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2022年末日記 1119-1126

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文学フリマ東京の日なので、朝9時頃に家を出て、11時過ぎに流通センターに到着する。正午から一時間ほどで、予定されていた予約分はほぼ終了になったので良かった。


「発言集成」を手に取って見てから購入したいとのことで、わざわざ遠方から来られた方もいらした。会場に来てくれた方は皆ひと言かふた言か、それ以上のお話ができたので、結構助かった。話の中で「あの時にあの場所にいた、あの人は誰だろう?」といった、ぼんやりした謎が解けたりする。


一緒に出店したもげるブックスは「100mをありえないような速さで走る50の方法」(第二集)を「本日販売開始でーす!!」という勢いがあり、やはり売る側としては「新刊です!」「本日から!」と言える方がいいよなと思った。


自分が購入した本はサークル名「強い気持ち・強いしらす」の「教養としてのお笑い評論、 あるいは30年史。」「コントを考える」など。


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久々にN4書房としての予定がガクッと減ったような、ひと山越えたような、急に明日が休日だと知った時のような、のんびりムードになっている。


06号の印刷ができるまでは、「予告編(兼試し読み版)」をネットで販売するくらいしかすることがない。その準備をしたり、他にはレターパックライトを買ってきて住所のハンコを押したり、しおりを作ったり、チラシを印刷したり、そのくらいか。


大岡昇平は大きな仕事が終わると、次の仕事までの合間に「坊っちゃん」を読むのだとどこかで書いていた。確かスピルバーグは新しい映画を撮る前に観直す作品として「七人の侍」「素晴らしき哉、人生!」「アラビアのロレンス」「捜索者」を挙げていた。これらは皆、創作者としての初心と共に、理想も再確認させてくれるような作品という意味だろうか。


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「七人の侍」や「素晴らしき哉、人生!」を観直すことはせず、「冒険野郎マクガイバー」のリメイク「マクガイバー」の第一話を見た。いま話題の「エルピス」も深夜に再放送していたのを見て、最新の話とうまく繋がった。


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「キネマ旬報」のゴダール追悼号を買う。小西さんの文章には、ゴダールの映画音楽集にライナーを書いたとあるが、そのCDを持っていたような、そうでないような、記憶が曖昧ではっきりしない。あれは輸入盤だったのかな~、と悩むが思い出せない。「どこかにあるはず」と思いながらも行方不明になっている本やCDが多い。


「ハイスクール1968」の続編「歳月の鉛」を再読する。四方田犬彦の自伝的な本は、同じ時期を扱った「ハイスクール・ブッキッシュ・ライフ」「先生とわたし」もあるが、「歳月の鉛」の終盤に出てくる卒業論文「空想旅行の修辞学―『ガリヴァー旅行記』論」もある。時間的に「歳月の鉛」の続きはおそらく今年の1月に出た「戒厳」になるはずなので、そっちも読みたくなってきた。面白いのだが、出版社も出版時期もバラバラで、世間一般の人に広くお薦めできるかというとかなり難しい。


「ハイスクール1968」に描かれているような高校生、大学生像というのは、ちょうど自分が小学生の時に頭に描いていた高校生、大学生像と一致する。「フータくん」の表紙になぜか描かれていた学生運動のデモのイメージなど。それがいつのまにか「熱笑‼ 花沢高校」や「めぞん一刻」によって塗り替えられてしまったのであった。


予告編をネットでも販売開始する。


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おそらくドイツ‐日本戦は負けるだろう、よくて引き分けでも有難い、と思っていたので中継は見なかった。しかし、逆転勝ちの2-1というスコアを誰が予想できただろうか。後から見たAbemaの本田佳佑による解説が、解説というよりほとんど「予言」のような精度でピタリピタリと状況分析してくれたのも見事だった。この後の結果がどうなったとしても、本田監督待望論が出てくるレベルではないだろうか。


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そういえば以前、著作権が切れている作家のアンソロジーをN4書房から出したいなあ、と考えて表紙まで作っていたのだった。そう考えていたことを急に思い出した。


チャッピー加藤の「昭和レコード超画文報1000枚」がメチャクチャ面白かった。60-80年代のシングルに100字くらいのコメントを付したカラー写真の多い本で、順番が時代順ではなくランダムなので、どのページを開いても組み合わせに意外性がある。この状態は中古レコード屋で、安い餌箱を漁っている時の感覚と同じではないか。

エマニエル坊やの隣が植木等、おゆきの隣が東京チーク・ガール。しかも中には大竹しのぶー明石家さんまのように、意味のある組み合わせもある。

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世代論の観点から、あれこれの歴史を観直すと意外な発見がある。私の母親は1942年生まれで、誕生日が6月14日なので、同年生まれの有名人を調べてみたら、ポール・マッカートニーが6月18日で、ブライアン・ウィルソンが6月20日!! 何という近さ、というより「同じ星の下に生まれている」と言っても過言ではない。あのポールとあのブライアンと、自分の母親が!

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