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BTCUSDはデリバティブ主導で反落、パウエルFRB議長講演を受けてFOMCの大幅利下げ観測が後退 ビットコイン・デイリーレポート2024.10.1(2024. 9.30)

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市況概況(ビットコイン)
 30日のビットコインは反落。BTCUSDは日本時間早朝から下落し、軟調に推移した。日本時間午前中のBTCUSDの下落は、自民党総裁選挙の結果を受けて27日引け後に急落した日経平均先物の価格を織り込む動きから日本株が急落したほか、外国為替市場での円高進行を受け、リスクオフトレードが先行し売り圧力が強まった。また、この時間帯に先物市場を含みデリバティブ市場でロングスクイーズが発生した可能性も指摘されており、下落幅が拡大する要因になったと見られる。暗号資産デリバティブデータ・分析プラットフォームCoinGlassによると、日本時間9時~12時までの4時間でBTCロングのデリバティブポジションは2086万ドルの清算が発生した。また、30日のBTCロングのデリバティブポジションの清算は4590万ドルに達した。一方、この日のショートポジションの清算は585万ドルだった。
 その後は64,260ドルを下値支持に下げ渋る場面も見られたが、欧州時間帯に入ると下落が再開した。ユーロ圏の弱い経済指標受けた欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測を背景にユーロが下落すると、ユーロの下落主導でドルが反発し、ドル建てで取引されるBTCUSDを圧迫した。また、米国時間帯にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で「連邦公開市場委員会(FOMC)は急いで利下げをしようとしているわけではない」と述べたことを受け、11月のFOMCでの大幅利下げ観測が後退したことも圧迫要因となり、一時は63,090ドル付近まで下落した。終盤は安値修正の動きから60,000ドル割れは回避したものの、戻りは63,000ドル台までと限定的だった。
 パウエルFRB議長はこの日、全米企業エコノミスト協会(NABE)での講演で「経済が概ね予想通りに発展すれば、政策は時間の経過とともにより中立的な姿勢へと移行する」としたが、利下げペースについての姿勢は示さなかった。一方で、講演後の質疑応答では、利下げの見通しについて「時間をかけて展開されるプロセス」とし、「FOMCは急いで利下げをしようとしているわけではない」と述べた。この発言を受けて、シカゴマーカンタイル取引所(CME)が30日物FF金利先物から算出する金利見通し(FedWatch )によると、11月のFOMCで50bpの利下げが実施される確率は27日の53.3%から37.1%へ低下し、25bpの利下げが実施される確率は46.7%から62.9%へ上昇した。

※27日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス4億9426万ドル。30日のキャッシュフローは日本時間1日午後に出揃う予定。
※日本時間10月1日AM6:00現在のドミナンスは57.281%。

 30日のBTCJPYは反落。BTCUSDに連動して下落したほか、日本時間帯では外国為替市場での円高進行が圧迫要因となり、欧州時間帯には904万円付近まで下落した。その後は外国為替市場での円高進行が一巡し、円安に振れたことで下げ渋る展開となった。米国時間帯は節目の900万円割れを回避したものの、908~919万円のレンジ内で膠着。BTCUSDの下落を円安が相殺した。

市況概況(イーサリアム)
 30日のイーサリアムは続落。ETHUSDは、日本時間帯序盤からビットコインの下落を背景とした暗号資産全般の売りに巻き込まれ軟調に推移した。また、欧州時間帯以降はドルの反発も圧迫要因となり、米国時間帯には2580ドル付近まで下落した。終盤は安値修正の動きから2600ドル台を回復したが、上値には重さが残る状況となっている。テクニカル的には1時間足で週末の2733ドルを起点に戻り売りのトレンドが形成されており、下振れリスクが警戒される状況となっているが、月末通過でトレンドに変化が生じる可能性もあり得る。

※27日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス5864万ドル。30日のキャッシュフローは日本時間1日午後に出揃う予定。
※日本時間10月1日AM6:00現在のドミナンスは14.289%。

 30日のETHJPYは下落。ETHUSDの下落や外国為替市場での円高進行を受けて日本時間帯序盤に370,770円付近まで下落した。その後は、円高一服を受けて下げ止まったものの、370,700~377,800円のレンジ内で方向感を探る展開となった。

(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)

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