用語集: 「オープンクローズ戦略」

今回は「オープンクローズ戦略」についてみていきましょう。

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「オープンクローズ戦略」: 自社の技術やノウハウの一部をオープン化することでイノベーションを創出し、同時に自社の強みを核としたクローズドな領域を守ることで競争優位性を維持する、経営戦略です。

この戦略は、オープンイノベーションとクローズドイノベーションの両方のメリットを享受することを目指しており、近年多くの企業で注目されています。

オープンクローズ戦略の具体例

オープンクローズ戦略は、様々な業種や企業で活用されています。以下、具体的な例をいくつかご紹介します。

  • Android:Googleは、スマートフォン向けオペレーティングシステム「Android」をオープンソース化することで、世界中の開発者から積極的な参画を促し、Androidの普及と進化を促進しました。一方、Androidの核となる技術は独自に保持することで、競争優位性を維持しています。

  • LEGO:LEGOは、ブロック玩具の接続方法をオープン化することで、ユーザーによる自由な創作活動を可能にし、LEGO製品の遊びの幅を広げました。一方、ブロック玩具の製造技術や金型などは独自に保持することで、模倣品対策を行っています。

  • トヨタ自動車:トヨタ自動車は、ハイブリッド車の技術をライセンス供与することで、他社のハイブリッド車開発を促進し、ハイブリッド車の普及に貢献しました。一方、燃料電池車の技術などは独自に開発することで、競争優位性を維持しています。

オープンクローズ戦略のメリット

オープンクローズ戦略には、以下のようなメリットがあります。

  • イノベーションの創出:オープン化することで、世界中のアイデアや技術を取り入れることができ、イノベーションの創出を促進することができます。

  • 開発コストの削減:オープン化することで、開発コストを削減することができます。

  • 市場の拡大:オープン化することで、市場を拡大することができます。

  • 人材獲得:オープン化することで、優秀な人材を獲得することができます。

  • リスクの分散:オープン化することで、リスクを分散することができます。

オープンクローズ戦略のデメリット

オープンクローズ戦略には、以下のようなデメリットもあります。

  • 技術流出のリスク:オープン化することで、技術が流出するリスクがあります。

  • 模倣品の登場:オープン化することで、模倣品が登場するリスクがあります。

  • ブランドイメージの毀損:オープン化することで、ブランドイメージが毀損するリスクがあります。

  • ガバナンス:オープン化されたコミュニティを適切に運営するガバナンスが必要となります。

オープンクローズ戦略の成功事例

オープンクローズ戦略を成功させている企業は数多く存在します。以下、代表的な成功事例をいくつかご紹介します。

  • Red Hat:オープンソースソフトウェアの企業Red Hatは、オープンソースソフトウェアのコミュニティを積極的に支援することで、自社のビジネスを成長させてきました。

  • GitHub:オープンソースソフトウェアの共有・開発プラットフォームGitHubは、オープンソースソフトウェア開発の活性化に大きく貢献し、大きな成功を収めています。

  • Airbnb:民泊の空き部屋を貸し出す人と旅行者をマッチングさせるプラットフォームAirbnbは、オープンなプラットフォームを構築することで、急成長を遂げました。

オープンクローズ戦略は、企業が競争優位性を維持しながら、イノベーションを起こしていくための有効な戦略です。しかし、成功するためには、オープン化とクローズド化のバランスをうまく取ることが重要です。

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