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野球DX活用がチーム力の差となる
お断り
今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。
ボールが重いとか軽いとかの感覚が数値化された
NPBではホークスやベイスターズが先行するベースボールDXですが、MLBでは2006年ごろからデータがオープン化され、野球界以外からの知見も加味されて、2014年ごろからはデータを利用するチームとそうでないチームに力の差がでてきたようです。どのチームにもセイバーメトリクスのアナリストは存在しました。ただ、リリースポイントの高さやエクステンション(プレートからリリースポイントまでの距離)の影響や、変化量の解釈は、整理しパターンを導くには統計学も必要ですが、バイオメカニクスや物理学的な要素も関わってくるので、「まずはそれぞれの専門家らから、自分たちが勉強する必要があった」という状況でした。R&D(リサーチ・アンド・デベロップメント)という、いまや多くの球団に存在する部門のはしりが作られ始めて、野球用に開発されたトラックマンは実際、10年ぐらいから大リーグの各球場、キャンプ施設に設置されるようになりました。当初は技術が先行し、スカウティングにどういかすのか、パフォーマンスの向上にどう利用するのか、「手探りだった」とのこと。間違った解釈もあったようです。14年ごろまでにはかなり差がつき、15年にSTATCASTが導入された時点で、決して〝よーいドン〟ではなく、準備ができているチームとそうでないところは、明らかに差があったようです。ドジャースやアストロズが15年以降、リーグを圧倒し、低予算のレイズが健闘しているのも、決して偶然ではないようです。
コーチの抵抗によるデータ導入の遅れ
データの分析、解釈の理解から実戦への応用の段階では、「少なからず障害があった」ようです。パフォーマンス向上のためと伝えても一部は疑い、データを解釈する上でも、理解が追いつかないのです。例えば、回転数。高ければいいというものではありません。ダラス・カイケルのツーシームの回転数は低いが、だからこそ沈み、ゴロになります。むしろ、平均的な軌道が一番、相手の目に慣れていて打ちやすいわけです。いまではそれに異論を挟む人はいないですが、最初は理解をしてもらうまで時間を要したのです。頭では分かっていても、結果が伴わない限り、受け入れられなかったのは仕方のないことでしょう。アナリストが分析結果をコーチに伝え、コーチが選手に伝達する役割を担いましたが、コーチの理解力の低さ、言葉の難しさが障害となりました。一方でオフにドライブラインなどでデータに沿ったトレーニングを積んだ選手が結果を出すようになるとドライブラインからは、ここ4〜5年で30人以上がMLBのコーチに引き抜かれました。
中途半端なデータ理解が生む弊害
数字にこだわりすぎる選手が増えることで、野球そのものを理解しない選手がアメリカでは増えるという弊害も出ています。回転数はどうだった? 打球初速はどうだった? 角度は? 表面的な数字に一喜一憂するばかりの選手もいるようです。選手がスカウティングサイトに掲載されるランキングばかりを気にして、ファンダメンタルをおろそかにしているようで、これでは野球の本質から離れてしまいます。こういった問題はありつつもデータをコーチングに取り入れないチームは確実に弱体化することだけは明らかです。
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