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VINAIOTA|ラ カラブレッタ ロザート 2019 #ある日のワインのスナップショット

自然栽培の八百屋 ポム・ド・テールも
自然派ワイン輸入の be a good friend も

その拠点は茨城県つくば市。

様々なご縁もありこの場所を選んだのは、ここには美味しいものを心から愛するコミュニティがあったから。

「美味しい」の形にも様々な形があると思いますが、中でもつくばでは、素材のシンプルな味わいが素直に感じられ、その美味しさの源泉が、豊かな自然環境に由来するものと多く出会うことができます。

ワインの世界で言うと、長年様々な常識と戦い、日本における自然派ワイン(とは彼らは呼ばないでしょうが)、その文化の礎の一端を築いてきた輸入元ヴィナイオータさんの存在は大きいです。

ご近所のよしみもあって、ポム・ド・テールで販売している「季節のおすすめ果実酒&野菜BOX」には、自社で輸入したワインだけでなく、ヴィナイオータさんのワインも登場します。

今日はそんなワインのご紹介。

伝統とはすなわち家族の歴史のこと

ワイナリー:La Calabretta / ラ カラブレッタ
造り手:Massimiliano Calabretta / マッシミリアーノ カラブレッタ

ワインに関して語られる時に「自然な〜」「伝統的な〜」といった形容詞を見ない日はありません。私も売り手として、そのワインの良さを端的に伝えようと思う時に、どういう言葉を用いて伝えていけば良いのか、日々悩んでおります。

そんなよく登場する形容詞である「伝統的な」ですが、イタリアのそれは、非常にディープな重みを感じることがあります。もちろん他の国でも伝統的なと表現するのにふさわしい歴史を感じさせるものはあるのですが、イタリアに目を向けた場合は、それが家族の歴史とシンクロしていたりするのでよりディープに感じます。

今日ご紹介するラ カラブレッタは、イタリア シチリア島のワイン生産者で、4世代・100年以上にわたってブドウを栽培し、ワイン造りを行ってきた家族です。

四国よりも大きく、九州よりは小さいというシチリア島の自然環境的特徴は、地中海の中央部に位置することから夏は暑く乾燥し、冬は穏やかで雨も少し降るという地中海性気候であること。アフリカにもほど近くサハラ砂漠を起源とするシロッコと呼ばれる強い季節風が吹きつけるのもシチリア島ならではの特徴です。

もうひとつの特徴は、何と言っても活火山であるエトナ山です。元々山がちなチリア島にあって標高3,326mのエトナ山は、圧倒的な存在感と地質的特徴を誇ります。

ラ カラブレッタは、そんなエトナ山の北側の斜面に畑を持ち、何千年もの火山の営みが生み出した特徴的な土壌から、この土地でしか生まれないワインを生み出しています。

恵まれた自然環境を活かして有機栽培を実践し、セラーにおいても自然酵母の力のみで発酵させたワインを手掛けるラ カラブレッタですが、そのスタイルは曽祖父の時代からこの土地に根ざしたワイン造りを真摯に踏襲してる「伝統的な」もので、それは同時に「家族の歴史への誇り」であるように感じます。

ラ カラブレッタの栽培するブドウは高樹齢のものも多く、またそのことは当然シチリア島に根ざした伝統品種が多く植わっていることを意味します。

時間が過ぎるのがどんどんと速くなっていると感じる現代社会の中で、農に通じた暮らしや産物は、非常にゆっくりとしたスピードで流れていきます。このギャップが、本当に価値のある伝統に触れて、自分たちの価値観を見直すきっかけになるような気がします。

私たちにとってラ カラブレッタのワインはそういう存在です。素朴ながらもいつもホッとさせてくれる安心感があるような味わいに、遠くシチリアの気候風土に思いを馳せさてくれます。

エトナ火山のエネルギーを運んでくれるワイン

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ワイン:ロザート
ヴィンテージ:2019
タイプ:ロゼ
産地:イタリア シチリア州
品種:ネレッロ マスカレーゼ

なぜか格下のように思われてしまうことが多いロゼワイン。日本では赤でも白でもないどっちつかずのイメージで、どういうシチュエーションで飲んで良いか分からないというようなことが影響していると感じます。

一方ワインの本場欧州では、暑い夏にグビグビ飲むものと思っている方も多いようで、ロゼワインの品質を真剣に語っている姿を見ることが少ないように感じます。

そういうシャバい、チャラいロゼワインのイメージとは、全くもって違うのがラ カラブレッタのロザート(=ロゼワインのこと)です。

生き生きとしたフルーツの香りと、香水のような華やかさ、口に含むと厚みのある果実味とたっぷりと甘みを感じ、貧弱な感じは全くありません。色調もかなり濃いロゼ色で、特に先入観なく飲むと、軽めの赤ワインとの区別はつかないような気がします。

これくらい濃密なロゼワインというのは、日本の食卓では万能選手で、たっぷりの野菜を地中海風に味付けした料理から、魚介料理、肉料理となんだって合わせられます。ポイントは、油をオリーブオイルなど植物性のものを使うこと。

造り手もこのロザートは「農家のワイン」だと言い、太陽を目一杯浴びて、身体を動かした1日の終わりにまずこのワインを口にしたいと思います。

おわりに

be a good friend は、ヨーロッパを中心に自然派ワインを輸入し、造り手の想いに共感してくださる全国のワインショップさんなどに販売するワインインポーターです。

また自然派ワインの部門とは別に、国内の自然栽培の農家さんのお野菜を全国の飲食店さんや、個人の方にインターネット販売を行う八百屋部門のポム・ド・テールも活動中。


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