私の頭は大丈夫か?(その3) Am I going crazy? (Part 3)

 先ほど、マンションの管理人の二次面接から帰ってきました。面接官は4人でこちらは(もちろん)1人。自己紹介させられて、面接官からの質問に答えて(履歴書と経歴書に書いてあることの口頭での説明)、さらに質問を促されて、私から踏み込んだことを聞き出しての、約30分間でした。ずいぶん狭い部屋に5人ですから、マスクをしていても「三密」だったような気もしますが、感染対策としては大丈夫だったのでしょうか。
 面接官からの印象的な質問が、1つありました。
「この金額と休日と仕事内容で、大丈夫ですか?」
 それを聞いて、全身から力が抜けていきそうなのを、ぐっと堪えて、私はにこやかに答えました。
「大丈夫です。覚悟しています」
 私に質問をした面接官には悪気など微塵もないと思います。それは単なる確認でしかありません。しかし、普通に考えれば「大丈夫」ではありません(もちろん最低時給はクリアしていますから、法律的には何も問題はないはずです)。面接官に相手の生活や人生を想像する力があれば、そんな質問はしないはずだ、と思いたいです。きっと個人の想像力よりも大事な、何らかの「面接マニュアル」があるのでしょう。ひょっとしたら以前に、面接において、何らかのトラブルがあったのかもしれません。そのため事前確認を入念にしなければならない、というようなルールがあるのでしょう。
 私は以前見たニュースを思い出します。そのニュース映像は、40歳くらいのワーキングプア的な状況にいる青年が、働いても食べるのがギリギリなので、1日1食で生活している姿を映しています。その1食も、カップ麺とおにぎりのようです。あなたは、その映像の中の、その青年に対して「その1食で大丈夫ですか?」と質問できますか? 私にはできません。なぜなら大丈夫なわけがないからです。
 私は以前読んだ『エルサレムのアイヒマン』という本を思い出します。この本は(ドイツ出身のユダヤ人で哲学者・思想家)ハンナ・アーレントが書いた(有能な官僚であるがゆえに悲惨な悪=ホロコーストを忠実に遂行してしまった)アイヒマンの裁判記録です。アイヒマンと面接官を並べるのは極端かもしれません。面接官はアイヒマンとは違いますが、その可能性を秘めているようにも感じます。考えすぎでしょうか?
 あえて私は「覚悟しています」と付け加えることで、何とか精神のバランスを保ちました。

追伸

 昨日、面接してもらえた会社から、採用面接結果通知が届きました。結果は、残念ながら落ちました。せっかく皆さんに応援していただいたのに、申し訳ないやら、恥ずかしいやら、情けないやら……。何が悪かったのか、理由は自分でもよくわかりません。縁と運がなかった、ということにして、無理矢理に納得しています。
 でも、それにしても採用面接結果通知が届くのが、早すぎませんか。昨日の面接が終わったのが12時15分くらい。今日、自宅の郵便受けに届いたのが推定11時くらい。速達でもないのに、届くのが早すぎます。ということは面接直後に、すぐに投函されたのかも。それにしても早すぎるなあ……。


もしあなたが私のnoteを気に入ったら、サポートしていただけると嬉しいです。あなたの評価と応援と期待に応えるために、これからも書き続けます。そしてサポートは、リアルな作家がそうであるように、現実的な生活費として使うつもりでいます。