社員A 個人ヘッジファンド編♯92: 「クロス取引」
今回は「クロス取引」について見て行きましょう。
「クロス取引」: 同一銘柄に対して同じ株数、同じ値段での買い注文と売り注文を同時に発注して、約定させることです。株式市場において、同一銘柄の買い注文と売り注文が同時に約定するケースはほとんどありませんが、クロス取引では、証券会社が買い注文の相手方となり、売り注文を同時に発注することで、約定を成立させます。
論理的には、寄り付き時に発注すれば同じ値段で売り買いができるはずせす。 普通の時間では、できにくい気もします。
クロス取引は、主に株主優待の取得を目的として利用されます。株主優待は、株主に配当金とは別に、商品券や割引券などの金銭的価値のあるものを贈る制度です。株主優待を取得するためには、権利付最終日までにその銘柄の株主になっている必要があります。クロス取引を利用することで、権利付最終日までに株を買い付け、株主優待を取得することができます。
クロス取引を行うには、証券会社に口座を開設し、信用取引口座も開設する必要があります。信用取引口座を開設することで、証券会社から株を借りて売却することができます。クロス取引では、権利付最終日までに買い注文を約定し、信用取引で売却した株を権利落ち日以降に現渡しで決済することで、株主優待を取得することができます。
単純明快にすると基本3つの目的
1.株主優待のため(優待タダ乗り(実際は手数料が発生)
2.節税の為(損失だし、実は利益だしもあり)
3.信用取引の返済期日に伴う乗り換え
で、主に使われているのが一番目ということでしょうか。