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2024年ホリデー広告

2024年も残すところあとわずか!
今年もGoogleが1年間を振り返ったYear in search ムービーを公開しました。
毎年この時期になるとどういうテーマで1年を表現するか気になりますが、今年は「Breakout(大ブレイク)」でした。

個人的には、2020年〜2022年のコロナ禍で発表された Year in Search が、世界中の多くの人々が感じていた感情を表現していて感動が強かったので、なんとなく今年のテーマは少しインパクトが弱いように感じました。ただ、オリンピックイヤーだった今年はアスリートに加えて音楽アーティストの登場も多く、エンターテインメントの年だったように思います。
そして知らない音楽アーティストも数名いたため、トレンドに追いつけていない自分を少し残念に思う発見もありました…。

2020年〜2022年のGoogleのYear in Searchの作品をまとめた記事は以下のリンクよりご確認いただけます。


さて、この時期になると気になるのはGoogleのYear in Searchだけではありません。
各企業やブランドのホリデー広告にも注目が集まり、今回話題になったCoca-ColaとJohn Lewisの広告をご紹介いたします!


Coca-Cola 生成AIツールを使って制作

ここ数年、コカ・コーラはAIを活用したキャンペーンやデジタル体験の提供を行っており、今年は生成AIツールを使ってコカ・コーラの伝統的なCM「Holidays are Coming」を制作し、話題を集めました。制作期間は1ヶ月以内で、通常の制作期間に比べてコストや時間を大幅に抑えていますが、ロングバージョンのCM冒頭に登場するリスの生成には、数百回以上の試行を繰り返したと、Secret Levelの創設者であるJason ZadaがAd Ageのテックイベントで語っています。

ここ数年、AIを活用したキャンペーンを継続しているコカ・コーラが、今回のホリデーCMで生成AIを取り入れたことは、時代の流れやこれまでの活動を考えると自然な流れだと感じます。しかしながら、YouTubeのコメント欄を見てみると、コカ・コーラが掲げる「Real Magic」というタグラインに生成AIを使用することを皮肉と感じた人も多いようです。
AIで生成した画像や動画は取り入れ方によって賛否が大きく分かれることを改めて実感させられた広告でした。

John Lewis ①:ギフトを贈る大人にスポットを当てる

イギリスの百貨店John Lewisのクリスマス広告が公開されると、クリスマスシーズンの到来を感じます。これまでのJohn Lewisの広告はファンタジー要素が強く、子供にフォーカスしたものが多かったですが、今回は姉妹の絆をテーマに、ギフトを贈る大人にスポットを当てています。

大切な人には「これだ!」と思えるピッタリなギフトを贈りたいもの。ただ、大切な人だからこそ、あれこれ考えすぎて、プレゼント選びがなかなかのストレスになってしまうことがあります。広告では、ある女性がプレゼントを探すために姉妹の思い出を振り返り、タイムスリップするシーンが登場し、John Lewisならではのファンタジーな世界観が演出されています。一方で、今回はJohn Lewisの店舗内でプレゼントを探し回るシーンも含まれており、これまで広告の舞台が家だったのに対して、店舗が舞台になっている点が新たな試みとなっています。

広告の最後には「The secret to finding the perfect gift? Knowing where to look」というメッセージが流れ、「ピッタリなギフトを見つける秘訣は? それは、探すべき場所を知ること」という意味が込められています。

John Lewis ②:今年は3部作!

そして、今回新しい試みだったのは三部作の広告を制作したこと!
先ほど紹介したのが第三弾の「The Gifting Hour」で、11月中旬に公開されましたが、9月には第一弾の「The Window」を公開し、第二弾の「Gifting Campaign」を11月頭に公開しています。
ホリデー広告のメインとなった第三弾を先にご紹介しましたが、第一弾と第二弾も素敵なので、ぜひ簡単な解説とともにCMをご覧ください。

第一弾「The Window」

John Lewisの長年のタグライン「Never knowingly undersold(決して意図的に安く売らない)」を復活させ、John Lewisの過去100年間の進化の様子を店のウィンドウで表現しています。

第二弾「Gifting Campaign」

第二弾は写真を繋いで映像にした作品で、第一弾と第三弾と比較すると割とシンプルな作品ですが、心に響く温かいナレーションが特徴的です。

「ピンクがあまり好きじゃないこと、だけどお母さんはそれが似合うって知っていること。」から始まるナレーションは、ギフトを選ぶときの繊細な思いを描いており、一枚のピンクのセーターを通じて、贈り物に込められた愛情や未来へのつながりが語られています。
そしてナレーションの最後に、「これはあなたのためのもの、そしてそれを贈った人はあなたを愛している」と締めくくり、贈り物の本質を問いかけてくれる素晴らしい作品となっています。

以上、今回はGoogle、Coca-Cola、John Lewisの3つの企業の広告をご紹介させていただきました!
皆様はどの広告が印象的でしたか?
私はJohn LewisのThe Gifting Hourにグッときました。
昨年のJohn LewisのCMも素敵でしたが、これまでキャラクターの登場やファンタジー要素が強く、子供を主役にしたストーリーが多かったですが、今回のThe Gifting Hourは幻想的な世界感は残しながら姉妹の絆をテーマにしたアプローチが素敵で新しさを感じました。

執筆:高嶋 くらら