乃木坂46「他の星から」を読み解く

タイトルを見て「?」と思った方も多いはず。

ここ最近、世の中の状況だったり、社会人になって自分で学んだりして、今まで気づかなかった世界の見方を感じています。

それは、政治や経済、科学なんかもそうなんだけど、音楽や映画などの芸術作品を鑑賞すると特に感じます。

あらゆる作品は多様な知識や文脈理解、引用、政治経済などの社会状況を見極めることで初めて理解できるものなのかもしれない。

無知っていうのは本当に恐ろしくて。僕は学生だったときは根拠のなき自信にあふれる「そう状態」だったんだけど。ここ数か月、社会人になったこともそうだし、世の中の状況を感じたりして「自衛しなきゃ」みたいな。そんな感覚が出てきたんです。ワンピースでも「異形を恐れるは己の無知ゆえ!」っておでんが言うからね。このnoteでは、皆さんが余暇に楽しめる音楽、映画、スポーツ、小説、漫画などなどの話しかするつもりはないですが、たまにはそんなことも思うものです。

ってな感じでアンテナビンビンみたいな状態なんですね。それでいろんな音楽聞いたり映画見たり本読んだりするとバチバチ入ってきて。こういう状態で自分なりに考えたこと、解釈したことを言葉にして発信していくことは自分にとっても皆さんにとっても良いことかなと思うのでこれからこんなことも書いていこうと思っています。

ということで第一弾が乃木坂46の「他の星から」

そんだけ言って乃木坂かい!と思うかも。俺もそう思う。ただインパクト的にもいいし、思い入れもある曲だからいいかなと。今回は詞だけを切り取って読み解いていく。作詞はもちろん秋元康。

飯田橋の駅を降りて気付いた
いつもと同じだけど私にはわかるんだ
昨日までの地球とは違うこと
街の作りも人々も(ジオラマみたい)
通り過ぎるサラリーマンも女子高生も老人も(なぜ)
誰もが同じ与えられた仮面で表情がない

まず1番の歌詞。「飯田橋」はオフィスや大学、おしゃれなカフェや昔ながらの料亭などもある非常に雑多な街だ。主人公は飯田橋に降り立っていつもと違う街や人々の様子に気づく。行き交う人々は皆々与えられた役割をこなし、まるで仮面をかぶっているようだと。僕がまずビビッと来たのは昨日までとは違うと主人公が気付く事。まるでここ最近の俺やん!ってなったんだよね。街の様相は変わってるわけではないけど、自分の内的変化によって見える世界が変わるってことは大いにありますよね。そして、まるでみんな作られたものかのように同じだと。特に日本はそうですよね。与えられたものでそのまま深く考えないで生きる。かくいう自分も今までそうでした。その方が楽ですしね。不条理なシステムや権力にいいようにされてるし、僕らもそれでいいと思ってしまってる。そんな感じです。

他の星から来た(知らない人)
為政者の指示(目的は何)
妄想なんか誰も気にしてない
幸せに思えるんだったら
知らない間に滅亡してたって
みんなと一緒なら楽しそう

そしてサビ。「為政者」という強いワードが権力というものを連想させます。世の中の富は上位1%が90%持ってるとか、国家や大企業の広告やら何やらいろいろそんな話は聞いたことあると思います。でも深くみんな考えないんです。たとえめちゃくちゃ不条理で搾取され軽視されていたとしても。面倒くさいし関係ないし楽しくないし。そんなマインドが後半の3行にうまく表されています。めちゃくちゃこの感覚分かるんですよね。いろいろ難しい問題考えて鬱になったりするときあるんだけど「みんなもそうなんだよなあ」「どうせみんな死ぬしなあ」みたいな考えになるんですよね。

神楽坂の坂を登って急いだ
世界の危機ってこと私にはわかるけど
あぁそれより三味線のお稽古に遅れそうなの(まずいわ人間関係)
当たり前は怖いものだいつも同じが好きだ(はい)
変化は嫌い都合のいいロープで縛られよう

今度は神楽坂。東西線で飯田橋の次の駅ですね。ここでは「世界の危機」と完全言っています。不安とか考えるべきってことはわかってるんだけど日ごろの人間関係やタスク、社会人であれば会社、学生であれば学校、それぞれ日々の生活に手いっぱいといった感じです。そうやって気付いた自分のライフスタイルはなかなか崩したくないものです。だから気付かない、知らないふりして、考えるのをやめてみんな「都合のいいロープ」に縛られてるわけです。いつも同じ日常が送れればいい、送れると思ってる、本当は縛られてるだけだけど。

遠い星から来た(初対面)
未確認たち(侵略かもね)
誰かがきっと心配してくるでしょう
法律がどう変わってもいい
紀の善のあんみつ食べられればそれ以上の贅沢は望まない

2番のサビ。宇宙人のように比喩されているけど、いろいろ沸き起こってる昨今の問題、宇宙人ってことを意識すると人類共通の問題てイメージもしやすいかもしれない。環境問題や格差の問題、最近だとコロナ関連も入るかもね。まあでも誰かが考えて対処してくれるでしょ。私には関係ない。「法律」が変わろうと関係ない。「紀の善のあんみつ」食えりゃそれでいい。そういった誰でも持ちやすい考え方を映し出しています。難しい問題が多いですからね。考えてもわからんし。第一俺が考えてもって感じですよね。ここではそんな人間の避けられない感情をあぶりだしています。

歌はこの後1番のサビがもう一度来て終わります。

いかがだっただろうか。ただのアイドルソングと侮ることなかれ。なかなか我々に強烈なメッセージを投げかけていると思います。今までみんな自分たちの問題をさも他人事のようにして考えずに生活してきました。自分の生活さえ変わらず楽しければいいのだと。私もその一人でした。ただ、思ってるより世界は複雑で危機的な問題を抱えていることは紛れもない事実です。まずはそのことに目を向けなければなりません。コロナをきっかけにそういったところに視野が広がった人も多いのではないでしょうか。世の中がどうなったってあんみつ食べてみんなと一緒に滅亡するのがいいか、それとも向き合うべき侵略者に目を向け戦うか、考えてみてはいかかがでしょうか。

P.S. ミュージックビデオめっちゃかわいいよ

https://www.youtube.com/watch?v=5gtHfCYK0Aw

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