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03号と04号の間をフラフラ日記 0307-0327

0307

夜「music is music」で牧村さんが「コレクターズの吉田仁プロデュース作には仁くんの音がする」と。ちょうどそのことを考えていたので驚く。プロデュースという目に見えない仕事、作品ができる前に既に行っている批評的な行為を、もっと深く理解したい。

 

 

0308

ついに02号が売り切れた。01号は残りあと3冊のみ。バラバラに買うと高いので、01号と新装版03号のセットでの購入を可能にする。3セットのみ。

 


 またも牧村さんに告知していただいた。お礼のメッセージと共に「music is music」の小里さんの回がとても面白かったと伝える。

 

01.02号の新装版を作るとしたら、少しページ数が少なめなので日記を追加しようと考えている。少しは文章を直したり、書き足したりもしたいので、そうなると「新装増補改訂版」になる。そこまで書くとうるさいので「新装増補版」にしておこう。合本にする案もあったのだが、別々の方がやりやすい。

 

小沢健二の「ウルトラマンゼンブ」の配信が夜10時から。

 

 

0309

久々に森まゆみの本を読んで気が休まる。この人の文章は衒いがなくて、自然で、落ち着きがあって好き。ごく普通の、何の変哲もない文章で、そこを見習いたい。

 

自分の日記を読み返してみると、コロナ禍の前の数か月から「ベレー帽とカメラと引用」を構想している。05号で終るとしたら、ちょうどその頃にコロナ禍も終わりそう。

 

BASEで本を買ったら、郵便局のレターパックで送られてきた。送り主の「様」を二重線で消してある。これまで何か変だなと思いつつも、ずっとレターパックの送り主欄に印刷されている「様」はそのままで送っていたよ……。

 

 

0310

Zineの他に、もう一つ製作できそうなナニがあると思いつく。そう難しくはないので、実現したい。04号のおまけに付けてもいい。さっそく手配して「あの人やあの人に見せたら、きっと面白がってくれるだろうな」と考えて、一人でヘラヘラ、ニヤニヤする。

 

やっと「渋谷系狂騒曲」を手に入れた。「東京人」「ベレー帽とカメラと引用」と、3冊とも持っている人の運気が上がることを祈っております。

 

平成2,3年ごろに「FAKE」があって、令和2,3年ごろに「ベレー帽とカメラと引用」があるので、次の改元の少し後にまた何かが起きるかもしれない。

 

ジブリの雑誌「熱風」が届いた。三浦雅士「スタジオジブリの想像力」は地平線をめぐる考察で、美術、思想、哲学、詩歌、音楽、映画とあちこちに話題が広がり、いつまでも読んでいたいほど。田家秀樹「松本隆の50年」は、あのねのねと裕木奈江。裕木奈江のアルバム「水の精」は単行本化と同時に再発してほしい。

 

 

0311

ナニについて考えているうちに、考察すべきテーマを思いついた。これは過去に誰も精査していないだろうし、書かなければおそらく10年後も20年後も書かれないレベルの思い付きで、手ごたえを感じる。「言われてみればなぜ、この件を誰も書いていなかったのか?」と思われたい。

 

歌詞については「序論-本論-結論」の構成で整った文章を書くのは難しいが、このテーマについては「ごく自然な発端ー考察と整理ー結論ー今後につなげる」と、きれいな構成にできそう。ごく自然に始まって、読者の興味を引っ張りつつ自然に進んで、自然に終わる。そういうあっさりした文章を書きたい。

 

 

0312

文章のタイトルはキャッチー過ぎてもいけないので、少し大人しめに調整する。過度に目立つ、読者を釣るようなタイトルは信用を失う。かといって魅力に乏しい、内容が伝わらないタイトルもどうか。中途半端はなお悪い。

 

 

0313

夜明け前で、真っ暗で、雨が降っているのに、自分は自分の書いた文章に興奮して、立ったり座ったりドキドキしたりしている。

 

 

0314

04号で自分の書く文章は3つに絞って、それ以外に前書き的な部分と、03号の続きになる文章が2つと、あとがきと豆新聞を書けば大体お終いになる。とにかくコンパクトにまとめるよう心掛けないと、また100ページになってしまう。目標は80ページくらい。

 

「ときどきポカをする王子様」は05号に持ち越して、後は年末くらいまでに整理して考えればいいか。

 

 

0315

しおりの新しいタイプを作ってみたら良い出来になった。これなら【しおり増量】タイプを作ってもいい。

 

通常版:しおりが1枚

しおり増量版:しおりが5枚+切り離す前のはがき大のしおりカード(ただしダブりもあるので、お友達を取り換えっこしましょう)

 

ダブりを友達と交換してコンプリートを目指すのだ。昔、怪獣のカードでそういうコレクションをするのが流行って、カードを貼るためのアルバムがあった。

 

