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箸休め7-青天の霹靂。Be、遂に『YOME-YOME』 Vol.10 を褒める

「妊活が教えてくれたこと」という副題が冠された『YOME-YOME』のvol.10が送られてきた。2022年12月号である。
(※文末に全文を掲載しています)
読んだ感想を率直に言う。非常に良かった。手放しで褒めたいと思う。
「不妊」「不妊治療」「妊活」に関するセンシティブなテーマを扱っているので、編集には慎重を期したであろうと思うが、その中で当事者の声を過不足なく上手く拾っていると感じた。
上から目線のようで申し訳ないが(今更言うか?w)これまでに発行された『YOME-YOME』の中では出色の出来だと思う。
そう感じた一番の理由は、今回掲載された不妊に悩み苦しむ当事者の声に、編集部の独善的なベクトルを感じなかったからである。
また「女は台」「道の台」という言葉を過剰に意識した独特の見解や、今どき珍しいジェンダー平等に対しての無神経な記述。あるいは、この冊子につきまとっていた無自覚な女性軽視の視線を感じることも無かった。
「不妊」と「不妊治療」「妊活」に関して、または当事者の告白に対して、編集部が論評や独善的な教理解釈を加えなかったことが功を奏したと言えよう。
それを自発的に避けたのか、あるいは出来なかったのかは分からないが、結果オーライでいいではないか。

天理教の教会の後継者夫人は、次代へ繋ぐ子を産むことを暗黙の内に義務づけられている。(と私は感じている)
長く子供を授からない場合、義父母や信者さんたちから何も言われずとも、後継者夫人は自らプレッシャーを抱えてしまっているのが現実だと思う。
これは教会が世襲を原則としてきた歴史の産物だと思う。
縦の伝道という言葉も、望んでも「後継者を産み育てる」ことが叶わない方には無言の圧力となる。

今回の『YOME-YOME』は長年不妊に悩む私の娘にも読ませたいと思う。
この記事が不妊に悩み苦しむご夫婦の心を安らげる一助となることを祈りたいと思う。そして不妊治療が女性にとって如何に大変かということを世の男性(あるいは女性)に知らしめるきっかけになることと同時に、周囲からの「子供はまだできないの?」などの悪意無き言葉の刃が、時として相手の心を切り刻むということの気付きになることを願ってやまない。

読み手によって様々な意見はあろうかと思うが、この非常に扱い方の難しい問題を記事にした姿勢を、私は高く評価したいと思う。
私は批判ばかりしている自分の性格の悪さを自覚している。
読者には意外かも知れないが、そんな私も評価すべき時は、ちゃんと評価するのだよ。
では、またいずれ。

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