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アナリスト林 直也さんに聞く      現業につながるBranCo!の「学び」とは?


BranCo!の卒業生で現在各界で活躍されている方々に、BranCo!での学びや現在のキャリアについて伺う連載企画「After BranCo!」

第3弾は現在はSEEDER株式会社でアナリストとして活躍する林 直也さんにお話を伺いました!林さんはBranCo!2016(テーマ「学び」)に参加されていました。今回は学生スタッフの石川と社員の岩佐が、BranCo!の現在につながる「学び」について林さんに直撃しました!

BranCo!出場当時の林さんとそのチームメンバー

BranCo!に参加して自身の視点をチームに還元


ー林さんは現在、どのようなお仕事をされているのですか?
現在はSEEDER株式会社で、チーフ・アナリストとして働いています。主な仕事は、未来洞察市場調査商品開発などのリサーチ、およびコンサルティング業務ですね。
2020年からはニューヨークに拠点を移しまして、日本国内だけでなく欧米地域における生活者調査などを実施することも多いです。

ーどのような経緯でBranCo!に出場したのですか?
大学院生の時の友達に誘われて、出場することになりました。ガッツリ参加するというよりも、その時すでに博報堂ブランド・イノベーションデザイン出身者が立ち上げた組織でインターンをしていたので、僕がそこで学んだ知見を共有することで、チームメンバーに対して役に立てるかもしれないな、といった感じでした。

ーそうなんですね!当時のメンバーとは今も関わりはありますか?
あります。BranCo!が終わってからもLINEグループが残っていて、みんなでたまにご飯を食べに行くこともありますし、一泊二日でキャンプにいったりもしました。といっても一年に一回みたいな頻度ですが、なんだかんだ付かず離れずのゆるい関係が続いていますね。
みんな研究室が違うメンバーの集まりだったのですが、BranCo!みたいに短期間で同じ目標に向けて取り組む経験を通じて、仲が深まったような気もしますし一緒に振り返ることのできる思い出がつくれたのもよかったですね。

林さんのチームメンバー。とても仲が良さそうですね!

発想は漫画の師弟関係から - プレゼンの”てこ”としてのインプット


ー当時はどのようなプレゼンを作り上げたのですか?
当時のテーマが「学び」でした。そこでインプットとして、学びの本質が凝縮されているであろう「師弟関係」に着目をしました。そして師弟関係がこれでもかという形で鮮やかに描かれている漫画の世界の分析をすることにしました。たしか漫画「NARUTO」のナルトとカカシ先生の師弟関係に着目をしたのだったと思います。弟子が師匠から何をどう学んでるか、みたいなことを一つの切り口にしました。
誰もが知っているコンテンツでしたし、インプットの目の付け所として他のチームとは違ってインパクトもあったので、プレゼン中に会場から笑いが起きた記憶があります。みんな漫画のストーリーもキャラクターも知っているので、感情移入しながら面白そうに聞いてくれましたね。

ーとても面白そうですね!BranCo!出場当時、林さんはチーム内でどのような役割を担当されていましたか?
僕は少し遅れてチームに合流したので、ゼロからアイデアを考えたりするよりも、伝え方や見せ方の工夫に力をいれました。チームメンバーが既に議論をしていたアイデアや要素を、いかに効果的に伝えるか、面白がってもらいつつ、いかに説得力あるように響かせるかという点に注力しました。

BranCo!にはリボン思考というフレームがあると思うのですが、インターンとして働く中で、アウトプットの質だけではなく、インプットの質と、それを分析して仮説立案をするプロセス自体のキレみたいなものも重視されることを理解していたので、特にインプットからの仮説立案までのプロセスを、いかにダイナミックにするかというところにフォーカスしました。プロダクト・デザインやエンジニアリングに強みを持つチームメイトがいたのもありますね。そういった事情もあって僕はどちらかというと前半の設計を担当しました。

ーBranCo!で注力した点や、大変だったことはありますか?
やはり具体的なアウトプットに落とす作業が難しかった思い出があります。インプットや分析プロセスの質がいかに重視されようとも、やはり最も重要なのはアウトプットの質になると思うので。でも、そこはやはりチームメイトの力が大きかったと思います。

ー当時のコンテスト結果はいかがでしたか…?
結果は、たしかシルバー(現在の準優勝)でしたね!

ーすごい!まさにBranCo!が大事にする「共創」が功を奏した結果ですね!

準優勝されたときの様子。左から2番目が林さん


腹に訴えかける力


ーBranCo!の学びが現在に活きていると感じることがあれば教えてください。
どんな仕事を進めるときにも、何らかの情報から仮説を導き、それを人に伝わる形に整えて、他者に腹落ちしてもらうことで、最終的にものごとが動く、という過程があると思います。

そして、やはり日々の業務の中で、論理にだけ働きかけて頭では理解されても、結局、新しい行動に繋がらず、ものごとが動かないということが多々あります。データに基づいて意思決定をするというのは当たり前のことですが、相手が自分の話を聞いていてワクワクするような、そんな感性的な部分にも働きかけることが、ものごとを動かしていく上でとても重要だと思います。そして意外にエネルギーが必要なのは、こっちの創意工夫だったりします。

BranCo!では、この腹に訴えかける力があるかどうか、ということを参加者の提案に対する重要な評価軸の1つにしていると思います。BranCo!での経験を思い出すと、今の仕事をする中でも、そうした重要性を改めて認識させられますね。

ーなるほど。BranCo!にはインプット/コンセプト/アウトプットの3つの過程がありますが、このフレームは実際のお仕事でも活用されますか?

はい。インプットがあってアウトプットがあると2ステップで考えがちですが、その真ん中にコンセプトを置く3ステップというのは、仕事でも使える考え方だと思います。
インプットはもっと自由でいいんだ、ということも3ステップの真ん中にコンセプトがあるから成立するのかもしれませんね。インプット・データというと、Excelで整理された統計データみたいな固いイメージがあるかと思いますが、目標達成につながる形でのコンセプトを生みだすことに効果的であれば、極論インプットする情報はなんでもいいのだと思います。実際に、僕たちも「NARUTO」というフィクションを発想の起点にしましたし。

ー確かに、BranCo!のプレゼンで見られるインプットは意外な角度から切り込むものが多いですね!

そうですね。BranCo!のそういう幅広いインプットを受け入れようという態度は、リボンフレームの3ステップが実現しているのかもしれませんね。

ー最後になりますが、BranCo!に出場する学生のみなさんに一言メッセージをお願いします!

ゴールが設定されていれば、解釈次第でどんな情報も経験も有益なインプットになり得ます。林檎が落ちるのをみて重力という法則の存在を思いつくみたいなことですね。
BranCo!は、インプット・コンセプト・アウトプットという3ステップの流れの中で、そういった一連の情報処理のダイナミックさを味わうのに最適な機会だと思います。自分のチームの3ステップの構築はもちろんですが、他のチームの発表にも耳を傾けると楽しいと思います。

ー本日はありがとうございました!


林直也さん
慶應義塾大学メディアデザイン研究科修了。現SEEDERチーフ・アナリスト。国内外の生活者リサーチ、新商品開発および新規事業開発などの業務に幅広く従事。


現在BranCo!では2023/2/11に開催される決勝プレゼンへの一般観覧を募集しています。BranCo!にこれまで参加されていない方でも観覧可能ですので、ぜひお越しください。




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