盆栽計測装置「Bonsai Dock」をご紹介いたします
はじめに
盆栽のための計測装置「Bonsai Dock」をご紹介いたします。
この装置は、私の年初に掲げた目標「盆栽の管理向上」のための装置です。
盆栽は「水やり3年」と言われており、管理の基本である水やりが難しいと言われています。「鉢の中の土が乾いたらたっぷりを水やる」という植物育成の基本が実はとても難しいのです。
「乾いたら」という所がとても難しい。私は当初、土壌水分計を用いて「乾き」を計測しようと思いました。
ところが、土壌水分計で測れるのは絶対的な数値というよりも相対的な水分量の変化であり、センサーの数値は変化するものの、温度やセンサーの接触程度などにも左右されるため、絶対的に「乾いている」状態の判定はなかなか難しいものであることがわかりました。
そこで少し視点を変え、ベテランの盆栽愛好者が言う所の「重さで水の乾きを感じる」ことを目指し、ロードセルを用いて盆栽鉢の重さを計るものを作ってみることにしました。
また、計測対象となる盆栽鉢が多数あるため、rfidを用いてタッチすれば、どの個体の重さかを瞬時にわかるようにしました。この機能により、盆栽愛好家は機器を操作することなく、次々と重さを計っていくことができるようになります。
水やり前と水やり後にBonsaiDockで計測を行うことで、その鉢の状況がわかります。
装置の説明
盆栽に取り付けたICタグにタッチすると、盆栽の重さを計り、その結果をGoogleスプレッドシートに送信します。私が現在構築を進めている盆栽管理アプリ「盆カン」と連携し、盆栽の今の状態を簡単に記録します。
「盆カン」にデータを蓄積させることで、その盆栽が持つ重さを知ることができ、水やり直後、乾いている状態のどの状態に近いのかを判定することを目指しています。
1.盆栽鉢のタグをタッチする。
2.重さを読み取る。
3.Googleスプレッドシートへ、タグ、重さを送信する。
4.盆栽管理アプリ「盆カン」にて、データを活用する。
苦労したところ
ロードセルからの値の読み取り、調整に苦労しました。実は昨年のコンテストもロードセルを使った工作をしようと考えていたのですが、ギリギリになって調整が難しくなり諦めてしまいました。今回も精度面ではまだまだ改良の余地があり、今後の課題となっています。
また、筐体についても、当初はロボットや工作機械についているペンダントコントローラーのようなものを作って見ようと考えていて材料も揃えていましたが、この調子ではとても完成までたどり着けないと考え、こちらもまた今後の課題として残すことにしました。
ロードセルの精度が今のところ甘いため、どうしても、大きめの盆栽を計ろうとしてしまいます。このため、筐体のデザインも今後の課題です。今のところ、100均のフレームを使っています。上から観賞魚用のLEDライトを当てています。今後の展開でカメラを使ったりしたいと思った時には撮影ブースとして使えるようにもしたいと考えています。
すべては、今後のロードセルの調整次第となります。
これから
装置としての完成度を高めるため、今後も改良を加えていきたいと考えています。
・ロードセルの調整方法について
・キャリブレーション機能
・手動入力
・筐体
・カールコード
・カメラ
・温湿度計測
・「盆カン」側でのデータ利活用
さいごに
毎年、このコンテストに向けて、盆栽のための装置づくりを手掛けています。まるで夏休みの自由研究のようです。チャレンジを重ねていく中で、少しずつ同じ興味を持つ仲間との交流ができ、情報交換ができるようになってきました。
このような経験をするきっかけを作ってくださったコンテスト関係者の皆様に感謝申し上げます。
これからも楽しみながら、より良いものを作っていきたいと思います。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
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