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NPBにおける外国人打者のステータスの低下


お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

外国人打者の優劣が優勝チームを決めていた時代

NPBには外国人選手の枠があります。1952年~65年が3人。1965年~80年が2人。1981年~93年が支配下登録3人で出場できるのが2人。1994-95年が支配下登録3人で出場できるのが投手・野手会わせて3人。(※投手・野手を1・2、または、2・1)1996年以降は支配下登録は無制限で1997年までが出場できるのが投手・野手会わせて3人。1998年~2001年までが投手2人、野手2人の4人。2002年~現在までが投手・野手を合わせて合計4人(※双方2・2、あるいはどちらか3・1)となっています。2人しか支配下登録も出場もできなかった時代は試合により多く出場できる打者を外国人選手にするチームが多く、その優劣が優勝を決めていました。ヤクルトで初優勝をもたらしたマニエル選手は、近鉄に移籍後も2連覇に貢献するなど外国人選手の力を見せつけました。バースがいた阪神も優勝しましたし、ブーマーのいた阪急も優勝しました。しかし、現在のNPBに於いて外国人打者のステータスが下がってきているようです。

WAR指標が下がった外国人打者

データ分析を手掛けるDELTA(東京・豊島)の集計によると、今季の外国人野手のWARの合計は3.2でした。2014年は26.7でしたので、この10年で外国人野手の勝利に対する貢献度は大きく低下しています。14年、外国人選手は打席に計1万826回立ち、計429本塁打を放っています。今季の打席数は14年比で約3割少ない7305、本塁打は半減に近い231本です。

#日経COMEMO #NIKKEI

優秀な外国人選手が獲得できなくなった理由

理由① 米大リーグの選手管理が上手になっていることがあげられます。各球団は小まめに余剰な選手を入れ替え、常に選手編成の最適化を図っています。マイナーリーグでポジションがかぶる複数の有望株がくすぶっているというケースは減り、NPBの球団からすると狙い目の選手が減っています。
理由② 年俸格差。大リーグの平均年俸は400万ドル(約6億円)を超えます。一方、今季のNPBは4468万円となっています。円安・ドル高傾向にある為替もNPBにとってはマイナス要因で、待遇の格差は拡大傾向にあります。また米国では近年、マイナーリーグのチーム数が削減され、労使交渉によって待遇の改善も図られているという事情もあります。
理由③ 日本球界のレベルアップ。NPBで実績を残して大リーグにアピールすることは来日の動機になり得ます。ただNPBは投手を中心にレベルが上がり、走者を置いた際のクイックモーションなど、日米間には野球スタイルの違いも大きいです。成功へのハードルは高まっています。韓国リーグは野球スタイルが米国に近く、日本よりチーム編成の時期が早いという事情も手伝い、海外移籍先として有力な選択肢の一つになっているようです。

2年連続本塁打王ソトの打撃低下に見るNPB投手レベルアップの著しさ

2018,19年と2年連続本塁打王に輝いたソトが2020年以降の4年間は本塁打30本以上打っていません。22,23年は17,14本と10本台です。しかし二塁打がこの2年25,22本と増えています。ソト選手はコンパクトなスイングから広角に長打が打てるのが魅力でしたが、NPB投手の手元でのボールの変化等が進化したことで、本塁打に出来た打球に力が伝わらずフェンス手前までしか打球が伸びていないことがわかります。3割打者が2023年は両リーグ合わせて5人しかいませんでした。こうしたことからもNPB投手のレベルアップが著しいことがいえます。パ・リーグは本塁打が20本以上も5人しかいない状態で、パークファクターを除いたとしても、セ・リーグ以上に投手の進化が激しいようです。


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