いつも君の味方

前回の山下達郎さんの記事に関して想像を超える
沢山の反響があり、大変驚いております。
お読み頂きました方々に深く御礼申し上げます。

様々なご意見があり、それらを尊重させて頂きますし、もし
自分の考察に共感して頂ける部分がありましたなら幸いです。

ところで、これはさだまさしさんのエピソードになるのですが、
40年近く前にさだまさしさんのツアーに「ふりーばる~ん」という
バックバンドがついておりました。

その中に福田幾太郎さんというギタリストがおりまして、
さださんからするとお兄さん的存在だったそうです。

さださんがデビュー10周年記念のコンサートを東名阪で
実施してた時、大阪での公演の打ち上げの席で幾太郎さんが
さださんに対し、

「例え君が全世界を敵に回しても、僕は君の味方だよ」
と仰ったらしいのです。その数日後に幾太郎さんは
交通事故で帰らぬ人に。さださんは後年、その想いを
「デイジー」という曲に託して書かれています。

当時のさださんはご自身の楽曲を偏った解釈されがちで、
女性蔑視、根暗、戦争への姿勢など様々な面でバッシング
される事が多く、またご自身で製作された映画「長江」の
負債で借金の返済に追われる日々だった事もあり、相当に
大変な時期を過ごされていたのだろうと思います。

そんな辛い時期に寄り添ってくれた友人の存在。

さださんは、旧知の仲である松山千春さんが、親友の
鈴木宗男さんが大バッシングされていた時期でも庇われていた
その姿勢に「僕とは主義主張は違うけど、友人を想う
気持ちは素晴らしい」と仰っていたことがあるそうです。
それは幾太郎さんから貰った言葉が芯にあったからだと思います。


今回、山下達郎さんも大バッシングになることを覚悟の上で
あの発言をラジオでなさったと思います。世間的に正しいか
どうかも大事かもしれませんが、それ以上に達郎さんには
大事にしたいものがあったという事であり、自分が矢面に
立ってでも守りたかったのかなと考えられます。

そういえばさださんは
「あなたの主張も尊重するから、私の主張も尊重してほしい。
つまり五分五分。」と仰っていました。

今回、山下達郎さんのスタンスに対して批判的な方は
自分の理想とする行動を取ってくれなかったというのが
一番大きいのかなと思います。松尾潔氏然り。

他人に対して勝手な理想像を押し付けて、そうならなかったから
批判するというのは少々傲慢かなと思います。

また、著名人に自分の考えを同調してほしいという
考えも傲慢だと思います。自分の理想を著名な方に代弁
させようとするでなく、ご自身で信念もって行動して、それが
より多くの人に賛同されるようなものになっていくという
のが自然な形ではないかと考えます。

別に私も山下達郎さんやさださんの全ての言動が正しいと
思っていませんし、自分の中で腑に落ちる部分にのみ共感する
という感じです。

そういえば、達郎さんとも親交が深かった大瀧詠一さんが
ご存命だったら達郎さんに何て仰るんだろうと想像されてる
方が結構おりまして、それぞれが勝手に理想の大瀧詠一像を
作り上げてるような気がしました。

私なりの勝手な大瀧詠一像として、彼のこの言葉が一番
しっくり来るかなと思っています。

「期待は失望の母」


*意見には個人差があります

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