その人の声から忘れていくんですって。
私たち、まだ、こんなことで爆笑出来るんだ。と嬉しくなり、愛おしくなった。
昨日の夕方にしたビデオ通話でそんなことを思った。僕の母さんにも連絡してやってよ。そう言う彼はどんな気持ちなのだろう。
私はもうあなたの恋人ではないし、友人、なのか、後輩、なのか、わからない。
だけど今朝ふと、
たわいもないことで爆笑出来る私と彼の関係性が、愛おしそうに髪が伸びたね。と言う彼の声や表情が、浮かんだ。
私が思うに、彼は恋人にはちゃんと恋人扱いが必要だと思っている節がある。というのは、少し無理をしてでも恋人として扱うのだ。
優しくしなきゃ。連絡しなきゃ。好きって言わなきゃ。
無意識に〇〇しなきゃ。になっていくのが彼。
そう、まるで恋人ごっこ。そりゃ疲れてしまうに決まっている。
だけど、いまの私たちの関係性は「ごっこ」ではない関係性なんじゃないかな。
彼が素で居れる場所になっていると思う。怒ったかと思えば突然元通りだったり。人間らしく、そんな今の彼が好きだ。
そう思ったら
愛してるよ。と送っていた。
ありがとう。僕も愛してる。
と帰ってきた返事に、なんだか、恥ずかしくなってしまった。
付き合っていた頃は毎日交わした好きや愛してるが、別れた今になってこんなにもしっかりと重みのある言葉になった。
同じ人間が交わす言葉も時間を超えてこんなにも大切な言葉になるのだな。と。
追記: 人間は忘れたくないと思えば思うほど、大切な人の声から忘れていくのだとか。
彼の仕事柄、私は彼の声を忘れることはない。
まるで遠距離を見越していたかのようにね。
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