みなさん最近どうですか? 0107

トニ・コレット祭が無事に開催されましたね。みなさん最近どうですか?

トニ・コレット主演映画ドリーム・ホースを観ました。下にネタバレがありますので、読みたくない人はドリーム・ホース以外の日報をお楽しみください。

友と会う
K-POPに造詣が深い友と久しぶりに会う。去年はとにかくNew Jeansがすごかったね〜と盛り上がり、最高潮に達したとき”天才てれびくんのてれび戦士に憧れていた頃の気持ちが湧いてくるよね!”と伝えた瞬間道を違えてしまった。あのピンと来てなさはマジだった。私より4年遅く生まれただけで天才てれびくんの概念を理解出来なくなるものなの?あと、何もかも上手く行った世界線のミニモニという例えも響いていなかった。どういうこと?

映画を観るということ
ドリーム・ホースは客層がバラバラで、私の横には劇場内で販売されたサンドイッチを頬張る中年女性がいて、目の前にはラブライブの缶バッジを帽子につけたオタクがいた。ちなみにラブライブの缶バッジをつけたオタクの姿勢が良すぎるせいで座席から帽子と頭が飛び出ており、なんども私の視界を妨げていた。ミニシアター系の映画館はたいてい座席間の傾斜が弱いことを忘れていた私も悪いが、屋内かつ着席した状態でも帽子を取らないオタクもムカつくよ。推しを身につけるときは人一倍気を使え。

ドリーム・ホースを観たあとへ向かったカフェ
甘いものでもしばきましょかと商業施設内にあるChano maという店へ行った。その店には窓側一体が靴を脱いであがるマットレス席というものになっており、そこは波打つ白いリネンと清潔感あふれるクッションが敷き詰められ、若い女性が思い思いの体勢でくつろいでいた。「いつかあそこで食べようね」という叶わない約束が交わされ、私達はパフェとシフォンケーキをつついた。トニ・コレットを2時間浴びるという経験で心身ともに疲れていたのか添えられたメープルシロップをシフォンケーキがビタビタになるまで掛けていた。私には必要な甘みだった。

別の友にトニ・コレット祭を自慢したところ「観た〜い!」と軽率に返してきたのでまた観に行きます。それでは。下の方にネタバレありの感想があります。






































ドリーム・ホースを観た
ウェールズに住む主婦ジャン(トニ・コレット)が働くバーへ客としてやってきたハワード(ダミアン・ルイス)の話をきっかけに馬主になることを決意し、村人を巻き込んで共同馬主となりレースを目指し、見事勝ち上がっていくという話。

公式サイトはお金じゃ買えない胸の高鳴りを求めて〜〜と書いているが、普通にお金のことで揉めるので純粋無垢な田舎者たちが夢を追うという話ではないし、この話の肝は夢を追い求めることではない。もちろんドリーム(馬)をきっかけに日常に張りが出てくる様子が何度も挟まるし、それも微笑ましくて好きなのだけど、私はどちらかというと子供を授かることなく中年となった夫婦が親族からモラル・ハラスメントを受けながらも耐え忍び、馬を愛おしむ姿の方が焼き付いている。

終盤でさんざんモラル・ハラスメントをしてきたジャンの実父も実は陰ながら馬を応援していたみたいな演出がある。私が20歳のころなら「不器用なりに愛してたんですね……」と泣いていただろうが、今はもう普通に怒りしかなかった。本当にね、こちとらモラハラをしてきた部分しか見えていないので「カスが死んでせいせいしたな!ジャン!葬式も一番安いプランでよくない?!」と肩を組みに行きたかった。だいたいさ、2000年から20年も経つんだからさ(本作は2020年公開)まともにコミュニケーションが取れない様を”父親の不器用な愛”で終わらすなよ。ジャンがどれだけ耐えてきたか、どれだけ心血を注いできたかも認められず、あまつさえ娘の夫まで侮辱するようなバカクズジジイの愚行を新聞記事の切り抜き集でチャンチャンにすな。ドリームを善行ポイントに変換すな。

でも、ジャン(トニ・コレット)はそういうことに怒らない。日常的に受けるクリティカルには届かずとも心無い言葉に感情の受容体を麻痺させる術ばかりが上達したせいで、毎朝起床したときに胸が高まるような人生でありたいと願う人になったのだ。なんて哀しくも健気な人だろう。そんな彼女が育てたドリームが怪我から復帰した大一番のレースで順位を上げてゆく姿、そしてドリームを見守る姿といったらもう!装飾された言葉もなく、途切れ途切れで曖昧な単語の羅列に祈りの気持ちだけがある。誰よりも無事を願う美しさといったらもう!トニ・コレットって最高。アクリルスタンドフィギュアにしてほしい。


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