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空虚と無秩序


歳下彼氏の君とは
くっついたり離れたりしている
それは
心。のこと


グッと近くに感じる時もあれば
姿がみえない、くらいに
遠くに感じられることもある


それらの
詳細で繊細な心の機微を
わたしは彼に伝えることができない


彼とは
デートが2度流れた
どちらも
デート前にラインで喧嘩になった


喧嘩になる前までの2人は
本当に本当に仲が良く
読み返したら赤面する、
或いは
アホか、と思うくらいに
彼の愛情表現はあからさまで真っ直ぐな
愛の言葉の羅列なので
これまでこんなに毎日毎日
こんなにもたくさんの
キラキラとした愛の言葉たちを
受け取った経験は無い
わたしはその言葉達に酔っていた
半ば
泥酔状態であったと思う


そんな中で起こる
喧嘩
ー喧嘩、では無いのかもしれない
2人の気持ちの相違、と言ったほうが
しっくりとくるんだけれどもー

それまでの夢の中で泥酔しているような
Highな恋のテンションを
一気に下げる


そうしてその
大きすぎるギャップに
わたしは2度やられた


その、どちらの行き違いの後にも
彼は
デートをキャンセルしよう、と言い
わたしはその提案に打ちのめされるんだけれども
NOとは言えず
ー言えないオーラを彼が出すのだー


けれどもその後に
連絡を寄越すのはいつも彼の方で
そしてまた
私たちは繋がり
結果
この間の土曜日、
急に彼は
自分の夜勤前に
仕事帰りのわたしに会いに
出向いてきて


それで私たちは
薄暗いソファに座って
バカになったみたいに
キスを繰り返した


そしてその二日後に
この間の
お籠りデートになった私たちだった


その後私たちは
憑物が落ちたようになっていて
お互いに
ほとんど連絡を取り合っていない


あの
夥しい数の
愛の言葉は失せ
会ったことも
抱き合ったことも
出会ったことも
携帯の中に残っている
愛の言葉たちさえもが
幻だったのではと思えてしまう


二つの喧嘩の話を
その後
私たちは一度もしていない


いや、
この間
ベッドに座って
彼からのキスを受けている時に彼が
「へそ曲げてごめん」と言った
「俺はへそ曲げるけど
時間が経ったら、元に戻るんだ」と


わたしは
彼の首っ玉に抱きついたままで
尋ねた


「今は?
あなたのおへそは曲がっていないの?」と


彼は
「うん
曲がってないよ」
「ごめんね」と言った


あんなに濃い時間を過ごしても。


その時間が過ぎたらもう
過ぎた時間は
過去の記憶の断片になってしまう
埋もれてしまう


この
空虚はどこから来るのだろう


わたしは
彼からの連絡が無い時には
他からの連絡が来るので
それに応えていて
明後日の火曜と
18日
それぞれ別の方に会う約束をしている


1人の人を。
大切に。
丁寧に。
慈しんで
恋することが
わたしには
難しくなってしまったのだろうか、
と感じる


それは
私自身の問題なのか?
若い彼らの受容力の問題なのか?
そもそも
そんなに単純に安易に
短い時間で

など
育つ訳は無い
という
大前提に帰依するものなのか


恋の渦中に在るわたしには
到底、今
冷静な判断などはできない


恋はやっぱり、
切ないことが多い
切なさしか無いのかもしれない、

と思う
なのになぜ
わたしはそれを求めるのだろうね


空虚と無秩序
恋の真髄は
それだけのように思えるのに


空虚と無秩序
恋などは
ただそれだけのことだ

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