怖いことが書いてあるのが淡々と書かれているのがまた良いですね。物語に出てきそうな世界観。

昼食は、美術館を出たところにあるレストラン亀遊亭でオムハヤシを。

12月なのに紅葉が舞い散る風情

裏手に白鳥のおうちがあり、白くてでっかい鳥のブームが続いている我々がずっとニコニコしていました。
この旅ではあちこちでお茶しましたが、ここのコーヒーが一番美味しかったです。

雨が降らないか心配しつつ、最後にいくつか土産店を見て回りました。
桃や葡萄のフルーツ、美術館、備前焼、デニムと、観光地としてバリエーションの幅が広いのが強い。これだけ色々あれば、何かしら刺さりますからね。
しっかりめに散策しましたが、まだまだ店巡りしようと思えばできそうだったので、底は深そう。

一泊二日のスケジュールにしては、行きたいところはだいたい行ける満足度の高い旅となりました。
美観地区という一つのブロックに色々な観光名所や店が集まってるのが良かったので、次もこういう場所に行きたいですね。

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