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#75_【視察】廃墟景観シンポジウムvol.2

対馬でライター 仕事をする中で、避けて通れないテーマの1つに「文化財」(天然記念物を含む)があります。
しかし、生き物にも歴史にも大して興味がなかった私にとり、最初はかなりの苦行でした。市教委文化財課や長崎県対馬歴史民俗資料館(現:長崎県対馬歴史研究センター)、環境省対馬野生生物保護センター(やまねこセンター)の方々が、無学の私に対しても根気よく解説くださるおかげで、どうにかやれておりますf^_^;)。

そんな感じに取材を積み重ねていく中で、対馬にある文化財は何がすごいのか少しずつ理解できるようになり、興味も湧きはじめましたが、それ以上に保全管理している現場の裏側に興味を持つようにもなりましたf^_^;)。 例えば、保護をするための法制度の仕組みや、対処方法の決め方など。


そんな興味と重なるのか、行くまでは知る由もなかったですが、昨年11月に神戸で開催された「廃墟景観シンポジウム」に参加しました。

廃墟分野においては新参者の私ですが、廃墟(旧摩耶観光ホテル)を文化財登録しようとするプロセスについて、廃墟マニア、観光事業者、警察、消防、近隣住民、所有者など様々な立場の方からお話を伺ううちに、文化財行政の考え方を根底からひっくり返すような内容だと感じ、大変衝撃的で画期的な取り組みに思いました。今年はクロム鉱石を産出していた若松鉱山のある鳥取県日南町を舞台に行うというお誘いをいただき、今回も行ってきました。

【若松鉱山跡】
【クロム鉱石。】

最近軍艦島や池島に行く機会はあったものの、私の身近に鉱山はなかったので知らないことだらけでした。一般的に廃鉱山は、機材類が撤去され、階段状のもぬけの殻になっているそうですが、若松鉱山には機材が沢山残っており、稼働当時の様子を紐解きやすいという話がありました。
このあたりは、砲台跡も同様で、終戦を迎えたあと、鉄の多くは盗まれたのか、売りに出されたのか、ともかく引き剥がされて跡形も残っていないことがほとんどです。

シンポジウムの中では、様々なトークセッションが行われました。
ある方が「廃墟は、モノが多いほうが妄想を生む」とおっしゃっていましたが、逆説的で面白い言葉だと感じました。
そして、別の方からは「廃墟という言葉は都合がいい。お金があれば残してもいいし、使われていないから魅力があるし、朽ちるに任せるのもいい。色々な可能性や未来がある」という発言もありましたが、廃墟は現在の価値観で捉えると不要なモノかもしれませんが、はじめから不要なモノを作る人などいませんので、作ろうとした思惑について想像を巡らせたり、当初の思惑と行き着いた結果とのギャップを見比べてみるのも面白いと思います。

余談ですが、地元のTV局などにも紹介されました(^_^)b。

そんな話を聞いて廃墟に興味が湧いてきましたか?(o゚▽゚)o

シンポジウムに合わせて、特別に若松鉱山跡を見学させていただきましたので、次回の記事でその時の様子をアップしたいと思います。

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