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問題は無知ではない。行動しないこと。モハンマド・エル=クルド国連演説

11月29日は国連が定めた「パレスチナ人民連帯国際デー」。この日、エルサレムのシェイク・ジャッラ―地区出身のパレスチナ人、モハンマド・エル=クルド(Mohammed El-Kurd)さんが国連でスピーチを行った。シェイク・ジャッラ―の自宅を守るため、パレスチナの大義のため、イスラエル当局の不当な弾圧に声を上げ続けるモハンマドさんは、双子の妹モナさんと共に2021年のタイム・マガジンに「世界で最も影響力のある100人」に選ばれている。

以下、モハンマドさんのパワフルなスピーチを全訳でお届けする。オリジナルのビデオ映像(英語)はこちら

「 私はイスラエルの司法システムを信用していません。それは入植者による、入植者のための入植型植民地国家の一部です。また、イスラエルの植民地事業と深い共犯関係にある世界中の政府が、私たちのために何かしてくれるとは期待していません。でも、私は世界中の人々、イスラエルの政策と民族浄化を事実上無条件に支持する各国政府に対し、抗議し圧力をかける市民を信用しています。

(イスラエルが)罰せられないことや戦争犯罪は、反対声明や眉をひそめることで止まりません。ツイートや遺憾表明によっても止まることはありません。変革を起こす政治的手段として何をすればよいか、私たちは繰り返しはっきりと伝えて来ました。ボイコットと国レベルでの制裁です。そして問題はまたもや、無知ではありません。行動しないことです。

米国は、イスラエルに批判的な国連安全保障理事会決議に対し、拒否権を53回以上行使しました。実のところ、米国が(国連で)拒否権を行使したうち半分以上は、イスラエルを支持するための投票でした。私たちはいつまでイスラエルの占領に対する罪を問わずにいるのでしょうか。交渉は平和をもたらしません。(イスラエルに)責任を取らせることが平和をもたらします。

いま私たちが、歴史上の最も酷い非人道的な残虐行為について思いを馳せる時、はっきりとした倫理観に基づいてそれを捉えます。倫理的にあまりに明確すぎて忘れがちですが、残虐行為が行われていた時、これらの行為は完全に合法でした。完全に合法だっただけでなく、かつてそれらの行為が行われていた時、すべては物議をかもし、論争となり、「複雑すぎる」とされました。(当時の)人々は、私たちが今(パレスチナ問題に対して)そうしているように、中立的な言い回しを使いました。

もし私たちがその時代にいたら、みんな歴史の正しい側にいたことでしょう。そして私たちは今日、歴史の正しい側に立つチャンスがあるのです。

みなさん、勇気を持ってください。パレスチナ問題は、自由なパレスチナ抜きに解決できません。占領が終わることは目に見えています。すべての不正義がそうだったように、これも終わります。終わらなければなりません。すべての帝国は滅びます。パレスチナの大義は勝利に湧くことが、私には分かっています。人々は非常にクリアな倫理観で、私たちが今生きている現実を振り返ると分かっています。

いつか、私たちに敬意を払う博物館やパレスチナ人を偲ぶメモリアルができ、私たちの名前で像が建つでしょう。人々は私たちの土地に立ち、かつてそこで起こった苦難を認識するでしょう。そのような認識、償い、補償が行われるまで、パレスチナ人がまだそこにいることを願うばかりです。私たちが生きているうちに、正義と解放がもたらされるべきです。私たちの土地は返還されるべきなのです。ありがとうございました。」

(Simsim)


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