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ビットコイン・デイリーレポート2024.8.23(2024.8.22)

ビットコインは小反落、ジャクソンホール会合でのパウエル議長の講演を控え様子見

株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ

市況概況(ビットコイン)
 22日のビットコインは反落。BTCUSDは日本時間帯早朝に前日終盤からの上昇が一巡すると、利益確定の売りが先行する展開となり、一時は59,800ドル付近まで下落した。ただ、日本時間午後に出揃った米国で上場されているスポットビットコイン上場投資信託(ETF)の21日のトータルキャッシュフローが5営業日連続で流入となったことが好感されると反転し、欧州時間帯には61,400ドル付近まで上昇した。21日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス3942万ドルとなり、流入額は引き続き低迷しているが、キャッシュフローは回復傾向にある。米国時間帯は、この日発表された経済指標がまちまちだったことや金融市場全体が注目するジャクソンホール会合でのパウエル議長の講演を控え全般的に積極的な売買は見送られたが、イベントリスク回避目的と見られる売りに押され60,000ドル付近まで軟化した。
 この日、米労働省が発表した8月17日までの1週間の新規失業保険申請件数は季節調整済みで、前週比4000件増の23万2000件となり、市場予想の23万件をわずかに上回った。米S&Pグローバルが発表した8月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.1となり、前月の54.3からやや低下した。製造業PMIは48.0となり、前月の49.6から低下。一方、サービス業PMIは55.2となり、前月の55.0からやや上昇した。また、全米リアルター協会(NAR)が発表した7月の米中古住宅販売戸数は季節調整済み年率換算で395万戸となり、市場予想の393万戸を上回った。前月の390万戸から増加し4カ月連続の減少から反転した。
 この日はジャクソンホール会合に出席している米地区連銀総裁らの講演や発言が複数報じられており、いずれもデータ次第ではあるが9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを容認する発言をしているものの、パウエル議長の講演を控え、市場の反応は限定的だった。米株式市場も主要3指数が揃って下落しており、イベントリスク回避目的のポジション調整が優先された模様。

※21日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス3942万ドル。(5営業日連続で流入)
※日本時間8月23日AM6:00現在のドミナンスは56.956%。

 BTCJPYはほぼ変わらず。BTCUSDの動きに連動する格好となっているが、ジャクソンホール会合でのパウエル議長の講演を控え、外国為替市場ではドル売りポジションの巻き戻しが進み、ドル円が146円台まで円安が進んだことが下支え要因となった。日本時間帯序盤は前日の上昇を受け利益確定の売りに押され870万円付近まで軟化する場面も見られたが、その後は円安を支援要因に前日の高値を上抜き、節目の900万円台を試す動きも見られた。ただ、米国時間帯に入ると全般的に様子見ムードが強まるなか、ポジション調整の売りに押され軟化し、現在は880万円付近で取引されている。

 22日のイーサリアムはほぼ変わらず。ETHUSDは2590~2650ドルのレンジ内で方向感を探る展開となり、新たなトレンドの発生は見られなかった。米国で上場されているスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローが5営業日連続のマイナスとなり、引き続き上値を抑える要因になった。一方で、ジャクソンホール会合でのパウエル議長の講演を控え金融市場全般で積極的な売買が手控えられるなか、過度に売り圧力が強まる場面も見られなかった。

※21日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはマイナス1796万ドル。(5営業日連続で流出)
※転換型のGrayscale のETHEのキャッシュフローはマイナス3114万ドル。

 ETHJPYも前日比ほぼ変わらず。対ドルでの円安が支援要因となり、一時は前日の高値を上抜き387,000円付近まで上昇する場面も見られたが、米国時間帯には円安一服を受けて378,600円まで下落した。ただ、全般的に様子見ムードが強まるなか、安値は買い戻されており、現在は383,000円付近で取引されている。

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