統治行為論 Advent Calendar 2021 December 8

 本稿は統治行為論 Advent Calendar 2021 8日目の記事です。
 Twitterに巣食う怪異、「@t0uch1co」にまつわる集まりとのことなので怖くさせた話を執筆させていただきます。

 これは私が悪い高校生の頃の話です。

 まずは私の母校を説明させていただきます。母校は山の中腹に位置し、周囲からは校舎が見えないような背の高い木々に囲まれたクソ立地に存在しておりました。また周囲の鬱蒼とした木々の中に無駄に高いフェンスが敷かれており東門と西門ぐらいからしか学校の敷地内に入れないのです。(余談だが母校は宗教施設の立地と罵られている) しかしながら侵入口の例外として南側に寺があり、その裏手から少し急な道を登っていくとフェンスがない部分があり東門までのうねった勾配を登る必要がなく学校にいける近道が存在してました。
 道があるということは畢竟、歩く者がおり管理されている住職様は迷惑しておりました。何度か学校側に講義をしていましたが、利用が止むことはありませんでした。

 私には身勝手な正義感と非道な悪戯心を持ち合わせた人間でしたのである一つの行動を起こしました。それは、問題の南側の道の途中にある大きめな木の根元に花とお茶の缶をお供えすることでした。当然件の道に事件など起きたなんてことはなく、脈絡もなく謂れもなくお供えをしました。週1で続けたその一ヶ月後、そこで仏業を行ってる生臭坊主に見つかってしまいました。
「おめえ、ここ通るなって言われているだろ!!」
と怒鳴りつけられました。そこで私は
「すいません、でもここの利用者を減らしたくて...」
というとよくわからないって顔をされ作戦を伝えると坊主のくせに笑いながら、
「協力するからお前はやんなくていい」
と言われました。それから一ヶ月して、面白いことに噂がたち始めたのです。「南の道で首吊りがあった」「いじめを苦にして命を絶った女子が南の道で出る」とか。一番面白かったのは「南の道で登校すると幽霊に憑かれる」なんていうのが。そんなこんなで学校中にあそこはヤバイと知れ渡って南の道を利用して登校者が減り、私の目的は達成されたはずでした。

 しかし事件が起こったのです。ある日のクラスのHRで"南の道で肝試しをした馬鹿が足を滑らせて怪我をした、南の道には近づくな"との教師からの注意がされました。これにて怪現象として立派な箔がついたわけです。(暗くて舗装もろくにされてない斜面を歩けば怪我するだろって百人が百人そう思うような結果だと思います。決して怪現象ではない)

 それからは心霊写真が撮れたとか、人の泣き声が聞こえたとか、そういう噂が流れだしこんな大ごとに発展することになってしまいました。世の中にある心霊スポットの5割くらいはこんなものなのかもしれませんね。

 ちなみに統治行為論は僕が流した都市伝説で実は幻影なのですが、いつの間にか想像上の影が意思を持ってtwitterをやっているのですから怖いものです。

 統治行為論Advent Calendar の明日分も僕が担当するのでお付き合いのほどよろしくお願いします。

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