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誰でも出来る営業ノルマ達成の極意(6)【ヒアリング・顧客ニーズの引き出し方編】

前回の投稿では、営業全般に言えることですが、交渉前の心構えについてお話しました。今回は、実際にお客様と交渉を開始した際の「ヒアリング・顧客ニーズの引き出し方」についてお話したいと思います。

「ヒアリング」

そもそもヒアリングとはどういう意味でしょうか?

ビジネスにおいては、

「相手の話を聞いて情報収集すること」

を意味します。

以前の投稿でもお話しましたが、売込営業の交渉は、お客様の情報をより多く掴んでいるほど有利になります。

なぜなら、情報が多ければ多いほど、お客様の立場に立って物事を考えることができ、自ずとお客様が望むもの・ニーズを引き出すことができるからです。

私は売込営業(金融商品の販売)において、主に以下の情報をヒアリングしておりました。
以前もお話しましたが、事前に分かる情報があればヒアリング時間は大幅に短縮できます。

・年齢

・性別

・家族構成
・職業
・趣味(主な出費)

・金融資産(自社取引分・他社取引分)
・その他資産(不動産など)

・恒常的な収入
直近で何か臨時収入を得ているか(これから何か臨時収入を得る予定があるか)

※ 臨時収入とは、例えば、定期預金・保険の満期金の受取、保険金の受取、退職金の受取、家族からの贈与・相続、株式の売却、不動産の売却など...


最低限ヒアリングする内容は、ざっくりこんな感じでしょうか?


ヒアリングした情報に基づき、大前提としてまず一番に確認しなければならないことがあります。

それは、

「どれくらい余剰資金があるのか」


「金融商品の販売」は、お客様に余剰資金がなければ、この後の話は進みません。
実際、余剰資金がなく断られるケースが大半です。これは誰もがぶち当たる最初の壁です。

だからこそ私は、この壁を乗り越えるために、「臨時収入」があるかどうかに注目しておりました。

一般的に恒常的な収入は、主に生活費に回します。そして、臨時的な収入は、普段はしない大きな買い物・貯蓄・投資等に回す方が多いです。

余剰資金は直接的に聞くのではなく、ヒアリングした情報に基づき、どのくらい金融商品に回せるのか予め仮定します。

例えば、

営業マン「○○様は、毎月の給与を生活費と趣味の釣りに充てられて、賞与を貯蓄と金融商品に回しているのですね。お子様も手を離れて、当面大きな出費も無さそうですね。今回土地を売却して△△円手元に残ったということですが、一部貯蓄に回したとしても□□円ぐらいは金融商品に回せる余裕がありそうですね」

お客様「そうだね、今回の土地の売却金の使い道は考えていなかったけど、普段の生活は給与で何とかなっているし、そのまま預金に置いておいても利息はほとんどつかないし、金融商品に回すのは良いかもね」

と、その反応次第で余剰資金に対するお客様の本音が分かります。

余剰資金が確保できれば、次のステップに進むことができます。

「顧客ニーズの引き出し方」

前回の投稿で、顧客ニーズというのはとても奥が深く、そこを的確に引き出すのはとても難しい、とお話ししました。

その理由はこちらです。

①ニーズは変化するもの

ニーズは身の回りの様々な変化により、変化していくものです。常に最新の顧客情報を収集していくことで、現在のニーズを引き出す必要があります。

②ニーズは顧客自身も気付いていないものがある(潜在ニーズ)

これが奥が深いという一番の理由です。顧客自身も気付いていないニーズ(潜在ニーズ)を引き出してあげられることができれば、新たな需要を生むことができるのです。

実は、「金融商品の販売」の場合、この潜在ニーズを引き出さなければほとんど成約に繋がりません

なぜなら、金融商品に対する知識がないお客様が大半だからです。

金融商品は商品によって目的や効果がまったく違います。専門的な知識が必要となるため、お客様への知識や情報の提供が不可欠となります。

金融商品がお客様に対してどのように役に立つのか、ということをお客様がきちんと理解した上でニーズを引き出すことが重要となります。

例えば、生命保険の相続税対策のお話です。

営業マン「お客様は現在90才でいらっしゃって、お子様が3名いらっしゃるとお聞きしています。不動産もたくさんお持ちと聞いておりますが、相続税の対策は何かされておりますか?」

お客様「私はそういうことに詳しくないので特に何もやっていないですよ」

営業マン「生命保険に加入されると、生命保険の控除がございますので、万が一のことがあった際に、相続税のご負担を減らすことができます。また、保険金の受取人を指定することができますし、手続きは簡単でスピーディーに受け取ることができます。」

お客様「それは知らなかったです。それは子どもに喜ばれるし、入った方が良さそうですね。」

このように、潜在ニーズは、事前の情報収集・ヒアリングだけでは的確に引き出すことはできません。ヒアリング情報に基づきお客様にとって役に立つ知識や情報提供をすることで、お客様自身が知らない・気付いていないニーズを引き出すことが可能になります。


ニーズを引き出すことが出来れば、次はいよいよそのニーズに合った商品の「提案・折衝」です。次回の投稿で書きたいと思います。

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