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イメージを描いて動けば世界は変わる

グラウンドデザインをつくってビジョンを共有する動きが一般的になっています。

なんのために、こうした手法をとるようになったのでしょうか。

図を描くのは視覚的に理解を促す方法です。グラフィック・レコーディング、マインドマップ、ファシリテーション・グラフィック、ビジュアル・シンキングなど、目的に応じて手法は様々です。大雑把にいえば、右脳型、パッと見てわかる、直感的に伝える、整理・思考するアプローチです。

図式化する中で、言語化する、分析する際には、左脳も使います。

例えば、数値目標を掲げて様々な評価指標で達成状況をみる分析手法もよく見られます。数値をグラフにすると視覚的な理解が高まります。ただし、グラフは縦軸、横軸のとり方で、伝わり方が意図的に操作される場合があるので注意が必要です。

最近はデータを重視する傾向がありますが、それだけでは信頼がおけないと、直感的な判断を優先して、うまくいったということも多々あります。

つまり、判断するための材料としてグラフィックを活用する、図式化して考えると思考・判断がしやすくなるわけです。


さて、本日のお題は「イメージを描いて動けば世界は変わる」。平たく言えば、「思いついたらやったもん勝ち」で世の中は動いているということです。

2019年、全国的に学校が休校になりました。教育活動が制限される中で、オンラインで授業をやれないかと動き出した先生方がいました。ある学校では、熱心な先生が一人でオンラインで授業をやっている、すると何が起きるか。やらない人がブレーキをかけるという奇妙な現象が起きます。子供の将来を応援するのが仕事なのに、子供のためにがんばろうとする人の足を引っ張るって可笑しいですよね。

学校全体でオンライン授業で子供の状況を把握し、学習サポートをする自治体も多々ありました。ばらつきが生まれたのは、情報端末が整備されていない状況があったからです。しかしながら、整っていてもできない、つまり、やらない方を選択した学校もあったのも事実です。「学習保障ができない」という理由をたてて。

本当にできないことでしょうか?

オンラインゲームに熱中する子供の学習スキルを習得するスピードは大人顔負けです。お年玉はコンビニでゲームの課金のためのカードを買ってもらうのが一般的になっているとか。

今、ZOOMなどオンライン会議ツールを活用して、ビジネスや資格取得の研修など、大体のことはオンラインで済む状況になりました。

家庭へのスマートフォン、PCの普及を考えると、端末さえあれば、オンラインで授業をすることは十分可能です。もちろん、使い方については家庭の指導・理解をいただくことは必須です。

ところが、オンライン学習サポートは推奨するが、オンラインは授業時数にはカウントしないという矛盾した通知が示されます。つまり、ダブルバインドです。やるのも尊重しつつ、やらないのも尊重するよと解釈できます。

現在、GIGAスクール構想が前倒しで準備が進められています。一人一台タブレットPC等の端末が配布されたとしても、それを家庭に持ち帰って授業に活用するという状態にはならないことが想定できます。なぜなら、授業としては認められないのですから。

家に帰って動画を見る時間が増えるからいたずらに与えるべきではない、だから、学校に保管しておけという危機管理的(ネガティブ)な発想です。

また、授業時数にはカウントされないけれども、端末を家庭に持ち帰らせて授業とリンクさせて、習熟のために活用するという学校もあるでしょう。

どちらも正しい判断です。後ろ盾がダブルバインドですから。

つまり、ここに格差の構図が生まれるということです。どんな施策をしたにせよ、有効に活用するかしないかは、使う人の考え方によるわけです。

使い方、活用の仕方を示して、オンライン上のルールやマナーを守ることさえできれば、思考ツール、開発ツールとして、デジタル端末を活用した授業を行うことは十分可能です。

そのためにも、思考方法・学習方法を身につける初期段階では、紙とペンを使った方法で伝えていくことが必要です。

古典的な方法である、黒板やホワイトボードを使ったミーティングを子供にやらせてみる、やり方を示して子供が主体となって学習できるように経験させていく。

今やるべきことは、そういう気づきを促す授業なのです。教えて覚えさせる時代から、自分で考えて答えを見つけ出す時代にシフトしています。

喜びや発見が生まれてくる、学びの楽しさを実感し、ワクワクしながら、勉強せずにはいられない。スクラッチのような開発ソフトを使って、現状を分析して、解決方法を探るという主張をできる子供が生まれてきています。

例えば、ー指導時間がないからプログラミング教材は使いきれないので必要ないーという主張。次のように、回答したらいかがでしょうか。

「内容精査することは必要です。しかし、時間は工夫して生み出すことはできます。子供が思考して創り出す時間を保障する。それがカリキュラム・マネジメントの本質だと考えますが、いかがでしょうか。年間の内容・スケジュールを図式化してみました。必要のない、精査が必要という箇所が必ずあります。そこに、時間の余裕を生み出すヒントが見つかるのではありませんか。」

新しい挑戦をするときは、トライ・アンド・エラーが基本です。習い事でも、見学や体験会がありますよね。まずやってから、継続できるかできないかを判断するでも、特に支障はないはずなのです。「はじめは抵抗感あったけど、やってみたら楽しかった。」の方が、生産性が高まるのではないかと考えます。

例えば、中1ギャップという言葉あります。学級担任が全ての教科を教える小学校と、教科担任制の中学校の教育システムが異なるために、子供が様々なエラーを起こすことが多々あります。そのため、小中の接続を円滑にするために、「乗り入れ授業」というものが開発されました。

今年は、多くの中学校で「一日入学」が実施されない場合が多いことでしょう。進学しても友達と会えずに鬱になって、せっかく入学した学校をやめてしまったという話もよく聞きます。コミュニティへの所属意識もつことで、人は安心して前に進めると考えます。ですから、初期対応が大切です。「感染症予防の観点から・・・」という理由だけで、他に手を打たないのは残念な結果を増やすことにつながると思うのです。

一方、オープンキャンパスをオンラインで実施している学校があります。単に入学生を確保したいという経営上の都合だけではなく、少しでも入学を希望する生徒の不安を和らげたいという狙いもあるはずです。

ある小学校では、中学校の「一日入学」がなくなったことで、中学校の先生を招いて「乗り入れ授業」を申し入れているとのこと。通常、中学校は複数の小学校を校区に抱えています。中学校が動かない(動けない)のなら、小学校が要望すればいいとアイデアを形にして動いたのです。「乗り入れ授業」と称して、中学校のレクチャーをしてもらえる、実質的な「一日入学」が実現するのです。

オンライン授業も同じです。今、子供たちにどんな授業をしたら良いかをイメージして、情報を集めて出前講師を探す、伝手を辿って交流先を探し、動いた学校に新しい文化が生まれています。

「イメージを描いて動けば世界は変わる」のです。

あなたは、どんなイメージを描きますか。



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