父になった日
2021年2月中旬、長女が産まれついに父になった。アラフォーでの第一子は少し遅かったと言って良いだろう。このnoteは父になって徒然と思うことを書いていくつもり。特に目的を定めることもなく、子供が将来大きくなったときに見たら面白いかも?ぐらいで始める。なので1ヶ月で終わるかもしれないし、細々と思い出したときに書くかもしれない。張り切り過ぎると続かない性格なので、このぐらいのスタンスが良いだろう。
さて、出産当日はとても風の強い日だった。予定日から1週間以上遅れており、前日から妻は陣痛促進剤の投与を受けていた。僕はいつでも出られるよう家で待機し、早朝から妻とLINEのやりとりをしていた。痛みを伴う収縮が時々あったが、その度に娘の心拍が落ちやすく帝王切開の可能性がゼロではないと医師から言われていたそうで、妻が不安がっていた。昼の12時に痛みの様子を聞いてみたら、数時間しても返事がない。これは本陣痛が始まったか、LINEの返信もできないくらい痛いのか、とやきもきした。
午後3:47、電話が鳴った。すぐに取ると助産師からのもうすぐ産まれそうだとの知らせだった。その背後ではおそらく妻であろうものすごい叫び声が聞こえた。これが噂に聞く叫び声か、と一瞬で気が引き締まる。すぐに家を飛び出して自転車を漕ぎ始めたら、強烈な南風で「風神が来ている」と思った。長女の性別がわかる前から胎内の子に風神雷神をもじって「ふうちゃん」と呼んでいた。まさにその名のとおり、風神が降りてきているような強風だった。
病院に着いてすぐに防護衣のようなものを着させられ、分娩室に入った。妻がやはり叫び声を上げている。その横に座るよう指示され、妻に声をかけたがそれどころではなさそうだった。部屋に入って1分ほどしか経っていないだろうか、おぎゃあと産声が聞こえた。産まれた瞬間に滑り込みセーフだった。
産まれてから看護師の方々がへその緒の処置をしたり、脇にあった小さなベッドで体長を測ったりされている。大仕事を終えた妻と「よかった、よかった」と言い合いながらその様子を見ていた。一通りの作業が終わったら、抱っこもさせてくれた。泣いている娘を抱っこして顔をじっと見ていると、万感の思いが込み上げてきて僕も泣いてしまった。待ちに待った娘が無事に産まれてきてくれたのだ。看護師がビデオを撮っていて感想を聞かれたので、素直に「感動しています」と答えた。
小一時間ほど分娩室にいて娘の顔を見たり妻と話したりした後、退室した。コロナ禍の影響でずっといることができないのだ。家への帰り道、そのまま帰る気にならなくて自転車を押して歩くことにした。30分ほどの道のりをぼんやりと、でもどこか興奮した状態でただ歩いていた。
産後、妻は4日間入院しその間も面会はできなかった。コロナでなければ同室で寝ることも出来たのだが…。退院時は義父に車を出してもらい、妻の実家へ向かった。それから2週間ほど妻は実家で暮らし、僕は何度か泊まらせてもらった。つい先週末、ようやく二人で暮らしているマンションに戻ってきた。ここからが僕の子育てのスタート。
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