得意なことと好きなことについて ①得意なことの定義

生き方について考えたことについてこれまでは人に話すだけでしたが、書き留めておかないと流れて行ってしまうのでここに残すことにしました。

まずは仕事を選ぶときとかに役立つ「得意なこと」についてです。私は基本的に選べるときは「得意なこと」あるいは「好きなこと」を選んで仕事をするようにしているので、その基準は何かということを考えてみた内容です。

私がいつも考えている「得意なこと」の定義は以下のすべてを満たすことのようです。

1.その能力が所属しているグループ中(人類、国、会社、家族など)で少なくとも平均より上である。グループ内で1位が望ましい。
2.その能力を発揮することで、所属しているグループの生産性を向上することができる。
3.その能力を発揮することで所属しているグループの外部からの評価が上がる。

ここで重要なのが、グループの中で、というところです。当然得意を突き詰めれば世界で一番じゃないといけない、となりますが(「2位じゃいけないんですか」というのは、競争する相手が世界だったから1位でないといけないという前提をはき違えていました)。実はすべての競争で全世界で一位と競うのが得意、ということではなく、人間社会は狭いので、会社のなかで一番、とか家族の中で一番というのが得意ということになることが多いです。新しいパソコンを買ったときに親に使い方を教えるのは、それが「得意」だからです。また、会社内の一番が表彰されるのは、社外から世界一をとってくるのは現実的に非常に難しいからです。

当然外部のより「得意なひと」として、パソコン屋のサポートを呼んだり、優秀なGoogleのエンジニアを引き抜くという決断はあります。ですが、そういった「グループの外」の優秀な人を引っ張ってくるのは資金力や決断力が必要です。ここで「得意」の2番目の基準が効いてきて、その能力を発揮することで生産性が上がるという必要が出てきます。もし平均より得意で、あなたにしか頼む人がいないけど、あなたの人件費を払うくらいだったら外に頼んだ方が良い、という状況になったら、当然外部の人間を何らかの手段で引っ張ってきます。引っ張ってこられた瞬間、定義1のグループの中で上位であるという前提が崩れて、あなたが「得意なひと」ではなくなります。家族の中で一番得意でも、パソコンのメーカーサポートが来たときに途端にお任せになる、ということはあると思います。


三つ目は家族など、営利が絡まないグループの場合は不要です。しかしながら、対象となるグループが営利組織である場合、あるいは得意なことでお金を稼いだり、外部から便益を得たりするときはとても重要な定義です。営利組織の中で「得意なこと」を見つけるのは人生において役立つことが多いと思うので定義の中に含めました。この3番目の定義「能力を発揮することでグループの外部からの評価が上がる」、というのはその能力を発揮することでお金が稼げたり、評判が上がったりするということです。当然会社などの営利組織においてはこの3つ目も満たさない限り、「得意なこと」とはみなされないです。ちなみに営利組織ではない家庭などでは、この3つ目をみたすことで近所から仕事を頼まれる等の近所づきあいの円滑化につながっていく能力になります。

以上、得意なことの定義についてです。このレベルの「得意なこと」が10も20もある人がいたら天才だと思います。金儲けの計画を立てるのが得意なら社長になりますし、勉強が得意なら良い大学に入ります。事務処理が得意なら事務員でしょうし、皆が得意なことをして生きるのは良い社会の要件の一つにもなりそうです。


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