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捕手はリードで選ばない方がいい


お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

捕手のリードは重要視してはいけない

里崎智也さんは言います。「“名捕手の条件”は「打つこと」と「勝つこと」でそこに「リード」は入りません。なぜなら「良いリード」には評価の基準がないですし、「リードの良し悪し」は結果論でしかないからです。実際、打たれた、負けたのに「でもリードは良かった」と言われることはほとんどありません。「良いリード=勝つこと」で周囲は評価をするのです。」里崎氏は「「捕る」「止める」「投げる」が一定のレベルにあることは必要です。ただし基準はありません。その点、「打つこと」は打率や本塁打数、長打率、出塁率など明確な基準があります。「勝つこと」はそのままですね。」と語ります。キャッチング、ブロッキング、スローイングが試合を壊さないレベルの捕手ならば打撃が優先され、リードは一番後回しの項目とのことです。ダルビッシュ有さんは「本では、なぜか日本シリーズになるとキャッチャーがすごくクローズアップされることが多いじゃないですか? 最近はデータが発達しているので、ベンチからのサインをもとに投げることが多いですね。でも、打ち取ったらアメリカの場合は「ピッチャーがすごい球を投げた」となる。本では、「キャッチャーのあの配球が素晴らしかった」となる。その違いはなぜだか知りませんが。結果論です。」と語ります。また「アメリカではフレーミングとか全部を洗い出していますからね。そういう意味では日本の評価基準ってわかりづらいですよね。例えば、内野手の守備機会って1シーズンでせいぜい数百回、MLBだと年間で500回、600回ぐらいです。でも「フレーミング機会」って一番多い選手で8000回ぐらいあるんですよ。ブロッキングは5000回ぐらい。これらを守備機会とするならば、キャッチャーって1万回以上の「守備機会」があるんですよね。それをきちんとした評価基準で評価しないと捕手を馬鹿にしていますよね。」と語ります。

日本経済新聞のコラム

日本経済新聞のコラムでは野球アナリストの岡田友輔さんが「捕手のリードのせい」は的外れ 求められる風土改革とコラムを書いています。『「捕手責任論」を立証するには、前提として捕手が構えたところに投手が正確に投げることが求められる。データ分析を手掛けるDELTA(東京・豊島)の算出によると、2022年に計測可能だった投球24万9872球のうち、捕手が構えた位置からストライクゾーンの横幅の3分の1を超えて離れたものが17万4598球あった。実に7割近い投球が「制球ミス」だったことを考えると、責任の多くはむしろ投手が負うといえるかもしれない。』これは基本的に捕手のリードは7割方成立していないとも読めます。『米大リーグでは捕手が配球の全責任を負うという考えはなく、チーム全体で相手打者の攻略プランを共有するやり方を採っている。現在、大リーグでとりわけ重視されているのが、打球速度が出にくいコースに投げること。』『メジャーの捕手に求められる資質は配球面の創意工夫より、はっきりと数字に表れる能力の方だ。まず第一に重視されるのがフレーミング。ストライクかボールか微妙な投球を、捕った瞬間にミットをストライクゾーンに動かして「ストライク」の判定を誘発するスキルだ。』フレーミングについてはダルビッシュ有さんもデータ化されているから有効だといいます。

#日経COMEMO #NIKKEI

ベイスターズ捕手におけるリード

DeNAになってからは2016年に入団した戸柱捕手はフレーミングだけではなく、ブロッキングの良さも含め、ベンチからの指示で配球していました。2018年途中に入団した伊藤光捕手、ホークスへ移籍した嶺井捕手は自分のリードをメインにしているようです。現在、ベイスターズで一番マスクを被る山本捕手はベンチからのデータをもらい、マウンドにいる投手と共有しながら、投手が投げやすいように的を大きくして、幅広くストライクゾーンを使うように指示しています。ベイスターズベンチからの指示が細かいコースへの配球を出しているのか?投手がコースを攻めきれず球数が多くなるパターンが多いです。山本捕手はこの辺りを「ベンチの指示の近辺広く投げろ!」と構えているようです。5月14日に完封した阪神の才木投手は、梅野捕手が細かいリードではなく、ざっくりとしたゾーンに投げるように指示していたために、逆にストライク先行できていたようです。リードよりも投手が投げやすいキャッチング、後ろに溢さないブロッキング、続いてスローイング。
スローイングもMLBでは盗塁は投手のフォームの方が影響がでかいとデータが出ているため、さほど重視していないようです。そして何よりバッティングです。山本は今、新しく求めれる捕手像に近づいているような気がします。

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