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雪国に生きる知恵

1 外に出ない

吹雪が来たら外に出ないこと、これは鉄則です。吹き溜まりができると車に乗っていても立ち往生してしまう事はよくあります。車の中にいても、マフラーが雪で覆われてしまうと排気ガスが車内に充満して、中毒でなくなってしまう危険性もあります。

子供の命を守るために、臨時休校になることもよくあります。

吹雪が止むまで家の中にいて、天気が回復したら除雪作業をする。これがセオリーです。

2  除雪作業は声を掛け合う

今日は嵐が来て、1日家の中でじっとしていました。風が止み雪も小降りになった頃、除雪作業を始めました。ご近所さんも同じように吹き溜まりから車を掘り出す作業をしていました。お決まりの会話が始まります。

「いやぁー降りましたねぇ」「ほんとさぁー、まいちゃうよね」

そして、なぜだか笑ってしまう。普段はあまり付き合いがないご近所さんでも、大雪になると仲良くなってしまう法則。除雪のマナーを守る事はもちろん必要です。だからお互いに雪を捨てる場所には気を使います。ときには、ご近所さんの家の除雪を手伝うこともあります。

つまり、大雪という現状を受け入れ、仕方なく除雪作業をする共通体験が仲間意識を持たせるのだろう。雪国の知恵の一つです。

除雪作業は時に大きな危険を伴います。屋根の雪おろし作業で落下してしまう、軒下で落雪の下敷きになってしまうなど、毎年事故が絶えません。

ですから、除雪作業のときには声を掛け合う、携帯電話を持つ、など、もしもの時に助けを呼べる、気がついてもらう工夫がとても大切です。

3 風の抜け道を読む

除雪作業を楽に行うためには、風の通り道を読むことが必要です。吹雪になると、建物の周りで風が通り抜けられない場所に雪が溜まります。除雪した雪を積んでおく場所を間違えると吹雪になったときに大きな吹き溜まりになってしまいます。なるべく雪が低い状態にしておくことが吹き溜まりを作らないコツです。

4 除雪車と仲良くなる

除雪作業する方と顔見知りになると、大変な時には合図をして雪を運んでくれることがあります。除雪車が来る少し前に外に出てきたら挨拶すると覚えてくれます。場合によっては、除雪作業している業者さんと契約して大雪が降った時に助けてもらうだけでも、かなり楽になります。

5 雪と仲良くなる時間を作る

スキー、スノーボード、雪像作り、雪合戦、など、雪で楽しみを作ると生活に潤いが生まれます。子供の頃は、雪かきのお手伝いをしながら雪で坂を作り滑って遊んでいました。大人になってもスノーシューやアイスキャンドル作りなどをして楽しむ時間を作っています。

かまくら作りも定番ですがやはり危険が伴います。危険を回避するための知恵を大人は子供に伝えます。そうやって危険回避能力を身に付け、次の世代に受け継いでいきます。

雪国で暮らすのは決して楽なことではありません。しかしながら、真っ白な銀世界の中で自然の厳しさと美しさに心を洗われることもあります。人には適応力があります。越冬キャベツ、雪の下大根、寒ジメほうれん草、など雪国ならでは商品価値をつけた野菜のおいしさには感動を覚えることでしょう。いちど味わっていただければ幸いです。









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