村上ポンタ秀一氏と大塚康生氏の訃報。そのニュースの間には親戚の訃報もあった。

 

 

0316

「ぴあミュージックコンプレックス」の「カメラ・トーク」評については一度どこかで触れたい。これは05号のためにとっておく、などと考えていると忘れてしまいそうになる。

 

 「全ての言葉はさよなら」の元になった曲はヒット・パレードの「You Didn't Love Me Then」だと30年ずっと思い続けていたが、EXHIBIT B の「EXPERT FROM A HIPPY OPERA」もあるのだと知った。

 https://www.youtube.com/watch?v=mSKKQ39RJS8



 0319

月刊「Pen」の大瀧詠一特集での松本隆インタビューのタイトルが「『ロンバケ』はなにかのド中心を突いた、そんな作品だと思う。」だったので、「ド中心」なんて言い方をするのかと疑問に思いながら読んでみると、そんなことは言っていなかった。

 

本文では「『ロンバケ』は、なにかの中心を“突いた”んだろうね。僕も、大瀧さんも意図せず、普遍的ななにかを。どストライクでピンポイントの。」と語られている。

 

 

0320

自由意志に関する本は難解なものが多いが、今月出たばかりの光文社新書「未来は決まっており自分の意志など存在しない。 心理学的決定論」は例が豊富で読みやすい。ただし文章が粗雑で、タイトルに句点をつけるセンスはいかにも古くさい。

 

 

0321

Spotifyで大瀧詠一の業績をいつでも聴ける。これは贅沢な話だが、聴くといつも同じ部分に耳を奪われてしまう。たとえば「ペパーミント・ブルー」なら「綺麗」を「きれい」でなく「きれ」、「透明」を「とうめい」でなく「と」と歌う箇所。

 

それにしても生前のアルバムは何らかの「枠」や「囲い」や「額縁」状のものに人物や風景が嵌め込まれているデザインが多い。強固な「形式」や「歴史」や「コンセプト」が楽曲を取り囲んでいる。「ロンバケ」の白も「イーチ・タイム」のグリーンも太すぎる額縁に見えるほど。

 

やっと「普通の人の音楽遍歴」のゴールが見えてきた。この調子で行けば来月の終わりくらいに04号ができそう。

 

 

0322

「天使たちのシーン」に関する文章を書いてくれた人にメールする。

 

テッド・チャンの自由意志に関する短編を読んで、たいへんよく理解できた。しかし、いきなり初心者にこれを勧めてもチンプンカンプンになるだろうという感想を持てる程度には進んだ地点にいる。この差をどうやって埋めるのがよいのか。

 


0323

大島弓子選集が近所の図書館に15冊ほど揃っているのを発見。これは全て目を通しておきたい。

 

 「そしてそっとクイズを出す」と「悪魔が現れるのを待つ」は音声としては対句のように、並列的に耳に入る。しかし意味としては「クイズを出す悪魔」が現れるのを僕が待っているのであって、その意味は通じにくい。人はしばしば歌詞の意味が分からない、理解できないと口にするが、それはまるで歌詞や作詞家が易しい表現をしないのが悪いと言わんばかりである。

 

しかし、あえて意味を前景ではなく後景に持って行きたい場合もあるのではないか。そのような場合、意味はむしろ、引っ込むように精妙にデザインされた上で、あえて通じにくさを与えられている。

 

 

0325

読むべき本が多いのだが、絶対に目を通しておくべきかどうか、となるとそう必要でもない、省略できる本も結構ある。ほどほどで止めないと永久に資料が増えてしまうばかりでまずい。

 


0326

大瀧詠一を聴き直していると、言葉を短く転訛させるような発音が耳につく。自然に聴こえるように歪ませている。「見に行こう」をほとんど「ミニコ」と歌うような。「ごみの山」は「ゴミニャマ」という風に。

 

クリスマスとお正月を結び付けるのも、ポップスの世界ではタブーを破ったと言ってよいくらいの暴挙ではないだろうか。世のほとんどのクリスマスソングでは、クリスマスが宗教色の抜けた、ラブソングのための舞台装置になっている。しかし現実には、クリスマスからほんの数日でお正月気分に推移するという欺瞞に満ちた時間(=年末年始)を一年ごとに繰り返すのだ。そこをコミカルかつ皮肉に歌う。から揚げとカップうどんで飲んで騒ぐクリスマス。

 

04号の目次はほぼできたので、あとは自分で書く分を埋めるだけ。

豆新聞はどうするべきか。FAKE1号の目次がひらがななので、これを詳しく解説してみたい。内容に関しては次号で。

 

 

0327

佐藤雅彦の「ベンチの足」を読んでいたら、「友人」と「奥さん」と、その赤ちゃんの「リーリー」が出てきた。この箇所以外にもあれこれと様々な点が線になって結びつく。「指を置く」と「ウルトラマンゼンブ」の例のあの動きも結びつく。

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