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5. Bra 101 ブラジャーの基礎構造

本日はブラジャーの基礎構造について。

もちろん知らなくてもブラジャーは着れますし、覚える必要はありません。ただ、もし着用するブラジャーに違和感があったりする場合に、どのパーツがどんな役割を担っているか知ることで、より着心地の良いブラジャーを見つけられるかと思いますので、ご紹介させていただきます。

ブラジャーは細かいパーツを一つ一つ、手作りで繋ぎ合わせた衣類。複雑に複数のパーツから構成されており、また、ブランドによって呼び方が違うので混乱される方も多いのではないでしょうか。ご紹介する用語は、良く使用されているかな?という物です。実際購入される場合は、各ブランドにご確認いただければと思います。

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カップ

乳房を包むこむパーツのこと。さまざまな素材や形、面積があります。皆さんが一番最初に思い浮かべるブラジャーは、ここが2つのセクションに分かれていますが、スポーツブラやルームブラなど、1つに繋がっている場合もあります。カップは、ノンパッテッド、パッテッド*、パッドあり**のタイプがあり、また、シーム(縫い目)があるものとないものがあります。

ノンパッテッド、インポート下着に多い、1枚レースのカップを日本で指す場合に多く使用される言葉です。英語ではunlined(裏地なし)といいます。

パッテッド*は、便利上パッテッドと書かせていただきましたが、日本のパッドの印象とは異なり、英語でいうところのlined(裏地あり)で日本のほとんどすべての下着が裏地ありのlinedのブラジャーです。

裏地ありの物の方が生地が分厚いですので、バストトップ(乳首)は服に響かないですし、胸の形をブラジャーに沿って作りやすくなります。

パッドあり**は、皆さんが良く知っているブラジャーに付属されているパッドがついたもの。最近ではパッド一体型のブラジャーも出てきました。パッドありのブラジャーは、一般的にパッテッド*ブラ以上に胸の造形をしやすいのが特徴です。

土台(フロント、サイド、バック)

ここがブラジャーにおいて一番重要な場所。カップを支えて、バストを持ち上げて安定させます。この土台はバストを支える80%の役割を担っていると言われています(つまりストラップは添える程度の役割しかしないはず)。

土台は、フロント(カップをつなげる)、サイド(カップの横の面積)、バック(背中に回るホックがついている部分)で作られていることが多く、素材や伸度により、胸の造形度や着心地に違いが出てきます。

ストラップ

ストラップは、土台とカップを持ち上げて、肩でバストを安定させるもの。ストラップレスやバンドゥータイプには、ストラップがついてきません。前から後ろに肩にくるっと回るのがスタンダードですが、ホルタータイプやクロスタイプなど、さまざまな形がありますし、最近ではオープンバックの服に合わせてデザイン性があるものも出てきています。

ストラップのバストを支える力は全体の20%なので、ここですべてを支えている訳ではありません。

後ろのアタッチメントがストレートタイプとUタイプがあり、Uタイプの方がずれにくいので、グラマーサイズや肩幅が狭い方におすすめな形と言えます。

ワイヤー

ブラジャーの補正機能を高めるもの。通常は金属製のワイヤーが多いですが、プラスティックのものや樹脂のものがあります。大きいサイズになればなるほど、しっかりしたものが使用されている傾向があります。

ワイヤーが登場したのは1930年代ごろと言われています。アメリカでは、戦時中にブラジャーのワイヤーの金属を軍隊に提供するため、一時期ワイヤーありのブラジャーが市場からなくなったという文献が残されています。戦争が終わってから、ワイヤー入りのブラジャーがカムバックしたのです。

ワイヤーは乳房の下のラインに沿って、胸を下からすくうようにサポートします。胸がどの方向にいくべきか、どの形になるべきか指示を出すような役割をしています。そのため、丸みを帯びたリフトされたような胸の形ができるのです。

今は空前のノンワイヤーブームですね。ノンワイヤーと言っても、金属のワイヤーの機能が全くないもの、ワイヤーの代わりに樹脂のプレートを入れているもの、などなど、一言で括れないほどさまざまなタイプがあります。

本来、ワイヤーが入っていても食い込んだり苦しくなったりしないように、ブラジャーは作られています。ノンワイヤーがトレンドになっている理由としては、苦しくないから、という理由が多いかと思いますが、意外とワイヤー部分だけでなく、カップや土台の強さにもよりますので、皆さんに合った着心地の良いブラジャーを探してもらえればと思います。

縫い目

カップの部分に縫い目があるもの(seam)とないもの(seamless)のブラジャーが存在します。縫い目があるか、ないかで、服の着こなし感やカップのフィット感が変わってきます。

縫い目のないブラジャーとして、代表的なのがモールドカップのブラジャー。日本ではまだあまり見かけませんが、アメリカやイギリス、韓国、中国などは日本よりもモールドカップが浸透しています。カップが1枚のフォームでできていて、それが直接土台やストラップと繋がっているもので、良くTシャツブラにこれが使用されています。

表面がツルッとしているので、Tシャツをきても響かないのが特徴です。ただ、モールドを作る機械や素材の関係で、大きいサイズはあまり存在しません。また、レースやデザインなど施すのが難しいため、シンプルなデザインのものが多いですね。

縫い目のあるブラジャーは、良く目にするブラジャーです。上記のイラストも縫い目があるものを想定していますね。縫い目も、縦に入っていたり、横に入っていたり、斜めに入っていたり、入り方によって、機能も少しずつ変わります。こちらについては、ブラジャーの種類と合わせてまた後日ご紹介いたします。

縫い目のあるブラジャーの方が、胸を3Dに造形することができるため、胸にフィットしやすいと言われています。ただ、パッドが入っていたり、裏地が分厚いと胸に沿って布地が動かないため、フィット感が落ちることがあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。意外と知らないことも多いのかも。そして、あ、だからあのブラジャー合わなかったのかな?だからあのブラジャーは着心地がよかったのかな?など少しヒントになれば嬉しいです。

誰一人として、同じ体はありません。だからこそ、その個性は特別で、素敵なものです。ブラジャーをつける、つけない、スポーツブラで代用する、パッド付きキャミソールをつける。さまざまな形があると思います。

自分にとって着心地が良く、自分に自信が持てる下着と出会えますように。

(Source: IN INTIMATE DETAIL, Corn Hurrington, 2018 HarperCollinsPublishers)

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