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叡王戦の対局者

こんにちは。
叡王戦第3局の見届け人として長崎に人生で初めて行くことになったので長崎の名物を調べていますが、美味しいものが多くありそうで一安心。とりあえずフルーツ大福は食べてみたい。

長崎の名物はさておき、今回は叡王戦に出場している両対局者について整理してみました。せっかく両対局者にお会いできるので、失礼の無いようにしっかり勉強しておかなくては。
前回の記事はこちらからどうぞ。

プロフィール

まずは、両対局者のプロフィールから。NHK杯の棋士紹介をイメージして作ってみました。

高見泰地叡王
神奈川県横浜市出身。1993年7月12日生まれの25歳、2011年10月1日プロデビュー。竜王戦は4組、順位戦はC級2組。
タイトル挑戦経験はなかったものの、2018年第3期叡王戦七番勝負で金井恒太六段とタイトルを争い4連勝で叡王を獲得。
2018年度の成績は24勝11敗、勝率は0.686。順位戦では8勝2敗の好成績を収めたものの、順位の差でC級1組昇級はならなかった。2019年4月からNHK将棋フォーカスの司会を務めている。

永瀬拓矢七段
神奈川県横浜市出身。1992年9月5日生まれの26歳、2009年10月1日プロデビュー。竜王戦は1組、順位戦はB級1組。
過去、タイトル戦には2度挑戦しているがいずれもタイトル獲得はならなかった。
2018年度の成績は36勝9敗、勝率は0.800。順位戦では全勝でB級1組への昇級、王位戦挑戦者リーグでは3連勝入り、竜王戦1組ランキング戦では決勝進出。叡王戦七番勝負もここまで2連勝で勢いに乗っている。将棋に対する非常に厳しい姿勢や発言から、「軍曹」の愛称で知られる。

過去のインタビューから

さて、過去の両者のインタビューを見ていて私は現地で確かめたいことを見つけました。
まずは高見叡王のこの言葉から。

人間同士の対局で、なぜ逆転勝ちが多いかというと、「ちょっと悪いかな」って思っている方は、思い切って踏み込みが良くなるんですね。「将棋は逆転のゲーム」と言います。人間同士がやっているから、精神的な「勝ちたい」という思いと、追い上げている人がかけてくるプレッシャー、それぞれ感じるプレッシャーの度合いが違うから、逆転というのが起こりやすいと思っています。自分は結構逆転が多いタイプなんですけど、 弱いとか強いとかよりも、そうしたドラマを見てほしいなと思います。
( http://news.livedoor.com/article/detail/14761408/ より引用)

叡王戦での2連敗、竜王戦で藤井七段に対して喫した黒星。優勢の場面もあった中、追い上げられているという「プレッシャー」に負けてしまったのかもしれません。
前期叡王戦とは異なり2連敗と追い込まれた状況で迎える第3局となるわけですが、高見叡王がどんな「ドラマ」を見せてくれるのでしょうか。

続いては永瀬七段。

2回目のタイトル挑戦なので、初挑戦のときと比べるとだいぶ善戦できるんじゃないかと思ったんですけど、やっぱり戦ってみると新しく課題も見えたりして「まだまだ距離があるな」と思いました。1回目よりはある程度成長できたつもりではいたんですけど、それでもやっぱり羽生(善治)先生、渡辺先生と比べると少し差を感じてしまった部分があったので、まだまだこれから差を詰めていくのを楽しんで頑張りたいなと思いました。
( http://news.livedoor.com/article/detail/14765861/ より引用)

2回目のタイトル挑戦となる第43期棋王戦は、渡辺明棋王(当時)に対してフルセットの激闘の末惜しくもタイトル獲得はなりませんでした。
現在永瀬七段は王位戦の挑戦者決定リーグではトップを走り、叡王戦でも2連勝と絶好調を維持しています。これまでの羽生九段や渡辺二冠といったタイトルホルダーに対して感じていた「差」をどう詰めてきたのか、そしていよいよ自分自身がタイトルホルダーに近づく大きな1勝をあげられるのか。永瀬七段の対局姿から少しでも感じ取ってきます。

戦型予想

素人なので当たるはずもないとは思いますが、第3局の戦型予想をしてみたいと思います。
第3局の先手番は永瀬七段となりますが、ここ最近の戦い方を見ると永瀬七段は矢倉を志向して初手は▲7六歩が本線となります。しかし、ここ最近先手番で極端に矢倉を志向していることに加えて第1局で角換わりに誘導したことが気になります。
私は、永瀬七段は高見叡王が待ち構えているであろう矢倉以外の戦型にしたいと想像し第3局は相掛かりになると予想します。(たぶん外れると思いますが…)

おわりに

前期は高見六段(当時)が2連勝で第3局を迎えていたわけですが、その第3局立会人の谷川浩司九段が観戦記の中でコメントされていた言葉を引用させていただきます。

例えば第3、4局を1勝1敗だとして、[筆者注:金井六段から見て]トータル1勝3敗で、持ち時間1時間の第5局を迎えるとします。通常のタイトル戦で1勝3敗よりは気分は楽なはずですよ。リードしている側に長時間でジワジワやられるよりも、細かいことを気にする暇がない早指しのほうがいい。1日2局ですが、早指しならポンポンと連勝することもあるでしょう。
( https://originalnews.nico/100697 より引用)

谷川九段のこの言葉は、「持ち時間変動制」という叡王戦ならではの戦い方の難しさを体現しています。
持ち時間も5時間から3時間へと短縮される第3局は、高見叡王がムードを変えるきっかけをつかめるか、永瀬七段が今の勢いのままタイトルへ向かっていくのか。どの結果になってもタイトルの行方を左右する大勝負になるでしょう。私自身も楽しみに現地で観戦してきます!

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